アボットは，Quadra Allure両室ペースメーカ（CRT-P）MRI対応モデル（販売名：クアドラ アルーア MRI，医療機器承認番号：22800BZX00440000）に対する医療機器製造販売承認^*を取得し，日本で販売すると発表した。これによりQuadra Allure CRT-Pを使用する患者さんの様々な疾患に対し，最大強度1.5テスラ（磁場強度の測定値）のMRIスキャン装置による全身撮像を実施できることになる。

「医師として，私は，将来必要が生じた時に安全に全身MRIを受けることが出来る先進的な両室ペーシング技術を患者様に提供したいと考えています」とドイツのルール大学ボーフム心臓病・糖尿病センターの電気生理学部長であるゲオルグ・ノルカー教授は述べている。

MRI対応Quadra Allure CRT-Pは，Quartet™ LVリードとともに使用するよう設計されており，4つの電極がペーシング極性に最大限の柔軟性を持たせ，心不全の管理を行う。この4極ペーシング技術は，心臓内の新たなペーシング極性を可能にし，以前の2極システムでは利用できなかった心不全を管理するための選択肢を提供している。

4極ペーシングという技術の進歩がありますが，それでもなお，心臓再同期療法（CRT）への反応が認められない患者さんがいることは今後も取り組んでいくべき臨床上の課題となる。

新しいMRI対応Quadra Allure CRT-Pは，これまで提供しているCRTの機種と同様に，SyncAV™ CRTソフトウェアにも対応しており，アボットの包括的なCRTポートフォリオをさらに進化させる。SyncAV™ CRTは，患者さんの心臓のリアルタイムの状態変化に基づき自動的にペーシングを調整する技術だが，医師がこの技術を再認識することにより，従来のCRTに対して有効な反応が認められた患者さんの治療をさらに改善する機会を得ることができる。

*医療機器製造販売承認は，アボットの100%完全子会社であるセント・ジュード・メディカル（株）が取得