ネットカムシステムズブース

ネットカムシステムズは，ユーザーの要望に応えて進化を続ける乳腺画像診断ワークステーション「mammodite（マンモディーテ）」を出展し，読影室を模した展示スペースでビューワ性能や読影を支援する機能を来場者に紹介した。ネットワークカメラ用ソフトウエア/システムの開発で2004年に創業したネットカムシステムズは，2012年にメディカル事業部を設立し，mammoditeを発売した。mammoditeは，日進月歩で進化するマンモグラフィシステムと，エビデンスに基づき改定されるガイドラインに対応するため，また，快適な読影環境を求める読影医のニーズに応えるために，継続的にアップデートを行っている。
今回は，放射線科領域で活用が広がるAIを用いたソフトウエアを新たに紹介した。EIZOが開発した乳房構成判定ソフトウエアで，mammoditeと連携することでビューワ上に乳腺濃度と乳房構成を解析した結果が表示される。

●高速な表示スピードや読影支援機能をアピールした「mammodite」

mammoditeは，ビューワやレポーティングシステムから構成される100％自社開発の乳腺画像診断ワークステーションで，ストレスのない読影環境を提供して乳腺画像診断をサポートし，乳がんの早期発見・早期治療に貢献することをめざして開発された。ブースでは，個室タイプの展示スペースに，EIZO，バルコ，JVCケンウッド各社の協力を得て12メガピクセルモニタと組み合わせてmammoditeを展示し，操作性や機能を来場者にアピールした。

展示場ゲートから入る来場者の目を引くブースデザイン

EIZO，バルコ，JVCケンウッドの協力の下，12メガピクセルモニタと組み合わせてmammoditeを展示

mammoditeの特長の一つが，統合プロセスエンジン「APROS」による速い表示スピードである。マンモグラフィ画像はもともとデータ容量が大きいことに加え，近年はトモシンセシス撮影も行われるようになっていることから，ビューワによっては画像の呼び出しやスクロール操作にもたつきを感じることもあるが，表示スピードが速いmammoditeではストレスなく読影を行うことができる。過去画像の表示においても，自動プリフェッチDICOM Q/R機能が実装されており，患者IDで検索することなく過去画像をすぐに表示することが可能だ。
読影での負担軽減には，直感的な操作性も貢献している。画面上にわかりやすいアイコンを使いやすくレイアウトすることで，作業スピードを落とさずに読影を進めることができる。また，インターフェイスデザインは黒を基調とすることで，読影による目の疲れを軽減するように配慮している。
レポーティング機能は，複数の医師，診療放射線技師が使用することを想定して設計しており，撮影を担当した技師がコメントを書き込める所見記入機能も搭載している。

快適なマンモグラフィ読影を支援する「mammodite」

読影室に見立てた展示スペースでmammoditeの操作性をアピール

●乳房構成をより詳細に把握可能なAI技術を用いた乳房構成判定ソフトウエアを紹介

今回，最新情報として紹介したのが，放射線科領域で活用が広がるAI技術を用いた乳房構成判定ソフトウエアである。EIZOが愛知乳がん検診研究会と共同研究・開発したもので，乳腺領域推定AIと乳腺画素推定AIから乳腺濃度と乳房構成を判定する機能を有する。どのメーカーのマンモグラフィ装置で撮影された画像にも対応可能で，2022年の第30回日本乳癌学会学術総会では，同ソフトウエアの補助的な使用が乳腺散在から不均一高濃度の判定の補助に有用であり，乳房構成の判定のブレを軽減する可能性があることが報告されている（ミニポスター発表 PO5-2）。
オプションで提供される同ソフトウエアをmammoditeと連携することで，マンモグラフィ画像を表示するビューワ上に解析結果が表示される。解析結果はバー表示で示され，乳房構成をA〜Dの4段階のみで判定するよりも，詳細に乳房構成をとらえることができる。人の目による判定と比べて，多くの画像で学習したAIによる解析では，より客観的な乳腺濃度・乳房構成評価が可能になる。なお，ソフトウエアは過去画像に対しても適用可能で，経時的な乳腺量の変化の把握にも貢献する。

AI技術を用いた乳房構成判定ソフトウエアでは，バー表示で解析結果が示される。