RSNA2014 島津製作所 - X-ray
地域ごとのニーズに応える仕様や機能を実装したX線装置を展示

2014-12-4

島津製作所

X線装置


FPD搭載多目的透視撮影装置「SONIALVISION G4」

FPD搭載多目的透視撮影装置「SONIALVISION G4」

RSNA 2014[第3日目:12月2日]

さまざまなX線装置を展開するShimadzu Medical Systems(島津製作所)は,日本や米国,新興国など,地域のニーズをとらえて,製品仕様の調整や開発を行っており,RSNA 2014では海外向けに用意している製品を中心に来場者にアピールした。

2014年3月にFDAを取得し,米国でも販売を開始したFPD搭載多目的透視撮影装置「SONIALVISION G4」は,多くの製品群のなかで最も来場者の関心を集めていた。完全にフラットなテーブルは低い位置まで下げられるため,高齢者も乗降しやすい。被ばくへの配慮も優れた装置で,着脱可能なグリッド,半動絞りが可能なコリメータ,検査に応じて切り替えられるビームハードニングフィルタを搭載している。短い透視で得た画像でコリメータの位置を設定し,被ばく低減に貢献するバーチャルコリメータは,血管撮影装置では標準的な機能であるが,透視装置にも初めて実装した。
日本国内では泌尿器検査などへの対応もアピールしており、テーブルは術者が位置するテーブル端に近い位置を支点としてチルトすることができ、楽な姿勢での手技を支援する。一方、海外に向けても、さまざまな検査で使用でき,装置を有効に利用できる点を訴求している。また,特徴的なアピールポイントとしては,テーブルの耐荷重が700ポンド(300kg強)あるため,バリアトリック(減量医学)において食道から胃を迂回して腸へとバイパスをつくる手術の検査で,非常に体重の重い患者も検査可能であるため,米国で実際に導入している施設ではバリアトリックでも活用されている。トモシンセシス(FDA申請中)やスロットラジオグラフィ(長尺撮影)などの機能も使えるため,多領域での利用が期待される。

チルト支点を中心からずらしてチルトが可能

チルト支点を中心からずらしてチルトが可能

足だけで操作できるコントローラ

足だけで操作できるコントローラ

 

一般撮影装置「RADspeed DR」の展示コーナーでは,2009年以降,第三者評価機関KLASの“BEST IN KLAS”の表彰を5度受けていることを紹介。X線管とFPDが連動して動くオートポジションや自動長尺撮影,ワイヤレスFPDの搭載が特長で,検査のスループットを向上させる。海外向けの製品は,日本向けよりも耐荷重が大きい設計となっており,被ばく低減を重視した海外では,天板の素材は木製かカーボン製から選択できる。日本ではさらに,操作性を考慮し,透明のアクリル製からも選択することが可能。FPDは施設のニーズに応じ,島津製のRADspeed Pro V4のほか,富士フイルム,キヤノン, コニカから選択可能で,“DR NEUTRAL”として展示した。

一般撮影装置「RADspeed DR」

一般撮影装置「RADspeed DR」

5度にわたりBEST IN KLASを受賞

5度にわたりBEST IN KLASを受賞

   
ニーズに合わせてFPDを選択できるDR NEUTRAL

ニーズに合わせてFPDを選択できるDR NEUTRAL

 

 

一般撮影装置としてもう一つ,2014年11月に海外で発売している,新興国の病院や先進国のクリニックをメインターゲットとした「RADspeed fit」を紹介した。X線管と一体となったテーブル,立位台,コンソールで構成されるシンプルな装置で,導入コストを抑え,据付作業も1日で完了する。X線発生キャビネットはテーブル下に格納され,コンパクトにまとまっている。基本はアナログであるが,デジタルにも対応可能。日本国内薬事も取得済み。

新興国をメインターゲットとした一般撮影装置「RADspeed fit」

新興国をメインターゲットとした一般撮影装置「RADspeed fit」

RADspeed fitのコンソール

RADspeed fitのコンソール

 

血管撮影装置「Trinias」は今回,開発中のチルト寝台とともに展示された。寝台を頭尾方向,左右方向にチルトすることで,海外では一般的に行われる造影検査に代わるCO2イメージングにおいて,注入したCO2の循環を速めるのに有用である。被ばく低減へのニーズの高まりを受け,画像処理システム“SCORE PRO Advance”により,従来より半分に落としたパルス透視でも高画質な画像を得られ,線量を半分に低減できることをアピールした。SCORE PRO Advance処理により残像を抑え,カテーテル先端やデバイスを明瞭に視認できることから,日本国内の施設でも高い評価を得ている。ブースでは,チルト寝台のほか,防護エプロンを天吊りする「ZERO-GRAVITY」(CFI MEDICAL社製)や被ばく管理ツール(アンフォースレイセイフ社製)と組み合わせての展示を行った。

開発中のチルト寝台などと組み合わせて展示した血管撮影装置「Trinias」

開発中のチルト寝台などと組み合わせて展示した
血管撮影装置「Trinias」

“SCORE PRO Advance”により残像がなくなる。

“SCORE PRO Advance”により残像がなくなる。

 

回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution」は,米国では2014年9月に発売ずみの新型デザインを紹介。特長としては,撮影後2秒でのプレビュー(従来は3秒),ハロゲンランプのLED化,モーターの改良,長寿命バッテリーの採用,視野角の広いモニタの採用が挙げられる。日本国内では,2015年春頃にリリース予定。また,流行をみせるエボラ出血熱への対策として,米国ユーザーの要望で装置を完全に防護するためのディスポーザブルカバーを開発した。カバーをつけたままアームを伸ばしたりタッチパネル操作ができ,そのまま撮影することができる。

新デザインの「MobileDaRt Evolution」

新デザインの「MobileDaRt Evolution」

視野角の広いモニタを採用

視野角の広いモニタを採用

 

エボラ出血熱対策のディスポーザブルカバー

エボラ出血熱対策のディスポーザブルカバー

 

さらに,海外向け装置として,日本ではすでに販売している外科用Cアーム「OPESCOPE ACTENO」(FDA未承認)をアピールした。ケーブルがなく,Cアームは片手で簡単に動かすことができ,上下動はカウンターバランスになっていることから素早いセッティングが可能。被ばくマネージメント機能を搭載し,装置側のモニタでX線条件の設定や透視画像を確認することもできる。バーチャルコリメータも実装し,被ばく低減に配慮している。不使用時には,モニタを閉じてコンパクトに収納することができる。

外科用Cアーム「OPESCOPE ACTENO」

外科用Cアーム「OPESCOPE ACTENO」

装置側のモニタでもリアルタイムに線量確認が可能

装置側のモニタでもリアルタイムに線量確認が可能

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