アクセンチュアとフィリップス,筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の自立的な生活を支援するため,脳波・音声・視線による指令で様々な製品を操作できるコンセプト実証ソフトウェアを発表
〜「Emotiv Insight Brainware」 とウェアラブルディスプレイを接続することで,フィリップス社製のスマートLED照明 Philips hue(フィリップス ヒュー),スマートテレビ,フィリップス緊急通報サービスを操作可能〜

2014-8-26

ソフトウエア

フィリップス・ジャパン


※2014年8月5日に米国・マサチューセッツ州アンドーバーならびにニューヨークで発表されたプレスインフォメーションの翻訳。

※本ソフトウェアはあくまでコンセプトを実証するためのもの (概念実証) であり,現段階で製品化の予定はない。

ロイヤル フィリップス(以下 フィリップス) とアクセンチュア は,8月22日,脳波を測定できるデバイス 「Emotiv Insight Brainware」 とウェアラブルディスプレイを接続したコンセプト実証ソフトウェア (以下 本ソフトウェア) を開発したことを発表した。本ソフトウェアは,筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の患者さんをはじめとした神経変性疾患患者さんのより自立的な生活を支援する可能性のあるもの。年間40万人以上*1 が発症し,「ルー・ゲーリッグ病」*2 としても知られるALSは,脳と脊椎神経細胞を損傷させ,徐々に随意筋の働きを奪う難病である。末期の患者様の場合は,脳の機能は保持されたまま,全身麻痺の状態となることも多いとされている。

フィリップスのヘルスケア・インフォマティクス・ソリューション&サービス部門のCEO,イェルーン・タスは,次のように述べている。 「このコンセプト実証は,たとえ患者様が病院にいなくても,人とデバイス,データ,技術を素早く連携することで,患者様の生活の質を改善できる可能性があることを証明しています。人々の生活を変え,ヘルスケアの未来を創造する新たなウェアラブル技術やセンサーソリューションを開発するため,フィリップスは今後ともアクセンチュアのような革新的なテクノロジー企業と協力をして参ります。」

●本ソフトウェアの機能について

ウェアラブルディスプレイと,脳波のスキャン機能を持つ 「Emotiv Insight Brainware」 をタブレット端末に接続すると,ユーザーは脳からの指令で 「フィリップス緊急通報サービス」,「フィリップス・スマートテレビ」 (TP Vision社製),「スマートLED照明 Philips hue」 などのフィリップス製品をコントロールすることができる。視線や音声の指令によってもコントロールすることが可能。いずれの場合も,ユーザーはあらかじめ定められたメッセージを通じたコミュニケーションや,医療サポートのリクエスト,テレビや照明をコントロールできるようになる。アクセンチュアとフィリップスは,このような複数のテクノロジーが統合され,相互性を持ったソフトウェアを開発した。

本ソフトウェアは,既存のテクノロジーがどのようにALS患者の方々の生活の質を改善できるかを実証する良い例となる。患者さんが筋肉の制御と目を動かす力を失った場合でも,脳からの指令を通じてタブレットに接続されたフィリップス製品を操作することができる。 「Emotiv Insight Brainware」 には,患者さんの思考や感情,表情などをリアルタイムで検知し,脳から発信される電気信号を捕えるセンサー技術が搭載されている。ユーザーはウェアラブルディスプレイによって,視覚的にアプリケーションメニューを操作することができる。

カリフォルニア州サンノゼに拠点を置くアクセンチュア・テクノロジー・ラボとオランダのフィリップス・デジタル・アクセラレーター・ラボは協同で,「Emotiv Insight Brainware」 とウェアラブルディスプレイの連携に必要なソフトウェアを開発した。また,アクセンチュア・インタラクティブの傘下にあるデザインコンサルティング会社のフィヨルド社は,ディスプレイのユーザーインターフェイスを設計した。

アクセンチュアの最高技術責任者(CTO)であるポール・ドーアティ氏は,次のように述べている。 「このコンセプト実証は,深刻な疾患を持ち,体の動作に問題を抱える人々が,デジタル革命を通じて生活の質を取り戻すという,ウェアラブル技術の力強い新たな可能性を示しています。これは,アクセンチュアとフィリップスが技術革新力を持つ企業と協力しながら,健康に課題を持つ人々の暮らしをいかに向上させようと努めているかということの証明でもあります。」

オランダにあるALS協会のスポークスパーソンであるイネケ・ザール氏は,次のように述べている。 「ルー・ゲーリッグ病を患った人々がより良い生活を送れるように支援することは,ALS協会の使命そのものです。私たちはALSの治療方法を継続的に探究しています。今回のコンセプト実証がALS患者様にさらなる自立性を与え,生活の質を改善させる可能性を持つものとして非常に期待しています。」

本コンセプト実証ソフトウェアの詳細は,http://www.philips.com/braincommand を参照。

アクセンチュアとフィリップス,筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者様の自立的な生活を支援するため,脳波・音声・視線による指令で様々な製品を操作できるコンセプト実証ソフトウェアを発表

 

*1   出典:International Alliance of ALS/MND Associations
*2  アメリカのプロ野球選手Lou Gehrig (ルー・ゲーリッグ) がこの病気に罹患したことから,ALSは別名 「ルー・ゲーリッグ病」 とも呼ばれるようになった。

 

●問い合わせ先
(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン
ブランド コミュニケーション部
TEL 03-3740-4551
www.philips.co.jp/healthcare

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