東芝メディカルシステムズ,「被ばくを低減し心臓を画像化するX線CT装置」が平成27年度全国発明表彰「発明賞」を受賞
2015-5-22
東芝メディカルシステムズ(株)は公益社団法人発明協会が主催する平成27年度全国発明表彰において,「被ばくを低減し心臓を画像化するX線CT装置(特許4503727号)」が「発明賞」を受賞した。
本発明は画像診断用X線CT装置の低被ばく撮影技術に関する特許で,心臓検査において,必要な心位相のみにX線をばく射し,必要な投影データを収集するよう回転制御する技術。本発明技術により,患者さんへのX線被ばくを従来より約70%と大幅に低減させつつ,従来検査法と同等な高画質の3次元画像による心臓CT検査を実現した。
本発明を使った心臓CT検査は,他社を含めて多くのCT装置に搭載され,不要な被ばくを削減した最適な検査を実現した。さらに技術の発展により,検査対象となり得る心拍数の上限が緩和され,多くの人が心臓CT検査を受けている。
同社はこれからも尊い命に貢献するため最新の医療システムを提供していく。
1.受賞者
東芝メディカルシステムズ株式会社 医用システム研究開発センター 主幹 尾嵜真浩(おざきまさひろ)
2.受賞技術について
背景:従来,心臓検査の多くはアンギオ装置で行われていたが,侵襲性が高く,検査費も高額であった。そのため,空間分解能が高く,再現性があり,画像ひずみがないX線CT装置による心臓検査が強く望まれていた。当時,X線CT装置で心臓を画像化する技術としてセグメント再構成があったが,この方式は複数心拍分の投影データを用いるため,長時間のX線ばく射が必要であった。そのため,限定した症例しか心臓CT検査が行えなかった。心臓CT検査を一般化するために前述の放射線被ばくの低減が強く求められていた。
発明技術:本発明は画像診断用X線CT装置の低被ばく撮影技術に関する特許。X線CT装置を使った心臓検査において,患者さんの心電図情報から心臓の動きを推定し,動きの大きい心位相でX線曝射を停止し(もしくはX線出力を下げ),動きの少ない心位相で画像再構成に必要な投影データを収集するよう回転制御するもの。
3.全国発明表彰について
全国発明表彰は,大正8年の第1回帝国発明表彰にはじまり,優れた発明を完成した者,実施化に尽力した者,発明の指導・奨励・育成に貢献した者を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り,我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的としている。
●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
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