RSNA2014 東芝 - MRI
“Saturn Gradient Option”によりさらに進化した「Vantage Titan 3T」などをPR
2014-12-4
Saturn Gradient Optionが搭載される
Vantage Titan 3T
RSNA 2014[第2日目:12月1日]
東芝のMRIコーナーでは,3T装置の「Vantage Titan 3T」と1.5T装置の「Vantage Elan」が展示された。日本国内では2010年に国産メーカー初の3T MRIとして,Vantage Titanを発表したが,その後着実に販売数を伸ばしている。今回のRSNA 2014では,画質,撮像時間,自由度を向上させる新型の傾斜磁場システム“Saturn Gradient”を採用して大幅に性能をブラッシュアップさせるオプションを発表した。また,Vantage Elanは,1.5T MRIの普及機と言えるモデルで,日本では2013年に発表され,同じ年のRSNA 2013でもお披露目された。
Vantage Titan 3Tのオプションとして提供されるのは,“Saturn Gradient Option”。その新機能は,“BOOST Quality” “BOOST Speed” “BOOST Flexibility”の3つのキーワードで表される。
BOOST Qualityとは,飛躍的な画質の向上を意味する。71cmという大開口径を有するVantage Titan 3Tにとって,これまで傾斜磁場の安定した高出力に課題があった。そこで,新開発のSaturn Gradientでは,Gmaxの値を従来の30から45へ引き上げた。さらに,発熱,振動,送信効率といった課題を解決するため,冷却層を従来の2層から3層に増やして温度上昇を抑えつつ,中心周波数を一定に保つようにした。振動対策として傾斜磁場コイルを従来より2.3倍硬く加工することで,画像のボケを改善。これにより大幅な画質の向上を実現している。
また,高速化を意味するBOOST Speedの技術としては,ソフトウエア“M-Power”のバージョンをV1.35からV2.5へと進化させたことである。新バージョンでは,プレスキャンの時間短縮や再構成時間を短縮。さらに,SARコントロールによって,1回の撮像で得られる画像数が増え,1検査での撮像範囲が拡大した。これにより頭部のルーチン検査時間を46%短縮できるという。
もう1つのBOOST Flexibilityについては,パラメータ設定が視認性に優れ,容易に設定できるようレイアウトを変更した。アプリケーションも体内金属を撮像する際の位置ズレを補正する“VAT”や“3D WFS” “Double IR” “T1 MPV” “cDWI” “mEcho”など,豊富に用意している。
このほか,Vantage Titan 3T用のコイルとして,“16ch フレキシブル SPEEDER”が2タイプ,ラインナップに追加される。
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一方,Vantage Elanは発売から1年が過ぎたが,市場での評価も高く販売が好調である。日本ではこの1年で70台販売した。好調の理由としては,最小設置面積が23m2と省スペースであること,そして“Ecoモード”搭載など省エネルギーであること,位置決めアシスト機能の“NeuroLine” “CardioLine” “SpineLine”などにより効率的な検査ができることである。ブースでは,こうした経済性や効率性と画質のバランスがとれているVantage Elanの特長がPRされた。
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