CT国内導入50年の歴史で振り返るキヤノンメディカルシステムズのCT技術革新
——新たなCTカテゴリーとなる「Aquilion Rise」を発表

2025-4-7

キヤノンメディカルシステムズ

CT


CT国内導入50年を技術開発の歴史とともに紹介

CT国内導入50年を技術開発の歴史とともに紹介

キヤノンメディカルシステムズ(株)は2025年4月2日(水),CT国内導入50年を振り返り,ITEM 2025の概要を紹介するラウンドテーブルを開催した。ラウンドテーブルには,常務CT事業部長の杉原直樹氏,国内営業本部CT営業部グループ長の山田徳和氏,CT事業部CTマーケティング&プロモーション部の大嶋 潤氏,国内営業本部営業企画部の櫻井嘉人氏が出席。杉原氏の挨拶に続き,山田氏がCT国内導入50年の歴史について,大嶋氏が新製品の全身用マルチポジションCT「Aquilion Rise」について,櫻井氏がITEM 2025の展示概要について紹介した。

国内でのCTの歴史は,1975年に東芝(現・キヤノンメディカルシステムズ)が英国EMI社とX線CTの販売契約を締結し,東京女子医科大学脳神経センター神経放射線科にEMI社製CTスキャナ「MK-1(頭部用)」を設置したことに始まる。その後,東芝はCT装置の開発に着手し,1978年に優れた画像と操作性を持つ頭部用CT装置「TCT-10A」を自社開発,また同年,全回転方式で高速スキャンが可能なEMI社製CT-5005に独自のシフト機構を取り入れた全身用CT装置「TCT-60A」を発売した。1985年発売の「TCT-900S」は,スリップリング機構により連続スキャンを実現し,CTに新時代をもたらした。この技術がヘリカル撮影へとつながり,1990年代にはヘリカル撮影がCTの主流となった。1990年代後半から2000年代には多列化が進み,64列CTでは心臓の撮影も可能になった。そして2007年,マルチスライスCTの概念を進化させた320列検出器搭載のArea Detector CT(ADCT)「Aquilion ONE」が誕生した。ボリュームデータを同じ位相で撮影できる四次元X線CT装置の開発は医療分野での功績が高く評価され,2017年に日本医療研究開発大賞を受賞している。同年には0.25mm幅検出器を搭載した「Aquilion Precision」により高精細化を実現するなど,キヤノンメディカルシステムズは数々の新技術の開発により,CTの進化を推し進めてきた。
それと同時に,被ばく低減のニーズに応えるため,2011年に被ばく線量の大幅な低減を可能にする画像再構成技術AIDR 3Dを開発,「国内CT医療被ばく半減プロジェクト」を推進してきたことも大きな功績の一つである。2018年にはディープラーニングを用いて設計し,分解能を維持したままノイズを選択的に除去する画像再構成技術「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」を開発し,2025年現在,すべてのセグメントの製品に標準搭載している。2021年には超解像画像再構成技術「Precise IQ Engine(PIQE)」を発表するなど,CTとAI技術の融合を着実に進めている。
1982年には1000台だったCT生産台数は,2024年には5万台を達成,世界中の医療現場でキヤノンメディカルシステムズのCTが活用されている。現在もPhoton Counting CTの開発や,これまでのCTの概念を変える立位CTの開発・製品化など,次の50年に向けてCTの未来を切り拓くための取り組みが続けられている。

ラウンドテーブルでは,慶應義塾大学病院で世界1号機の稼働開始が発表された世界初の全身用マルチポジションCT「Aquilion Rise」の情報提供も行われた。Aquilion Riseは,慶應義塾大学医学部放射線科学教室主導のもと産学連携により共同開発された新しいカテゴリーのCT装置で,90°回転かつ上下動する可動式の片持ちガントリにより,従来の臥位に加えて,立位・座位の検査を可能にする。患者・医療従事者の動線を広く確保する設計やAIを活用した自動化技術「INSTINX」,カメラによる自動ポジショニングなどにより,スループットの向上も図られている。慶應義塾大学病院で2017年より臨床稼働している立位・座位CTで積み重ねられてきた知見からは,立位で症状が現れる疾患の評価における有用性など,新たな臨床価値が示されている。Aquilion Riseは4月11日より販売を開始し,同日より開催されるITEM 2025で展示される。
また,ITEM 2025では,「Meaningful innovation. Made possible.」をメッセージに掲げ,昨年同様にパシフィコ横浜の展示ホールAにブースを出展する。Aquilion Riseをはじめ,各製品セグメントで多数の新製品,新ラインアップの展示を予定している。

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon

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