富士フイルム,病院向け放射線検査部門管理支援サービス「ASSISTA Management」提供開始
〜X線撮影時の諸条件や再撮影情報などをグラフやリストに自動で整理,「X線撮影の線量最適化」や「再撮影の最少化」などに活用可能〜
2016-4-14
富士フイルムメディカル(株)は,医療施設向けクラウドサービス「ASSISTA Portal」の新サービスとして,X線撮影時の撮影線量指標(EI値※1)などの撮影情報をクラウドにアップロードすることで,自動で様々な分析軸のグラフやリストに整理して表示できる病院向け放射線部門管理支援サービス「ASSISTA Management(アシスタ マネジメント)」を提供する。
X線撮影を行う医療施設は,X線量など撮影時の諸条件を記録することが義務付けられている。近年では,過去 の撮影画像を比較して受診者にとって最適な撮影線量を分析したり,再撮影が生じてしまった原因分析に積極的に取り組む施設が増えてきている。しかし,EI値や検査時間などの撮影情報や,撮影に失敗した画像と撮影者名などの付帯情報を管理するには,病院独自のシステムに手入力しなければならず,非常に手間がかかる。そのため,X線撮影に関するデータ管理や集計が簡単にできるサービスが求められている。
今回同社が提供する「ASSISTA Management」は,X線撮影時の諸条件などを「ASSISTA Portal」のデータセンターにアップロードすることで,自動で様々な分析軸のグラフやリストに整理して表示できる,病院向け放射線部門管理支援サービス。従来,EI値のデータは,CRやDRの制御装置(Console Advance)※2 ごとに収集し,手入力しなければならなかった。本サービスは,撮影情報をオンラインで一元管理し,自動で撮影線量やEI値,撮影機器など項目別のグラフ・リストの作成が可能。また,再撮影の事例については撮影者別,依頼科別に過去の撮影情報を参照することができる。本サービスでは,同社が提供するリモート保守サービス「ACTIVE LINE」経由のセキュアな環境下で, RSPC※3 からデータセンターに撮影情報をアップロードして蓄積。この際,匿名化処理が行われ個人情報は削除される。さらに,一般X線撮影における撮影実績,検査時間,稼働実績などを各制御装置から一括で収集・蓄積することで,撮影室別の機器稼働率や,撮影日,依頼科ごとの撮影時間などが分かるようになった。
なお,今夏には,再撮影に至った要因の分析に関する追加機能を,オプションとして提供する予定。
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※1 Exposure Index値。IEC(国際電気標準化委員会)で,標準化された新しい撮影線量指標(感度指標値)のこと。
※2 患者情報入力および画像処理や制御を行う装置。(販売名:富士フイルムDR-ID300の構成品の画像処理ユニット)
※3 Remote Service Persona lDesktopの略。データセンターとの通信を担う,リモート保守サービス専用PCのこと。
●主な特長
(1)アップロードした撮影情報から,項目別のグラフ・リストを自動で作成
X線撮影時の諸条件や再撮影情報などを「ASSISTA Portal」のデータセンターにアップロードし,撮影線量やEI値,撮影機器など項目別のグラフ・リストを自動で作成。これらは,撮影部位やメニューごとの最適線量の設定,目標とした撮影線量指標の推移の経時的・定量的な確認に役立つほか,再撮影情報を詳細分析することで診療放射技師の方々のスキルアップにも貢献する。
(2)撮影室,撮影機器の稼働率の管理
撮影室別の撮影機器稼働率や,撮影日,依頼科毎の撮影時間などもグラフ化・リスト化可能。撮影室の運用や依頼科毎の検査メニューの最適化,撮影業務の効率化や患者の待ち時間短縮につなげることができる。
<グラフ化・リスト化の詳細>
撮影実績ビュー:検査数,撮影数の表示
検査時間ビュー:検査所要時間,検査QA時間,撮影準備時間の表示
機器稼動実績ビュー:撮影室稼動率,撮影機器稼動実績,IP撮影実績,バッテリ稼動実績
カセッテDR衝撃ビュー:カセッテDR衝撃リスト,カセッテDR衝撃チャート
撮影条件統計解析ビュー:S値,EI値
写損実績ビュー:写損率,写損数
ダッシュボード:再撮影状況,検査実績表示
●システム概要
各制御装置から,X線撮影時のパラメータ設定値や撮影者名などの撮影情報をデータセンターにアップロード。アップロードされた情報から,様々な分析軸のグラフやリストの作成が可能。
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
販売統括本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fujifilm.jp/