GEヘルスケア・ジャパン,高性能治療支援装置「Discovery IGS 730」国内1号機が奈良県の高井病院にて稼働開始
〜ハイブリッド手術室内を自在に動く・患者さんに優しい高度な低侵襲インターベンションを清潔な環境できめ細かに支援〜
2014-8-8
高井病院に納入されたDiscovery IGS730
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,社会医療法人高清会高井病院(奈良県天理市)に国内第1号機となる「Discovery IGS 730(ディスカバリー・アイジ―エス730)」を納入した。高井病院本館のオープンに伴い,8月後半から本格稼働が開始される予定。
Discovery IGS 730は,今までにない,全く新しい動きを装備した血管撮影装置。現在ハイブリッド手術室に主に設置されている天吊り式のアンギオ装置は,設置時に大掛かりな工事が必要で,天井工事などでコストがかさむだけでなく,天井走行の際に著しく清潔度を劣化させるなどの課題が残されていた。また床置き式装置は,手術室内で高い柔軟性を持って設置するのが困難な場合もあった。加えて,欧州ではハイブリッド手術室での手技はIVRが6割を占めるが,日本では稼働率をあげるべく一般外科手技も考慮した装備となっており,多額の投資を費やしたハイブリッド手術室が有効活用されていないという経営課題も浮き彫りになっている。
Discovery IGS 730は,先進のレーザーガイド技術をもとに自動で任意の位置に自走可能な,高性能アンギオ装置。従来の床置き式と天吊り式のアンギオ装置の利点を統合し,高度化する低侵襲のインターベンション(IVR)と低侵襲外科治療の両手技を可能にした,ハイブリッド手術室での使用に最適化された装置。
ハイブリッド手術室では,麻酔器や超音波診断装置をはじめ様々な装置が室内に入れられ,関わるスタッフも多くなるため,室内が混雑するケースが多々あるが,Discovery IGS 730であればIVRを実施していない時は装置を部屋の隅に退避させられるため,スペースを有効活用できる。
また,高齢化の進展や患者のQOL(Quality of life)に対する意識の高まりなどを背景に,X線透視画像を見ながら血管や腫瘍などを治療するIVRは,外科手術に比べて侵襲の少ない,患者さんに優しい治療法として,近年加速度的に普及が進んでいる。IVRの治療法の一つとして近年活用されているのが,ステントグラフト内挿術で,他には,2013年10月より国内における保険償還が得られることになった大動脈弁狭窄症向けの経皮的大動脈弁植込み術(TAVI:Transcatheter aortic valve implantation)は,胸を開けずにカテーテルを用いて大動脈弁を留置することができる低侵襲な治療法として,今後加速度的に普及が進んでいくものと予想される。
このような高度なIVRには,実際の手技のみならず,事前の治療計画から手技中のガイドやデバイスの位置確認までの幅広い支援が極めて重要となる。IGS730では,術前のCT撮影による3D画像をアンギオ装置で3D撮影をすることなく,透視画像と重ね合わせることができるため(InnovaVision機能)提供が可能となることから,高度化するインターベンションをサポートするとともに,術中の造影剤による3D撮影が不要となり,患者・術者ともに被ばくの低減を図ることもできる。フランス リール大学病院では,このDiscoveryIGS730のInnovaVision機能を用いて,特に複雑なステントグラフト内挿術にて大幅に被ばく低減に成功している。(文献参照)
国内1号機を納入した高井病院 心臓血管外科の頓田央(とんだ ひさし)心臓血管内治療部長は,「自走式により,術中の手元を照らす照明やクリーンな空気を送り込むヘパフィルターなどの干渉がなくなり,行動ラインが自由になります。また,施術の途中で装置をいったん退けても,作業完了後また同じ位置にきちんと戻ってくれることはこれまでにない機能です」と述べ,「今後『低侵襲手術』を主眼に置くためには,ハイブリッド手術室と被ばく低減の機能は必須であり,そのためには,質の高いアンギオ装置を入れることがベストとなっていくでしょう。最先端の技術を活用して,今後はより高度な枝つきステントや穴あきステントなどにも取り組み,地域医療に貢献していきたい」と述べている。*1
*1:使用者の感想であり,仕様等を保証するものではない
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