バイオトロニックジャパン,国内初1.5Tと3.0TのMRI検査に対応可能な条件付きMRI対応植込み型除細動器(ICD)「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」を発売
2015-5-7
バイオトロニックジャパン(株)は2015年3月より,国内初1.5Tと3.0TのMRI検査に対応可能な条件付きMRI対応植込み型除細動器「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」 を販売開始した。
近年,条件付きMRI対応のCIEDs(心臓血管植込み型電子デバイス)は,世界的に新規植込み手術における機種選定のゴールドスタンダードになりつつある。「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」は,従来のMRI対応のCIEDs のように1.5T MRI検査に対応するだけではなく,3.0T MRI検査にも対応することが可能となった世界初の条件付きMRI対応ICD。現在,国内において,3.0TのMRI検査は急速に普及している。2011年末に全国で335台稼働していた3.0TのMR装置は,約3年間で2.4倍の810台まで普及拡大している。*1 その普及スピードは非常に急速なものであり,とくに全国で405施設存在する*2 ICD認定施設(ICDを植込むための要件をクリアし,ICDの植込みが許可されている施設)においては,実にその約半数に相当する199施設で既に3.0TのMR装置が稼働している*3
また,「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」は,従来のICDとは異なるユニークな特長を有している。従来のICDでは,発生した頻脈性不整脈が,治療対象である心室性の不整脈か,あるいは治療対象ではない心房性(上室性)の不整脈であるかを識別するために,右心房と右心室それぞれに留置されたリード線から情報を収集する(疾患によっては心房の情報を収集する必要性が低い場合もあり,その際には心室リードのみが留置される)。しかし,「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」は,心房センシング電極が心室リードを一体化した専用リードを使用することで,心房と心室の情報を同時に収集することが可能である世界で唯一*4 の画期的なICDシステム。リード1本のICDシステム(シングルチャンバ)は,心房と心室にそれぞれリードを2本植え込むシステム(デュアルチャンバ)と比較し,様々な合併症発生率が有意に低いという報告もある*5。患者さんのICD適応疾患にはよるものの,「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」のシステムは,リード1本でリード2本のシステムと同等の性能を期待でき,また合併症のリスクを低減する意味では,従来のICDシステムと比較して有用であるといえる。
加えて「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」には,近年の潮流である遠隔モニタリング(BIOTRONIK Home Monitoring®)機能が搭載されている。BIOTRONIK Home Monitoring®は,植込まれたデバイスから,ICDシステムの状態や不整脈をはじめとする生体情報を毎日,全自動ワイヤレスでサーバーに送信するシステム。医療関係者はこれらの情報をPC等からインターネットを介して遠隔で確認することができ,患者さんの不安を軽減できる可能性と,更には無症候性心房細動などの早期発見,および早期治療介入を実現できる可能性がある。
*1 BIOTRONIK調べ
*2 日本不整脈デバイス工業会調べ(2014年6月)
*3 矢野経済研究所「2014年 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア」
*4 2015年3月現在
*5 Dewland et al. JACC Vol.58,No.10, 2011:1007-13 Dual Chamber Implantable Cardioverter-Defibrillator Selection is Associated With Increased Complication Rates and mortality Among patients Enrolled in the NCDR Implantable Cardioverter-Defibrillator Registry
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