ITEM2019 ViewSend ICT ブースレポート 
遠隔画像診断支援サービスユーザー向けに訪日診療希望者の斡旋を行うなど,海外展開の豊富な実績を生かした付加価値をアピール


2019-4-30


ViewSend ICTブース

ViewSend ICTブース

創業当初から一貫して遠隔画像診断支援サービスを主とした事業展開を行っているViewSend ICTでは,遠隔医療が持つ「地域をつなぐ」をイメージし,スカイブルー(青空)を基調としたブースを出展した。ブースでは,遠隔画像診断支援サービスの地域医療連携における利点を紹介したほか,海外での豊富な実績を生かし,ユーザーに対して訪日診療希望者を斡旋するサービスといった同社ならではの付加価値をアピールした。また,遠隔画像診断支援サービスの製品として,クラウドPACS「ViewSend Anywhere」や,より読影機能に特化したミドルエンドユーザー向けPACSなどを展示した。

●遠隔画像診断支援サービスを利用した包括的な地域医療連携の実現

ViewSend Anywhereは,既存インターネット環境を活用し,医用画像の参照や遠隔読影などの環境を簡単に構築することができるクラウドPACS。病院内のサーバとクラウドサーバを連携することで,インターネット経由で紹介状,検査結果,カルテなどの医療情報,医用画像を参照できるクラウド環境を構築する。地域の中核病院などにViewSend Anywhereを導入することで,連携先の医療機関はパソコンのモニタではもちろん,タブレット端末やスマートフォンでも連携元が送信した画像の参照などが可能となっている。また,遠隔画像診断支援サービスは画像診断管理加算2の算定も可能となっている。
今回ブースでは,ViewSend Anywhereをさらに読影診断に特化させたミドルエンドユーザー向けPACSが展示された。展示されたPACSは,読影件数をより増やすために,読影のワークフローと画像の表示スピードを向上させた次世代PACS。階調調整や連続ズームのほか,現在表示されているスライス面が部位のどの箇所に当たるのかを直感的に把握しやすくなるインターセクションライン機能,任意のスライス面を複数抽出する機能など,読影支援の機能が強化されている。また,ビューワ1台の最小構成から複数台で組み合わせた構成までカスタマイズ性の高いシステム構築が可能となっている。
現在日本では,医療費の増大が問題となる一方で,地域の中小病院では患者数が減少していて経営が逼迫している。また,在宅医療が推進されているにもかかわらず,高機能病院に外来・検査が集中することで医師の過重労働が課題となっている。ViewSend ICTの遠隔画像診断支援サービスを導入することにより,中小病院でも高機能病院の専門医に読影依頼を行うことができ,高機能病院で検査を行わなくても同等の診断クオリティを実現できるようになる。これにより,高機能病院では検査入院などの在院日数を減らし読影業務と手術業務に専念することができ,過重労働を解消することができる。また,中小病院でも高機能病院で検査を行っていた患者の検査を自施設で担うことができるため,検査装置の稼働率が向上し経営改善が期待できる。診療所でも同様の仕組みが構築できるほか,連携した中小病院への検査依頼が出しやすくなるため,外来患者数の増加を見込むことができる。患者も地域の診療所や中小病院で高機能病院と同様の診断が受けられるため,検査のために遠方の高機能病院に行く必要がなくなる。
ViewSend ICTでは,このような遠隔画像診断支援サービスを海外にも展開している。海外の医師と日本の医師のカンファレンスにも活用されており,日本の医師と連携することで海外の読影レベルの底上げにもつながっている。特に,中国の医療機関に対しては事業展開を積極的に行っており,日中双方からこのような実績を認められ,2018年10月26日に北京で開催された第1回日中第三国市場協力フォーラムでは,ViewSend ICTも遠隔医療をテーマに技術協力の覚書を締結している。このフォーラムは,日中の第三国における経済協力の重要なプラットフォームとして,両国の幅広い政府関係機関・企業が集い,日中企業による具体的な協力プロジェクト実現に向けて,両国関係者の交流の促進を図るもので,同社も日中の経済発展に一役買っている。

クラウドベースで容易にシステム構築できるViewSend Anywhere

クラウドベースで容易にシステム構築できるViewSend Anywhere

 

展示されたミドルエンドユーザー向けPACS。ViewSend Anywhereと比べ,機能も性能も飛躍的に向上している。

展示されたミドルエンドユーザー向けPACS。ViewSend Anywhereと比べ,機能も性能も飛躍的に向上している。

 

北京で開催された第1回日中第三国市場協力フォーラムでの写真(上段右から7人目がViewSend ICTの嗣江建栄社長)

北京で開催された第1回日中第三国市場協力フォーラムでの写真
(上段右から7人目がViewSend ICTの嗣江建栄社長)

 

●中国での導入実績から生まれた訪日診療希望者斡旋サービス

ViewSend ICTでは,国際医療支援サービスとして日中間の病院と患者をつなぐプラットフォームを提供し,中国からの訪日診療希望者,特に重粒子線治療などの高度医療希望者を,国内の遠隔画像診断支援サービス導入施設に斡旋している。
中国では現在,陽子線治療施設が1施設しか稼働しておらず,年間400人程度しか治療を受けられず,何万人もの治療待ちの患者がいる。一方,日本では重粒子線,陽子線治療施設を合わせ23施設が稼働しているが,装置の稼働率が高いとは言いがたい状況となっている。また,中国では日本以上に医師不足が深刻化しており,放射線科教育についても整備されていない状態が続き,医療技術のレベルが高い日本での診療希望が後を絶たない。
ViewSend ICTでは,このような日中間の診療の需給ニーズに対し,中国の医療機関に多数の導入実績を有しており,そこで築いた信頼関係を基にインバウンド診療の斡旋サービスを行っている。これは,中国の導入施設や提携施設(病院や旅行代理店)から訪日診療希望者,もしくは日本で診療が必要な患者の情報を得て,遠隔画像診断支援サービスを導入している国内施設の中から診療目的と合致した施設を紹介するというもの。高度医療の希望者はもちろん,健康診断の希望などの斡旋も行っている。治療希望の場合,来日前に中国・日本双方の施設同士で治療方針について意見交換や,遠隔画像診断による事前のスクリーニングで治療の要否を確認するため,不要な治療や無用な来日を回避できる。また,ViewSend ICTが仲介して診療予約や代金支払いを行うため,診療トラブルも避けることができる。さらに,症例資料を専門医が翻訳して遠隔画像診断支援サービスのクラウドサーバへアップロードし,患者の帰国後も中国の医療機関にてフォローできるようになっている。自由診療になるため医療費負担もなく,患者は高度な医療技術の日本で希望した高度先進医療を受けることができ,施設側は高度医療機器の稼働率を高めることができる。

海外にも事業展開しており,訪日診療希望者と国内施設との斡旋サービスも行っている。

海外にも事業展開しており,訪日診療希望者と国内施設との斡旋サービスも行っている。

 

●お問い合わせ先
社名:ViewSend ICT株式会社
住所:東京都豊島区西池袋3-1-15 西池袋TSビル7F
TEL:03-5957-0112
URL:http://www.viewsend-ict.co.jp/


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