ITEM2017 アドバンスト・メディア ブースレポート
新しいモバイルサービス「AmiVoice CLx Mobile」を中心に,「AmiVoice」シリーズの新機能を紹介
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2017-4-28
アドバンスト・メディアブース
「昨日のありえないを,明日のあたりまえに。」をコンセプトに,アドバンスト・メディアでは医療・介護向けクラウド型音声入力サービス「AmiVoice CLx」のモバイルサービス「AmiVoice CLx Mobile」を中心に,「AmiVoice」シリーズの新機能を展示した。ブースでは実機での音声入力が体験できるほか,モニタで導入施設の事例動画が閲覧でき,実際の運用を紹介していた。
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●モバイル環境下での音声入力を実現したAmiVoice CLx Mobile
今回,新しいサービスとして,クラウド型音声入力サービスであるAmiVoice CLxのモバイルサービスAmiVoice CLx Mobileが展示された。
AmiVoice CLx Mobileは,スマートフォンを利用することで,院内・院外を問わず,音声入力を行うことができる音声入力サービス。対応端末はiPhoneで,App Storeでギフトコードを入力すると専用アプリケーションをダウンロードすることができる。このサービスは,AmiVoice CLxのオプションサービスとなっている。
AmiVoice CLxは,各診療科に最適化された音声入力辞書を搭載する医療従事者向けの音声入力システム「AmiVoice Ex7」のクラウドサービス。AmiVoice CLx,AmiVoice Ex7は,ITEMをはじめとした展示会や導入施設で挙げられたニーズを反映し機能拡張を続けている製品で,音声は正確に認識,自動で変換され,句読点も挿入された上でテキスト化することができる。登録した定型文を呼び出すことができる“テンプレート登録機能”など,入力の手間を省く便利な機能も標準で使うことができ,キーボードを用いずに所見を簡単に入力することができる。
今回追加されたAmiVoice CLx Mobileでは,スマートフォンで入力した音声をAmiVoice CLxのクラウドサーバで最適なテキストに変換後,再度スマートフォンに返信し保存する。テキストは,まとめて一つの長文として保存することも,複数の文章に分けて保存することも可能となっている。保存したテキストは,Bluetooth Low Energy(BLE)専用のドングル(Bluetooth通信を行うUSB)を介してAmiVoice CLxの端末に転送することができる。転送は,AmiVoice CLxの端末と通信できる距離であれば,スマートフォンの画面をフリックするだけで可能となっている。
AmiVoice CLx Mobileは,スマートフォンを音声入力デバイス兼ネットワーク端末として使うことで,手元に音声入力デバイス,もしくはAmiVoice CLxがない状態での音声入力を実現した。これにより,病棟巡回や往診などでも音声入力が可能となっている。
また,これまでAmiVoice CLxはクラウドサーバを介して音声認識を行うため,インターネット環境が必要であった。しかし,電子カルテのクラウド化など施設のクラウド化が推進されてはいるが,院内規約の関係で音声入力を行いたい端末がインターネットに接続できない施設はいまだに多い。AmiVoice CLx Mobileは,スマートフォンがクラウドサーバと接続されていればよいため,このようなインターネットに接続できないオンプレミスの端末にAmiVoice CLxがインストールされている場合でも利用することができる。インターネットに接続されていないため,AmiVoice CLxの常時のバージョンアップは行えないが,メディアを利用して随時バージョンアップを行うことができる。これにより,インターネットに接続できない施設でもAmiVoice CLxを利用することができ,音声入力を導入しやすくなる。
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●業務効率向上に寄与する追加機能
AmiVoice CLxでは実装済みであった機能である“穴埋めテンプレート機能”や音響学習を行っていない状況でも精度の高い音声認識が可能な「DNN型音声認識エンジン」が,オンプレミス型のAmiVoice Ex7にも搭載された。
穴埋めテンプレート機能は,あらかじめ決まった書式がある中で,線量や造影剤量,もしくは所見入力など一部だけが変数(キーワード)となる場合に便利な機能。テンプレートを呼び出せば,自動的にキーワードの箇所をテキスト入力の選択範囲に指定し,音声入力を行うことができる。キーワードは複数箇所指定することができ,指定箇所の入力が終わった後は,音声で自動的に次のキーワードに選択範囲を移動することができる。
DNN型音声認識エンジンは,従来の音響学習を用いた辞書と異なり,深層学習を行うことでほとんど学習を行っていない状態でも認識の精度が高い辞書。2,3回の学習で高い認識精度にできるという特性を持っているが,初期以降の音響学習をしないため,従来のエンジンで最大まで音響学習をした場合よりは認識の精度が低くなるとの報告もある。従来の音響学習とDNN型音声認識エンジンは任意に使い分けることができ,DNN型音声認識エンジンにより,試用でも高い認識精度の音声入力を体験できるほか,音響学習を行う手間がとれない場合や複数人数で利用するため効率的に音響学習を行えない場合などで,これまで以上に高い認識精度の音声入力を行うことができるようになった。
また,AmiVoice CLxの開発中の機能として,画像やレポートを音声で操作できる“声マウス機能”(W.I.P.)も紹介した。従来の音声入力でのコマンドは,カーソルを動かしたり文字の入力や削除など,入力エリア内を操作できる機能のみであったが,この機能では画像移動や入力エリア自体のカーソル移動が可能となり,音声入力のみならず,音声で操作も包括できるサービスとなっている。
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●EV Insite Rとの音声入力システム連携
ブースでは,PSP社の読影用ビューワ“EV Insite R”とAmiVoice Ex7を連携した機能を展示し,体験できるコーナーを設けていた。これは,画像の拡大や縮小,ツールバーの表示といったEV Insite Rの機能の一部が音声で行えるようになっている。このほかにテクマトリックス社の“医知悟LLC”との連携なども出展された。
また,従来のマイク型の音声入力装置「AmiVoice Front SP01」「SpeechMike Air LFH3000」,ヘッドセット型の「Jabra PRO935」なども展示され,運用シーンに合わせたデバイスの組み合わせで音声入力環境を構築できることがアピールされた。
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●お問い合わせ先
株式会社アドバンスト・メディア
住所:東京都東池袋3-1-4サンシャインシティ文化会館6階
TEL:03-5958-1045
URL:http://medical.amivoice.com/