日立製作所,被検者に優しい検査を提供する前腕用X線骨密度測定装置の新製品「ALOKA ALPHYS A」を発売
2017-4-4
X線骨密度測定装置
「ALOKA ALPHYS A」
(株)日立製作所(以下,日立)は,X線骨密度測定装置の新製品「ALOKA ALPHYS A」(アロカ アルフィス エー)を開発し,6月から販売を開始する予定。
本製品は,標準モードに加え,高速モードと高精度モードを搭載しており,短時間で多くの検査を行うスクリーニングや,微差な骨密度変化を捉える投薬効果の判定にも適している。また,被検者が装置の高さにあわせて,体勢を変えることなく検査を行うことができる昇降型の台車をオプションで組み合わせることができ,検査時の被検者の負担を低減する。さらに,5色のカラーシートのオプションを備えており,検査室内の色調を統一することで,快適な検査環境を実現する。
超高齢化社会が進む日本では,介護を受けず,自立して生活が送れる期間である健康寿命を延ばすことに関心が高まっている。一方,要介護になる原因は,骨折や関節疾患など運動器の疾患が一番多く*1,日本整形外科学会は2007年から,骨や関節などの運動器疾患により,「立つ」,「歩く」など移動機能が低下した状態を総称して,ロコモティブシンドローム*2(運動器症候群)を提唱し,予防啓発を行っている。ロコモティブシンドロームの原因のひとつである骨粗しょう症は,骨が弱くなり,骨折がしやすくなる疾患ですが,自覚症状が少ないので,骨折をして初めて気づくことが多く,また一度骨折をすると,次に骨折する可能性も高くなることから,早期検査による治療や予防が重要とされている。骨粗しょう症の検査は,骨密度を測定する骨密度検査,骨の形を観察するレントゲン検査や骨の新陳代謝を測る血液検査などがあるが,骨粗しょう症は,骨が弱くなり,骨折しやすくなる疾患であることから,骨密度検査が有用と考えられている。
日立は,1988年に日本で初めて,X線を用いたDXA(デキサ)法*3による前腕用の骨密度測定装置を発売して以来,測定から解析,結果の印刷までほぼ自動で可能な簡便な操作性や,被検者に優しい装置設計などの改良を行ってきた。また,前腕タイプ以外にも腰椎・大腿骨用骨密度測定装置を開発し,骨密度測定装置市場を常にリードしてきた。
「ALOKA ALPHYS A」は,これまで培ってきた簡便な操作性などを継承しつつ,オプションの昇降型の台車を組み合わせることで,歩行が困難な被検者も車椅子に座ったままで検査が可能である。
●新製品の特徴
1. 高速で検査を行うスクリーニングから精密検査まで可能な測定モード
「ALOKA ALPHYS A」は,標準モード以外に用途に応じた高速・高精度モードを標準搭載している。高速モードは約7.5秒で前腕を検査でき,静止が困難な高齢者も短時間検査が可能。また,検診など短時間に多くの被検者を検査するスクリーニングにも適している。高精度モードは,約30秒の検査時間で,骨粗しょう症の治療における治療薬使用時の微差な骨密度変化を捉えることができ,投薬効果判定の精度向上が期待される。
2. 被検者の負担を低減する検査が可能な昇降型の台車
「ALOKA ALPHYS A」は,上下動可能な昇降型の台車をオプションで組み合わせることができる。これにより,車椅子の被検者やさまざまな体格の被検者に柔軟に対応できる。被検者が装置の高さにあわせて,体勢を変えることなく検査が行えるため,検査時の被検者の負担を低減する。
3. 被検者に優しい検査環境を提供するカラーコーディネート
予防医療が推進され,検診などの検査が重要性を増すなか,検査に使用する医療機器は性能向上だけでなく,被検者に心理的不安を与えないデザインが求められている。「ALOKA ALPHYS A」は,被検者が安心した気持ちで検査を受けられるよう,ピンクやブルーなど5色のカラーシートの中から選択できる。このカラーシートのオプションにより,検査室内の色調を統一することができ,被検者に優しい検査環境を提供する。
*1 出典:骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版(日本骨粗鬆症学会)
*2 ロコモティブシンドローム:骨,関節,筋肉といった運動器に,障害が起こり,日常生活に支障をきたす状態。 DXA(デキサ)法:骨密度の検査法のひとつ。2種類のエネルギーのX線により,骨と骨以外の組織を区別して,X線の吸収度合を測定する。骨密度の検査方法として,広く普及している。
●価格(税抜き)
1200万円〜(システム構成により価格は異なる)
●問い合わせ先
(株)日立製作所ヘルスケアビジネスユニット マーケティング本部
[担当:中澤]
TEL 03-6284-3100
http://www.hitachi.co.jp/healthcare