東芝メディカルシステムズ,世界初「医療用裸眼3Dディスプレイ」発売開始

2013-9-5

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医療用裸眼3Dディスプレイ

東芝メディカルシステムズ(株)は,医療用画像を裸眼で立体視できる「医療用裸眼3Dディスプレイ」を開発し,9月5日から販売する。

本ディスプレイを用いることで,同社のエリアディテクターCTシステム Aquilion ONE™/ViSION Edition(アクイリオン ワン ビジョンエディション)で撮影された医療データを立体視メガネを用いることなく3D画像として見ることができる。

●開発の経緯

320列のエリアディテクターを搭載し,1回転で160mmの範囲を撮影可能なAquilion ONE™ は世界で740台受注している(2013年7月現在)。Aquilion ONE™は主要臓器を1回転で撮影することができ,時相のずれのないボリュームデータの撮影が可能である。さらに,連続的に撮影を行うことで動態情報の取得が可能となるAquilion ONE™ は,新たな臨床価値を提供し続けている。時相ずれのない高精細な3D画像は血管,臓器,疾患部の位置関係を把握するために脳外科手術や内視鏡手術などの計画に広く利用されているが,これまでのディスプレイでは複雑な立体構造を3次元のまま表示することはできなかった。
同社は,2011年より独立行政法人 国立がん研究センターと共同で,(株)東芝で開発されたグラスレス3Dテレビの技術を医療応用するための研究を進めてきた。その結果,東芝グループ内の技術を活用し,ユーザーの視点に立った新しい顧客価値の創造を目指すニュー・コンセプト・イノベーションの一つとして,医療用裸眼3Dディスプレイを製品化するに至った。

●新製品の主な特長

1. Aquilion ONE™と連動した裸眼立体表示

Aquilion ONE™で撮影した幅160mmのボリュームデータを裸眼で3D映像として見ることができる。320列のエリアディテクターを搭載するAquilion ONE™のスキャンは0.275秒/回転と高速で,空間分解能0.5mmを持つ撮影ボリュームデータには時相ずれがないため,血管,骨,臓器及び疾患部の立体構造を高精細に表示する。高精細な画像や動画を裸眼で立体視できるため,脳外科手術や内視鏡手術などの術前シミュレーションや術中参照で役立つものと期待される。

2. グラスレス3D専用液晶パネルを用いたインテグラルイメージング方式

4K2K解像度を持つ液晶パネルの表面にレンチキュラシートを貼り付けた東芝グラスレス3D専用液晶パネルと,異なる9視点からの3D画像(視差画像)を同時に表示するインテグラルイメージング方式により,高解像度で立体感のある3D画像を表示する。複数人が同時に3D画像を見られるため,手術計画だけでなく,患者説明や医学教育にも役立つものと期待される。

グラスレス3D専用液晶パネルを用いたインテグラルイメージング方式

 

3. 高速レンダリングエンジン

9視点からの高精細な3D画像を表示するため,高性能グラフィックスプロセッサ(GPU:Graphics Processing Unit)による高速レンダリングエンジンを搭載している。GPUエンジンは従来のソフトウエアエンジンに比べて約10倍の性能を持ち,ボリュームデータの回転などの画像表示操作を行った際にも常に高画質で滑らかな3D画像を表示する。

4. 独自の立体感制御技術

様々な対象を撮影したTV映像と医療画像では奥行の特性が大きくことなるため,インテグラルイメージング方式の解像度特性を踏まえて,表示ボリュームデータの関心領域における立体感が常に最適となるように制御するソフトウエアを搭載している。

販売名:東芝スキャナ Aquilion ONE TSX-301C
薬事認証番号:224ACBZX00004000

 

●問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
http://www.toshiba-medical.co.jp

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