RSNA2014 東芝 - X-ray
米国初登場のAngio CTや被ばく低減技術“DoseRite DTS”に来場者が好反応
2014-12-3
米国初展示となるAngio CT
「Infinix 4DCT」
RSNA 2014[第2日目:12月1日]
東芝のX線撮影装置関連では,血管撮影装置の「Infinix-i」(日本名:Infinix Celeve-i INFX-8000C)と80列160スライスCTの自走式の「Aquilion PRIME」(FDA未承認)を組み合わせたIVR-CT(Angio-CT)「Infinix 4DCT」(米国コンセプト名)が発表された。血管撮影装置とCTを組み合わせたAngio CTは,日本国内では大学病院や地域中核病院を中心に導入されているが,米国ではこれまで展開されていなかった。それだけに来場者からは高い関心を集め,初日にはアンベールイベントが行われた。このAngio CTは,2014国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2014)でも展示されたが,当時は自走式のAquilion PRIMEが日本国内薬事未承認であった。その後承認を取得したため,今後は日本国内でも自走式Aquilion PRIMEのAngio CTが展開されていく予定である。Aquilion PRIMEはコンパクトな外観デザインでありながら780mmという広いガントリ開口径が特徴の東芝マルチスライスCTのハイエンド装置。0.5mm×80スライスにより高分解能画像を高速撮影で得られる。逐次近似応用再構成法である“AIDR 3D”により,被ばく低減を図りながら,高画質を臨床現場に提供する。CT装置単体としては,上位機種の「Beyond Edition」と普及機種の「Focus Edition」をラインナップしている。
このAquilion PRIMEとInfinix-iによるAngio CTの特徴は,“インテリジェンスインターロック”によりCT画像を基にCアームの位置を確認することができたり,反対に血管造影の付帯情報からCTのポジショニングを行うといったことが可能である。また,Aquilion PRIMEのAIDR 3D,Infinix-iの“DoseRite”により,術者や被検者の被ばく量を大幅に低減することができる。
血管撮影装置に搭載される被ばく低減技術の総称であるDoseRiteについても,今回は“safety 360”の取り組みとしてPRされた。特にRSNA 2013でも紹介された線量管理システム“DoseRite DTS(Dose Tracking System)”は,米国でも高く評価されている。このDoseRite DTSは,見えない被ばくを可視化するという発想で開発されており,X線条件やCアーム幾何学的関係,FOV,カテーテルテーブルの位置のデータをワークステーション上で計算処理し,リアルタイムに入射皮膚線量をカラーマップ表示するというもの。
DoseRite DTSは,世界各国の放射線科医・診療放射線技師が参加する会員制Webサイト「AuntMinnie」(http://www.auntminnie.com )において優秀なソフトウエアとして表彰された。なお,DoseRite DTSは,JRC2014における第70回日本放射線技術学会総会学術大会でもCyPos賞金賞を受賞したほか,モノづくり日本会議・日刊工業新聞社による「2014年“超”モノづくり部品大賞」の「健康・医療機器部品賞」を受賞するなど,国内外で高い評価を受けている。
このほか,DoseRiteに関しては,関心領域だけにX線を照射する“DoseRite SpotFluoro”も紹介された。
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