日立,工場・プラント・社会インフラ設備などの稼働率向上とコスト削減を実現する「オペレーション・マネジメント改革サービス」を販売開始
〜業務改革が必要な領域を明確化できる独自の業務診断モデルや先進的なビッグデータ利活用関連技術で業務改革計画の策定・実行を一貫支援〜
2014-11-14
(株)日立製作所(以下,日立)と(株)日立コンサルティング(以下,日立コンサルティング)は,工場やプラント,社会インフラ設備などの稼働率向上と運用・保守コスト削減を実現する「オペレーション・マネジメント改革サービス」を開発し,11月14日から日本企業向けに販売開始する。
具体的には,日立の米国子会社であるHitachi Consulting Corporation(以下,米国日立コンサルティング社)が海外で500社以上の適用実績を有する業務コンサルティング手法を日本企業向けに最適化して,日立コンサルティングが提供する。改革が必要な業務領域を明確化できる独自の業務診断モデルや,ビジネスダイナミクス*1,故障予兆診断技術をはじめとする先進的なビッグデータ利活用関連技術などを組み合わせて,工場やプラントなどの運営管理(オペレーション・マネジメント*2)業務の改革に向けた計画の策定から実行までを一貫して支援する。
近年,製造業や資源開発を行う企業などにおいては,工場やプラントの円滑な運営を支える熟練技術者の不足や,企業活動のグローバル化に伴う機械・設備の多様化・複雑化といった環境の変化が生じており,運営管理業務の改革の必要性が高まっている。そのような中で,M2M*3技術やビッグデータ分析技術などの発展を背景に,機械・設備の稼働状況を遠隔で把握し,想定外の停止を回避するなど,ITの活用によって工場やプラントなどの設備の稼働率向上と運用・保守コストの削減を実現する手法に関心をもつ企業が増加している。
米国日立コンサルティング社は,これまで25年間にわたって,工場や,石油・ガス・鉱山をはじめとする資源開発プラントを有する企業を中心に500社以上の海外企業に,独自の業務コンサルティング手法を適用し,大きな成果を残してきた。また,日立は,顧客・パートナー企業の知見と,日立がもつ豊富なデータ分析ノウハウなどを活用し,ビッグデータから新たなビジネス価値を創出する「データ・アナリティクス・マイスターサービス」を2012年6月から提供しており,ビジネスや社会インフラなど,幅広い分野でのビッグデータの利活用によるイノベーションの実現をグローバルに支援している。同時に,ビジネスダイナミクスをはじめとする日立独自の先進的なビッグデータ利活用関連技術・製品・サービスの開発を進めてきた。
今回,日立と日立コンサルティングは,米国日立コンサルティング社の業務コンサルティング手法を日本企業向けに最適化し,日立独自の先進的なビッグデータ利活用関連技術などを組み合わせて提供する「オペレーション・マネジメント改革サービス」を開発し,各種設備を有する日本企業などに,日立コンサルティングが提供する。設備の稼働率向上と運用・保守コスト削減による投資対効果の最大化に向けて,改革が必要な業務領域を明確化できる独自の業務診断モデルや,今回新たに開発したビジネスダイナミクスの新技術を活用したデータ分析などによって,顧客の本質的な課題を迅速に抽出し,的確な業務改革計画の策定から実行までを一貫して支援する。
日立は,スマート情報分野における製品・サービス群をIntelligent Operations(インテリジェント オペレーションズ)として体系化している。「オペレーション・マネジメント改革サービス」もIntelligent Operationsのコンサルティングサービスの一つとして提供し,企業や社会におけるイノベーションの実現を支援していく。
●「オペレーション・マネジメント改革サービス」の特長
1.運営管理業務の改革に向けた計画の策定から実行までを一貫して支援
生産計画から設備投資,IT戦略までを含めた工場・プラントなどの運営管理業務の改革に向けた計画の策定から実行までを一貫して支援する。具体的には,「分析・計画」と「改革・定着」の2フェーズに分けて推進する。
「分析・計画」のフェーズでは,業務コンサルティング手法に則って,アセスメントから構想策定,施策立案,効果算定までを行う。独自の診断モデルに基づく現状の業務診断や,ビッグデータ利活用に関する専門家「データ・アナリティクス・マイスター」によるビジネスダイナミクスを活用したデータ分析を行い,業務改革が必要な領域を明確化した上で,M2Mサービスや,機械学習技術を活用した故障予兆診断サービス,ERP(Enterprise Resource Planning)システム,EAM(Enterprise Asset Management)システムなど,さまざまな技術・製品・サービスの中から顧客に最適なものを選択し,的確な業務改革計画を策定する。
「改革・定着」のフェーズでは,策定した計画の実行を全面的に支援し,設備の稼働率の向上と運用・保守コストの削減の両立による投資対効果の最大化を図る。
2.海外で500社以上の適用実績をもつ業務コンサルティング手法を日本企業向けに最適化
米国日立コンサルティング社の業務コンサルティング手法を日本企業向けに最適化した新たな手法を開発した。
米国日立コンサルティング社の業務コンサルティング手法は,多数の業務診断モデルから業界や目的に合ったモデルを使用し,現状の業務を定量的に評価することで,改革を行うべき業務領域を明確化できる特長がある。石油・ガスなどのエネルギー産業や,金属産業・鉱業,化学産業を中心に,幅広い産業分野の500社以上の海外企業に適用した実績があります。主な適用事例は,以下のとおり。
(1)資源開発を行う企業において,運用・保守コストを年間3,000万ドル以上削減。
(2)化学系プラントを運営する企業において,プラントの生産能力を最大32%向上するとともに,運用・保守コストを10%以上削減し,歩留まり率を10~20%改善。
3.ビジネスダイナミクスなどを活用したデータ分析による本質的な課題の迅速かつ的確な抽出
独自の診断モデルに基づく現状の業務診断に加えて,「データ・アナリティクス・マイスター」がビジネスダイナミクスを活用したデータ分析を行い,潜在的なリスクや課題が経営に与える影響を算出するなど,多角的に現状の把握と課題の抽出を行う。
ビジネスダイナミクスは,経営指標や現場から得られる膨大な業務データの因果関係を示すビジネス構造モデルから,潜在的なリスクや経営に影響を及ぼす重要なビジネス課題を抽出し,施策を導入したときの経営・業務に対する影響を定量的にシミュレーションする技術。一般的なヒアリングによる現状把握に加えて,ビジネスダイナミクスの活用で経営指標や現場活動のデータを可視化することにより,客観的な視点で経営に与える影響を捉えることが可能である。
ビジネス構造モデルからビジネス課題の抽出を高速化する技術を新たに開発し,分析にかかる時間を60%削減した。これにより,顧客の迅速な意思決定を支援する。
*1 ビジネスダイナミクス:事業構造をモデル化して,新たな施策の効果などを事前に定量評価するMIT(Massachusetts Institute of Technology)発祥の手法。日立は,本手法に関して豊富な適用実績があり,本手法の迅速かつ容易な適用を実現する独自のノウハウや,業種・業界ごとのテンプレートを有している。
*2 オペレーション・マネジメント:生産工程などにおいて最適な効率と効果を生み出すために,インプット(原材料など),オペレーション(加工・処理など),アウトプット(生産物など)の関係を数値化,分析し,制御すること。
*3 M2M(Machine-to-Machine):機械同士が,人間を通さず,ネットワークを通じて直接情報を交換するシステム。
■「データ・アナリティクス・マイスターサービス」に関するホームページ
http://www.hitachi.co.jp/bigdata/
■ビジネスダイナミクスに関するホームページ
http://www.hitachi.co.jp/rd/portal/story/business_dynamics/index.html
■Intelligent Operations(スマート情報)に関するホームページ
http://www.hitachi.co.jp/smart-it/nr41113/
●問い合わせ先
(株)日立製作所
情報・通信システム社 サービスプロデュース統括本部
ビッグデータソリューション本部[担当:人見]
日立 ビッグデータ お問い合わせフォーム
http://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/contact.html
(株)日立コンサルティング
経営戦略部[担当:水谷]
TEL 03-6779-5508(直通)
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