ITEM2019 富士フイルムメディカル 取材速報
メディカルAIの成果を搭載した「SYNAPSE SAI viewer」など先進の画像技術を用いた製品を多数展示
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2019-4-14
富士フイルムメディカルブース
富士フイルムメディカルは,新しいコーポレートスローガンである「NEVER STOP 医療のいちばん近くから,時代を見つめる。」を掲げて展示を展開した。ブースでは,モダリティとITの2つのソリューションでAI技術「REiLI」など先進の画像解析技術をベースにした多数の製品・アプリケーション群の展示を行った。
モダリティソリューションでは,重量3.5kgと小型・軽量化を図り手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair」をITEMでは初めて展示した。同社のISS方式を採用したカセッテDR「FUJIFILM CALNEO Smart」などと組み合わせることで低線量でも高画質の画像を得ることができる。在宅医療などでの持ち運んで使用することが多くなることから,保持スタンドなどもあわせて展示した。CALNEO Xairは,装置の外観デザインだけでなく性能や操作性,製品コンセプトなどが総合的に評価されて,ドイツの「iFデザイン賞」金賞,「レッドドット・デザイン賞」の最高賞である「Best of the Best賞」などを受賞した。
また,外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION」シリーズは,静止画で培ってきた画像処理技術を動画像処理に生かした製品で,3つの製品がラインアップされている。術中の3D画像撮影が可能な「COREVISION 3D」,スタンダードの「COREVISION LD」,モニタ一体型で省スペースタイプの「COREVISION SD」で,それぞれの特長をアピールした。マンモグラフィでは,デジタル式乳房用X線診断装置「AMULET Innovality」の圧迫自動減圧制御(Comfort Comp)機能の“なごむね”を紹介した。なごむねは,最大圧迫圧の時間を短縮することで受診者の感じる痛みを軽減する機能である。
ITソリューションでの最大の目玉となったのが,4月4日にリリースされたAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」である。富士フイルムが開発を進めてきたメディカルAI技術「REiLI」の最初の製品であり,“画像診断ワークステーション用プログラム”で薬機法の認証を受けた製品として2019年7月に発売の予定だ。SYNAPSE SAI viewerでは,ディープラーニングを用いて開発された機能として,“臓器セグメンテーションおよびラベリング”,“骨経時サブトラクション”,“Virtual Thin Slice”が提供される。そのほか,読影ビューワとしての基本機能を持ち,3D画像の表示機能も搭載されている。骨経時サブトラクション機能では,椎骨一つ一つを認識した上で過去画像との位置合わせを行い,サブトラクションを行ってCT値の経時的変化を算出して骨転移の診断をサポートする。Virtual Thin Sliceでは,thickスライスで撮影されたCTデータからthinスライスの画像を仮想的に生成して,同じ条件での読影を可能にする。
そのほか,「SYNAPSE VINCENT」のバージョン5.4に搭載された“膝関節解析”,“ボーンビューア”などの機能を紹介した。すでに技術としては発表済みの機能だが薬機法認証を経て製品に搭載されることをアピールした。膝関節解析は,MRIのプロトンとT2*の画像を用いて膝軟骨と半月板の自動抽出,定量解析を可能にする。
また,超音波診断装置では,70MHzの超高周波プローブによる検査を可能にする超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD」を先行出展した。Vevo MDは,70MHzと48MHzの超高周波プローブを搭載し,70MHzでは最小分解能30μmの超高精細画像が取得できる。表在の血管やリンパ管などの描出が可能で形成外科領域などでの活用が期待される。
●お問い合わせ先
社名:富士フイルムメディカル株式会社 営業本部マーケティング部
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル
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URL:http://fms.fujifilm.co.jp/