富士フイルム,臨床支援ビューイングシステム「CA-V(シーエーブイ)」新発売
〜患者別・疾患別に検査画像や投薬・生体情報などの診療情報を統合して表示〜

2013-7-11

富士フイルム


富士フイルム(株)は,病院内の検査画像や投薬・生体情報(*1)などの診療情報を患者別・疾患別に統合して表示する臨床支援ビューイングシステム「CA-V(シーエーブイ)」(*2)を,富士フイルムメディカル(株)を通じて7月16日より発売する。

近年の医療技術の高度化により,臨床現場の医師が日々の診療で参照する検査画像や投薬・生体情報・検体検査などの診療情報は膨大な数に及び,一人の患者の診断や治療方針の決定に用いる情報は飛躍的に増加している。

医師は,患者の疾患に応じて行う各検査の結果を過去の診療記録と比較して,病態の変化を把握し,診断・治療方針を検討している。そのため,長期にわたって経過観察が必要な場合や,複数の疾患に罹っている場合,診断に必要な情報が多くなり,その収集に労力がかかるため,多様化する情報を効率的に整理して参照する方法が求められていた。

「CA-V」は,医師が診断や治療方針を検討するために必要な診療情報を,患者別・疾患別に取り出し,患者の病態変化を一つの画面上に時系列に沿って一覧で表示することで,医師の診療をサポートするシステム。表示方法は,各患者の診療情報を時系列にグラフで視覚的に表示する「タイムラインビュー(TLV)」と,診療情報の全項目の数値データを表形式で表示する「タイムスライスビュー(TSV)」がある。TLVには,臨床医師の声をもとに開発した「疾患別絞込み表示機能」を搭載している。この機能を使えば,主要40疾患(*3)を対象に,投薬・生体情報・検体検査などの診療情報から,医師が各患者の疾患に応じて優先して参照する項目を絞り込んで病態の変化を表示することができる。なお,患者ごとに必要な診療情報項目を追加・削除し保存することができる。

「CA-V」は,TLVとTSVで多様化する情報を効率的に整理して参照できることに加え,国内のPACS(*4)市場でトップシェアの医用画像情報システム「SYNAPSE」(*5)と連携することで,専用の画像ビューワを起動させることなく,マウスオーバー操作(*6)で簡単に検査画像を参照することができる。さらに,同社の3次元画像解析システム「ボリュームアナライザー SYNAPSE VINCENT」とも連携することで,「CA-V」から3次元画解析結果を参照できるようになる。

*1 脈拍や心拍数,呼吸数,血圧,体温などの生体情報のこと。
*2 「CA-V」は,Clinical Advanced Viewer を意味する。
*3 がんおよび呼吸器,循環器,消化器等の主要疾患を中心に約40疾患を対象としている。例えば,肝硬変合併の肺炎患者が,数週間入院した場合,50項目以上の投薬情報や200項目を超える生体情報,血液検査などの診療情報が更新されるケースがある。これらの膨大な情報から,医師がこの患者の疾患に応じて優先して参照したい項目を,20項目程度に絞り込んで病態の変化を表示することができる。
*4 Picture Archiving and Communications Systemの略で,CT,MRI,CRなどの医用画像診断装置からの検査画像を電子的に保存・検索・解析する医用画像情報システム。
*5 富士フイルムの放射線科PACSの製品名称。抜群の安定性と高画質により,国内で約1,850サイト,全世界で4,100サイト以上に導入されている。
*6 マウスを使ってカーソルを画像やリンク,ファイルなどの上に移動した時に,表示されたり,実行される処理のこと。

●特長

CA-Vの画面例

CA-Vの画面例

 

(1) タイムラインビュー(TLV)機能で,病態変化を時系列に一つの画面上にグラフで表示

  1. 診療に必要な情報(患者基本情報,検査画像・検体検査・投薬・生体情報)を統合管理し,簡単な操作で瞬時に時系列にグラフ表示する。
  2. 「タイムスケール設定バー」のスライド,拡大・縮小という直観的な操作で,表示する診療情報の日にちや期間の設定を簡単に変更することができる。
  3. 検査画像・検体検査・投薬・生体情報の表示順序の入れ替えや,表示/非表示の切り替えも可能。例えば投薬に対する検査結果を,医師が使いやすいように上下に並べて比較して表示することもできる。

 

(2) 疾患別絞り込み表示機能で,主要疾患毎に診療情報を絞り込み表示

臨床医の声を取り入れて開発した富士フイルム独自の機能で,主要疾患毎に診療情報項目を絞り込んで表示することができる。がんおよび呼吸器,循環器,消化器などの主要疾患を中心に約40疾患を対象としている。なお,患者ごとに必要な診療情報項目を追加・削除し保存することができる。

(3) タイムスライスビュー(TSV)機能で診療情報の全項目の数値データを表形式で表示

診療情報の全検査項目の数値データを漏れなく表示し,簡単に参照することができる。また,任意期間の情報を数値形式で一覧表示することもできる。TLVとの切り替えも瞬時に行える。

(4) 富士フイルムの医用画像情報システム「SYNAPSE」,3次元画像解析システム「ボリュームアナライザーSYNAPSE VINCENT」と連携可能

  1. 「SYNAPSE」との連携により,「CA-V」上のアイコンにカーソルを合わせるだけで検査画像を参照可能。
  2. さらに,「SYNAPSE VINCENT」との連携により,「CA-V」から3次元画像解析結果を参照することもできるようになる。

 

●システム構成

  • ハードウエア:CA-Vサーバ機一式,I/Fサーバ機一式
  • ソフトウエア:CA-Vアプリケーションソフトウエア,I/Fソフトウエア

 

CA-Vシステム構成例

CA-Vシステム構成例

 

  • インターフェースサーバ(I/F サーバ)を経由して,病院情報システム(HIS:Hospital Information Systemの略)から必要な診療情報を「CA-V」に取り込む。
  • 同社製検査部門システムとの連携により,「CA-V」にて検査画像を参照することもできる。

 

●標準ユーザー渡し価格
2千万円から ※クライアント端末の利用台数により異なる
(CA-Vサーバ一式 +インターフェイス(I/F)サーバ一式 + クライアントソフトウエアライセンス)
●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/

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