GEヘルスケア,CHMPがベータアミロイドプラークのPETイメージング用ビザミル™(フルテメタモールF18注射剤)のEUによる承認を勧告
〜PETイメージング剤で肯定的意見を得る〜
2014-7-7
*2014年6月27日英国発表リリース意訳
GEヘルスケア(英チャルフォントセントジャイルズ)は2014年6月27日,欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)から肯定的意見を得たことを発表した。
これはビザミル™(フルテメタモールF18注射剤)に対する販売承認の付与を勧告するものである。
ビザミル™は,アルツハイマー病(AD)およびその他の認知障害が疑われる認知症成人患者を対象に,脳内ベータアミロイド老人斑沈着の密度を評価するポジトロン断層撮影法(PET)用放射性医薬品。
ビザミル™は診断のみを用途とし,臨床評価と組み合わせて使用する。
GEヘルスケアのライフサイエンス担当プレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるKieran Murphy氏は,次のように述べている。
「GEヘルスケアは長年にわたり,ADの病因を早期かつ正確に見つけ出し,患者と介護者の生活の質を向上させるために真剣な努力を積み重ねていますが,CHMPの肯定的な勧告はこうした取り組みを一層強固なものとするものです。欧州連合で承認を取得すれば,ビザミル™はADなど認知障害の患者の評価を支える上で,重要なツールとなります」。
ビザミル™を使用したPETイメージングは,ADの病理学的バイオマーカーの1つである脳内ベータアミロイドの蓄積を検出し,カラー画像による視覚的読影を可能にする。
ビザミル™はAD,その他の認知障害の診断を確定させるものではないが,臨床評価との組み合わせで便利なツールとなり,将来的には早期診断や介入治療につながる可能性があると考えられる。
アムステルダム自由大学(VU)医療センター認知神経科教授兼アルツハイマーセンター長のPhilip Scheltens教授は,次のように述べている。
「ADは重要なアンメットメディカルニーズの一つであり,診断ツールの欠如は診断の不確実性と誤った処置のリスクを高めます。ビザミル™が承認されれば,医師がアルツハイマー病の疑いがある特定の患者を評価するのに役立つと思われます。そして医師が適切な治療選択肢を決め,患者と介護者の将来の計画を支援し,臨床研究者が臨床試験のための患者を見極める上で支えになるでしょう」。
ビザミル™に対するCHMPの肯定的意見は,一連の臨床試験成績の審査結果に基づいている。
これらの試験には第3相脳剖検・生検試験が含まれ,そこでベータアミロイドの病理学的所見をstandard of truth(真の基準)とした場合,[18F]フルテメタモールPET画像の視覚的読影により高い感度と特異度が示された(注1,2)。
2013年10月に米国食品医薬品局(FDA)はビザミル™に対し,ADまたは他の認知障害が疑われる成人患者を対象に,ベータアミロイド老人斑密度の推定のために使用するPET検査用の放射性医薬品としての承認を与えた。
GEヘルスケアは,ビザミル™を使用して得た画像を正確に読影できるよう,米国拠点の医師を対象とする電子読影トレーニングプログラム(ETP)を開発し,検証を行った。
画像はGEヘルスケアの電子読影トレーニングプログラムを修了した読影者により読影される。
本プログラムは,ビザミル™を使用した撮像と読影を行う医療専門家に対し,無償で提供する予定。
ビザミル™が承認され次第,欧州連合圏内で,オンラインおよび対面によるトレーニングが利用可能となる。
イメージング研究に対するGEのコミットメント
GEヘルスケアは現在,神経学の分野の診断ソリューションの広範なポートフォリオを開発中ですが,[18F]フルテメタモールはその一角を占めるものです。
GEヘルスケアは包括的アプローチを採用することで,進行中の研究を通じて認知症とADを理解し,その原因,リスク,身体に及ぼす影響を明らかにしています。
GEヘルスケアは,PETイメージング剤を製造するためのサイクロトロンや合成装置,患者をスキャンするためのPETやMRスキャナーを含むイメージングリソースの広範なポートフォリオを提供しており,定量化,最適な可視化,レポート作成ツールを提供するための画像分析用ソフトウェアを開発中です。
またGEヘルスケアは製薬業界と連携し,次世代治療薬の開発を支援しています。
その目的のため,当社は業界内の潜在的パートナーと協力し,相手の戦略的ニーズを理解して,治療薬の臨床試験をイメージングで支える支援を行っています。
[注1]
M.イコノモビッチ,C.バックレイ,A.スミス他,『フルテメタモールF18注射剤使用可のPET画像が脳内アミロイドの水準を反映する』,2012年アルツハイマー病協会®国際会議(AAIC2012,カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市)発表データ
[注2]
D.ウォルク,J.ゴメス,C.サドウスキー他,『脳検死と皮質生検試験が18F-フルテメタモール使用PET画像とβアミロイド病変の強い一致を示す』,第64回米国神経学会総会(2012年4月21〜28日ルイジアナ州ニューオーリンズ市)におけるポスター発表
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