日立システムズ,自律神経測定器を活用したクラウド型の「疲労・ストレス検診システム」を発売開始
~疲労科学研究所の技術を活用し,東北支社 震災復興支援プロジェクトが開発~
2013-2-21
(株)日立システムズは,(株)疲労科学研究所と協業し,自律神経測定器を用いて自律神経の状態を客観的に測定するクラウド型の「疲労・ストレス検診システム」を自治体や企業向けに2月21日から販売開始する。
近年,うつ病を含む精神疾患の患者数は増加傾向にあり,社会問題となっている。特に,先般の東日本大震災の影響により,被災者の方々は多くの疲労・ストレスを感じている。従来,企業・団体が行ってきた従業員・職員に対するストレス検診は,問診によるものがほとんどであった。そのため,受診者が問診時に曖昧な回答をしたり実態と異なる回答をしたりすると適切な診断結果が出せないという問題があった。こうした背景から,疲労やストレスに対し,症状が深刻化する前にできるだけ早期に発見し,ケアできる仕組みづくりが求められていた。
日立システムズは,昨年9月に東北支社内に「震災復興支援プロジェクト」を新設し,被災地域の復興に貢献するサービスの開発・提供に取り組んできた。その過程で,被災地における住民や自治体職員のメンタルヘルスケア(心の復興)に役立つサービスが必要と考え,クラウド型の「疲労・ストレス検診システム」を,疲労科学研究所と共同で開発した。
「疲労・ストレス検診システム」は,疲労科学研究所が開発した自律神経測定器と,日立システムズが提供するデータセンターによるクラウドサービスで構成されている。システムは,疲労科学の権威である倉恒弘彦医学博士(関西福祉科学大学教授)が監修したアルゴリズムを用いて疲労の客観的評価を行っている。測定方法は非常に簡単で,受診者が自律神経測定器に左右の人差し指を入れると,2~3分で心電波と脈波を同時に計測する。計測したデータは,測定器と接続したPCからネットワークを経由して日立システムズのデータセンターに送られ,データを解析し,瞬時に結果を返します。結果レポートには,自律神経機能年齢や心拍変動,交換・副交感神経のバランスが数値やグラフで表示され,「正常」「注意」「要注意」の3段階で分かりやすく評価される。これにより,疲労・ストレスの度合いを客観的に確認でき,メンタルリスクの予防,早期発見に対する適切なケアおよび回復状況の確認が可能となる。測定結果はデータセンター内に安全に保管され,履歴の閲覧や統計分析など継続的なサポートに役立てられる。
また,オプションで同社と提携する保健師や専門医による導入時研修やサポートデスク,ケースカンファレンスなどのサービスも合わせて提供する。さらに,精神科医が個別に策定する様々なカテゴリーに応じた問診チェック票を併用することで,より総合的かつ正確に心の疲労傾向を把握することも可能。
日立システムズは日立グループのクラウドソリューションである「Harmonious Cloud(ハーモニアスクラウド)」の下,主力事業として強化中のクラウドサービスの一つとして,「疲労・ストレス検診システム」を,被災地域はもとより,全国の自治体や学校などの教育機関,企業向けに拡販し,2015年度末までに累計60億円の販売をめざす。
なお,「疲労・ストレス検診システム」は,2013年2月26日(火)に大阪産業創造館で開催される「ヘルスケアビジネスフェア2013」や,2013年3月13日(水)から15日(金)まで,東京ビッグサイトで開催される「健康博覧会2013」に出展予定。
●問い合わせ先
(株)日立システムズ
TEL 0120-346-401(受付時間:9時~17時/土・日・祝日は除く)
お問い合わせWebフォーム:https://www.hitachi-systems.com/d-inquiry/contact.cgi