ITEM2023 ジェイマックシステム ブースレポート
「『現場の声』から『課題解決』を。〜AI,サイバーセキュリティへの取り組み〜」をテーマに,“Imaging”や“IT ”などの最新ソリューションを紹介
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2023-4-26
ジェイマックシステムブース
ジェイマックシステムは,今回のITEMで,「『現場の声』から『課題解決』を。〜AI,サイバーセキュリティへの取り組み〜」をテーマに掲げた。ブース内に“Imaging Solution”“IT Solution”“遠隔読影Solution”“Anti-Infection Products”のコーナーを設けて,最新ソリューションを来場者に紹介した。通路に面したImaging Solutionのコーナーでは,PACS,レポートシステム,検像システムなどのデモンストレーションを行った。このうちPACS「XTREK F.E.S.T.A」のビューワである「XTREK VIEW」には,「MPR/オブリーク機能」が追加された。任意のオブリーク断面でのMPR画像を展開できる。このほか,近年,医療機関の脅威となっているサイバー攻撃に対するソリューションとして,クラウドバックアップサービス「CASOL」などを紹介した。IT Solutionでは,放射線業務システム(RIS)「ACTRIS」や線量管理システム「DoseChecker」を中心に展示した。ACTRISには「掲示板機能」が採用され,DoseCheckerはRRDSR(Radiopharmaceutical Radiation Dose Reporting)に対応した。また,展示テーマにもあるとおり,開発を進めている人工知能(AI)技術を参考展示として紹介しており,ユーザーの課題を解決するための技術をアピールしていた。
●XTREK VIEWはMPR/オブリーク機能を新たに搭載し,読影効率の向上に寄与
Imaging SolutionのコーナーでPRしていたのが,PACSのXTREK F.E.S.T.AのビューワであるXTREK VIEWに搭載された新機能だ。CTやMRIのボリュームデータを効率的に読影する上で欠かせないMPR画像を表示する機能が進化した。従来の「MPR機能」は,直交断面でのアキシャル,コロナル,サジタル各画像の表示が可能であったが,新たに任意のオブリーク断面での画像再構成に対応した。このMPR/オブリーク機能では,表示させるオブリーク断面の位置,角度を容易に設定できるため,読影医自らが,時間をかけずに処理を行い,効率的に読影を行える。MPR画像は,診療放射線技師が画像処理するケースが多いが,読影医が行えるようになり,診療放射線技師と読影医,両者の業務が省力化され,放射線部門をはじめとした生産性の向上,働き方改革に貢献する。
また,XTREK VIEWについては,現在開発中の機能として,「CPR機能」と「ハンギングプロトコル機能」(いずれもW.I.P.)のデモンストレーションが行われた。CPR機能は,冠動脈など曲面に沿った3D画像をマウス操作で容易に作成することが可能。ハンギングプロトコル機能では,読影医が目的や用途,好みに応じた画面レイアウトを設定,登録しておくことで,速やかにその画面を展開できる。一度登録しておけば,別の読影端末でも,ログインすることで登録した画面レイアウトを開ける。場所を選ばず,読影医にとって最適な画面レイアウトを速やかに表示するため,読影効率の向上が期待される。
●ランサムウエアなどのサイバー攻撃を受けても診療を継続するためのクラウドクラウドバックアップサービス「CASOL」
Imaging Solutionコーナーでは,昨今,医療機関の脅威となっているサイバー攻撃に対するソリューションを提案した。クラウドバックアップサービスのCASOLは,ジェイマックシステムとAmazon Web Services(AWS)の2か所のデータセンターで,データを保管する。施設内に設置した「CASOL GWPC」を介して,VPNで参照頻度の高い直近1年程度の画像とレポートをジェイマックシステムのデータセンターに保管。さらに,参照頻度の低い検査から1年経過した画像をAWSのデータセンターに保管する。これにより,施設内のPACS,レポートシステムに障害が発生した場合には,ジェイマックシステムのデータセンターにあるデータをWebビューワ「XTREK WebView」で参照するようにして,診療を継続できる。厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と総務省・経済産業省「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」の3省2ガイドラインに対応している。
●IT Solutionコーナーでは,掲示板機能を搭載したACTRISやRRDSRに対応したDoseCheckerを紹介
IT Solutionコーナーでは,RISや被ばく線量管理システムを中心に,情報共有や生産性向上に寄与する機能を紹介した。RISのACTRISは,操作性や利便性,柔軟性が評価され,2022年9月の時点で130施設以上に採用されている信頼性の高いシステム。今回のブースでは,新たに採用された掲示板機能のデモンストレーションを行った。掲示板機能は,放射線部門内の連絡事項をウインドウ表示する。情報の表示期間を設定できるほか,閲覧者数の確認も可能。情報共有が図れているかを可視化でき,確実な業務遂行を支援する。このほか,カスタマイズが容易な画面レイアウトや副作用の見落としを防ぐための強調表示,統計処理など,放射線部門の業務効率を向上し,安全な検査を施行するための機能が充実している。
線量管理システムのDoseCheckerは,ACTRISのオプションとして用意される。RDSR(Radiation Dose Structured Report)の線量情報を取得して,被ばく線量を一元管理できる。ITEM 2023では,RRDSRのデータを取得して,核医学検査の放射性医薬品の線量管理もできることをPRしていた。DoseCheckerでは,「日本の診断参考レベル (2020年版)(Japan DRLs 2020)」との比較もできるほか,線量情報を箱ひげ図や散布図などでわかりやすく可視化して,被ばく線量の最適化を図れる。
●AIの開発状況を示し,放射線部門業務のさらなる効率化や診断の質の向上への貢献をアピール
ブース内ではAIの開発状況を参考展示した。ジェイマックシステムでは現在,画像処理機能と画像解析機能の開発を進めている。画像処理機能としては,「肋骨減弱機能」(W.I.P.)がある。胸部単純X線画像の正面像から肋骨を除去して視認性を向上。肋骨に重なっていた結節などを見つけやすくした。これにより,診断の精度が高めることができると期待される。現在プログラム医療機器認証の申請を行っている。一方,画像解析機能としては,同じく胸部単純X線画像の正面像に適用するものとして,「肺結節検出機能」「肺炎領域検出機能」「画像分類機能」「心胸郭計測機能」(いずれもW.I.P.)がある。
これらのAI技術は,PACS,ビューワと組み合わせて使用することをめざしており,ジェイマックシステムが展開するソリューションの強化につながる。
●お問い合わせ先
社名:株式会社ジェイマックシステム
住所:〒060-0034 札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL:011-221-6262
E-mail:sales@j-mac.co.jp
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