ITEM2017 アレイ ブースレポート 
PDIの新しい形netPDIを中心に,インポート・エクスポートソリューションの新製品やバージョンアップした線量情報統合管理システムを紹介


2017-4-26


アレイブース

アレイブース

PDI(portable data for imaging)による検査画像のインポート・エクスポートソリューションを中心とした展示を行うアレイでは,“ディスクからネットワークへ”をテーマに,従来の可搬型媒体(ディスク)に続くPDIの新しい形“netPDI”のサービスを中心に,同社のPDIインポーターの新製品である「Preludio quattro」や,画像インポートキオスク端末「KioStesso」の展示を行った。

●画像転送の新しい形netPDI

netPDIは,日本IHE協会が提供し,ネットワークを使って画像だけでなく検査結果や処方情報を施設間で送受信する,画像転送の新しい形態を提案する施設間連携サービス。
現在,画像転送の領域では,地域連携システムなど,インターネット回線を使用したデータの送受信の取り組みが進められているが,コストやシステム構成などさまざまな課題があり,いまだにCDやDVDなどの可搬型媒体による受け渡しが主流となっている。このようなインターネット回線を使用した画像転送で障壁となっていた課題を解決したサービスが,netPDIである。
画像の受け渡しは,クラウドサーバを介して行われる。このクラウドサーバの回線や認証は厚生労働省のガイドラインに則したものとなっており,安全なセキュリティ下で利用することができる。画像を送りたい施設は,患者に紹介状とともに,送り先の施設でデータをダウンロードするためのIDとパスワードがバーコードで記載されたトークンシートを渡す。このトークンシートを画像を受け取る施設でバーコードリーダを使って読み取ると,データがダウンロードできるという仕組みになっている。施設内の規則などでネットワークに直接つなげないため利用できない場合でも,一度USBメモリに落とし,インターネットに接続された連携用の端末によってアップロードすることも可能となっている。
netPDIは,対応の製品であれば従来のCD作成と同じワークフローで利用可能で,CDの作成時間や管理の手間が必要なくなるため,業務効率の向上が実現できる。また,厚生労働省のガイドラインで示されたIHE XDSに準拠したシステムよりもサービスの導入コストが安く,今後,同社の製品はすべてnetPDIに対応する予定のため,従来の可搬型媒体作成ソリューションがあれば,新たな設備投資を抑えることもできる。これまでの地域連携システムでは運営母体(地域医療ドメイン)を必要としていたため,連携施設間での密な連携が必要であったが,運営母体を日本IHE協会が代行しているため,施設側が対応していれば運用が可能であり,導入しやすい点も特長の一つとなる。
さらに,netPDIは検査・画像情報提供加算と電子的診療情報評価料の算定要件を満たしているため,診療報酬の算定も可能であり,導入コストが抑えられていることと相まって,設備償却もしやすくなっている。

netPDI。今後アレイの各種製品に対応する予定となっている。

netPDI。今後アレイの各種製品に対応する
予定となっている。

出力されたトークンシートと読み取り用バーコードリーダ

出力されたトークンシートと
読み取り用バーコードリーダ

   
トークンシートのバーコードを読み込むと,クラウドサーバからデータがダウンロードされる。

トークンシートのバーコードを読み込むと,
クラウドサーバからデータがダウンロードされる。

 

 

●施設間連携をサポートするインポート・エクスポート製品

ブースでは,PDIでのインポート・エクスポートソリューションも併せて展示された。
ブースの前面で展示された新製品となる据え置き型画像インポートキオスク端末「KioStesso」と卓上型画像インポートキオスク端末「KioStessino」は,患者が自身で画像のインポートを行うことができる製品。ATMと同じ感覚のタッチ操作で簡単にインポートができ,読み込み速度も速いため,患者が自身でインポートを行う時だけでなく,医事課や地域連携室のスタッフが手軽にインポートを行いたい時にも利用できる。院内スタッフのPACSへのインポート作業を大幅に軽減でき,画像インポートの待機時間の削減と自身で画像を管理している安心感を患者が得られるという利点がある。
また,画像インポーターの新製品として,4台の光学ドライブによる並列読み込みが可能な「Preludio quattro」も展示された。Preludio quattroは,可搬型媒体による画像の流通量の増大に対応したインポーターで,読み込みの速さに重点を置いた装置。地域連携室や医事課が扱えるよう,直感的なタッチ操作が可能なほか,同社の画像インポーター「Preludio」にも搭載されている画像インポートをサポートする多彩な機能を使うこともできる。
そのほかに,インポートデータでPACSの容量を不要に圧迫することを防ぐテンポラリサーバ「Grand Bleu」や,インポート・エクスポートデータを一元管理するシステムサーバ「Iolanta」など,画像インポート・エクスポートの各ソリューションが展示された。

KioStessoは簡易な操作で患者が自身でインポートできる。

KioStessoは簡易な操作で患者が自身で
インポートできる。

卓上型のKioStessinoはどこでも置けるため院内スタッフが手軽に使うのにも向いている。

卓上型のKioStessinoはどこでも置けるため
院内スタッフが手軽に使うのにも向いている。

   
高機能画像インポーターPreludio

高機能画像インポーターPreludio

Preludio quattroは4台の光学ドライブによる高速読み取りを実現

Preludio quattroは4台の光学ドライブによる
高速読み取りを実現

   
Grand BleuとIolantaにより,必要な画像だけをメインPACSに送ることができる。

Grand BleuとIolantaにより,必要な画像だけを
メインPACSに送ることができる。

 

 

●WAZA-ARIと連携した線量情報統合管理システム

そのほかに,検像ワークステーション「Array Quartina」の線量情報統合管理システム「Radamès」が,放射線医学総合研究所の国内におけるCT撮影時の被ばく線量評価ツール“WAZA-ARI”と連携し,バージョンアップしたことが発表された。
Array Quartinaは,検査画像のチェックや修正作業を院内システムと連携して編集できる検像ワークステーション。Radamèsは,Array Quartinaに組み込まれた線量管理機能で,装置から送られてきた線量情報(DICOM RDSR)を蓄積し,Array Quartinaと連動して線量値の参照や撮影情報の取得が可能となっている。Array Quartinaとの連動システムのため,従来の線量管理機能のように新しく各モダリティとの接続が必要なく,導入コストも抑えることができる。今回のバージョンアップでは,WAZA-ARIと連携することで,臓器吸収線量の計算結果を取得・表示できるようになった。
連携は,Radamèsで取得した撮影情報のXMLファイルをWAZA-ARI連携用に生成,それをUSBメモリなどの媒体に書き込み,オンライン送受信用の端末からWAZA-ARIへ送信することで行う。WAZA-ARIは,送られてきたデータを基に被ばく線量を計算し,XMLファイルを返信し,Radamèsで再取り込み後,データの蓄積と表示を行う。
このバージョンアップでは,患者線量トラッキングツールとして,患者ごとの臓器吸収線量だけでなく,検査ごとや年間,累積での表示も可能となっており,被ばく量の管理とともに,患者に被ばくについての詳細な説明を行うことができる。

検像ワークステーションArray Quartina。線量管理システムRadamèsの機能が組み込まれている。

検像ワークステーションArray Quartina。線量管理
システムRadamèsの機能が組み込まれている。

RadamèsはWAZA-ARIと連携して詳細な線量の分析ができるようになった。

RadamèsはWAZA-ARIと連携して詳細な線量の分析ができるようになった。

   
各臓器の吸収線量のほか,累積線量や年間線量も表示できる。

各臓器の吸収線量のほか,累積線量や年間線量も
表示できる。

 

 

●お問い合わせ先
アレイ株式会社
住所:東京都渋谷区代々木3丁目42番10号
TEL:03-3320-3911
URL:https://www.array.co.jp/


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