アボット,ペースメーカのAssurity MRIおよびEndurity MRIの3T MRI対応を発表
〜普及の進む3T MRIの全身撮像に対応することで,医療従事者と患者さんの双方により適切な診断機会を提供〜
2017-11-30
アボットは,Tendril STSペースメーカリード(販売名:テンドリル STS)の製造販売承認一部変更承認を受け,Assurity MRIおよびEndurity MRIが,従来の1.5テスラMRI(磁気共鳴画像装置)だけでなく,3テスラMRIにも対応可能となったことを発表した。これにより,これらのペースメーカを植え込んだ患者さんは,必要に応じて,急速に普及しつつある3テスラMRIによる全身スキャンを受けることができるようになる。また,Assurity MRIペースメーカは,小型,長寿命バッテリーの3T MRI対応ワイヤレス・ペースメーカとなる。
ペースメーカは小型植込み型デバイスであり,心拍が過度に遅い場合に電気パルスを心臓に送り,心拍リズムが遅いことによって生じるめまいや倦怠感の症状を軽減することができる。日本では毎年約40,000人が植込み型のペースメーカの使用を新たに開始[i]している。
強力な磁場を生じるMRIでは,植え込んだデバイスの損傷リスクや干渉などの影響を受ける可能性もあるため,MRIスキャンを受けることのできるペースメーカは,より詳細な診断情報を得る上で,患者さん,医療従事者の双方にとって大きな利益になる。特に,より高解像度の画像が得られる高性能な3T MRIは近年急速に普及しており,3T MRIに対応可能なペースメーカの必要性が認知されていた。今回,Assurity MRIおよびEndurity MRIが3T対応となったことで,患者さん,医療従事者はMRIの恩恵を十分に受けることが可能になる。
また,Assurity MRIペースメーカではワイヤレス遠隔モニタリングが可能なため,医師は患者さんの診断データや毎日のデバイス測定結果により確実にアクセスすることができ,病院訪問の必要性も減少する。遠隔モニタリングはこの10年間で最良事例(ベスト・プラクティス)とされ,患者転帰および医療費削減における好影響が複数の研究によって証明されている。2015年には,米国不整脈学会(Heart Rhythm Society)がそのガイドラインにおいてワイヤレス遠隔モニタリングを標準治療とした。
[i] http://www.jadia.or.jp/medical/crt-p.html
●問い合わせ先
アボット ジャパン(株)
www.abbott.co.jp