ITEM2016 トーレック ブースレポート
安全で高精度な放射線検査をサポートする線量計やファントムなどを来場者にPR
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2016-4-28
トーレックブース
1953年に設立されたトーレックは,創業以来,医用X線装置,産業用X線装置を提供してきた。医用X線装置においては,高い技術力を有するX線測定技術を生かした精度管理,被ばく管理に関連する製品を開発してきた。現在は,X線被ばく管理機器,X線乳腺組織透視画像装置,X線精度管理用測定器,マンモグラフィ装置用精度管理測定器,研究・教育用機器,X線画像診断装置用精度管理ツールの開発から製造,販売までを手がけている。また,海外メーカーの被ばく管理・精度管理機器の販売代理店にもなっている。ほかにも,MRI検査における磁性体検出器の販売も行っている。これらの製品を提供することで,長年にわたり安全で精度の高い検査・診断を支えてきた同社は,市場からも高い信頼を得ている。
今回のITEMでは,新製品としてリアルタイム皮膚線量計の「RD-1000」を発表した。インターベンションにおいて患者体表にセンサを取り付けて線量を測定し,放射線皮膚障害を防ぐツールである。
線量計としては,X線検出器に取り付けるタイプの面積線量計「PD-9000」も展示した。このほか,乳腺組織のバイオプシー検査における確実な生体採取を支援するX線乳腺組織透視画像装置「MB-1024DR」,X線撮影装置などの精度管理ファントム「JSGI」とIBA Dosimetry社製「Plimus L」も出品。さらに,RaySafe社製のX線精度管理用測定器「RaySafe X2」,Metrasens社製のMRI用磁性体検出器「フェロガード」も紹介した。
●インターベンションにおいて皮膚入射線量を測定するリアルタイム皮膚線量計「RD-1000」
低侵襲な治療法としてインターベンションのニーズが高くなっているが,一方でX線透視を長時間行うことによる放射線被ばく量の増大が大きな問題となっている。こうした状況を踏まえて,トーレックではリアルタイム線量計RD-1000を開発した。
センサ素材には,新開発のシンチレータを採用。耐久性があるとともに,高い感度を有しており高輝度を実現している。このセンサは外径が20mmとコンパクトで,他社製品の1/10のサイズに抑えられている。センサとケーブルはX線透過性が高く,透視画像への映り込みを抑えている。これにより,術者の視野を妨げず,手技に集中できるようにした。ケーブルは光ファイバー製で柔軟性があり,長さを2mにしたことで,センサの取り付け位置の自由度を高めた。センサは4つまで取り付けが可能で,4か所の皮膚入射線量を同時に測定できる。
本体は重さ1.2kgのコンパクト設計で,単3アルカリ乾電池6個で稼働する。液晶モニタはタッチパネル方式を採用しており,簡単な操作で線量率と積算線量の表示を切り替えることが可能である。また,測定されたデータをPCに転送し,専用ソフトウエアで表示・保存して分析できるようにした。
このほか,面線量計「PD-9000」も展示された。一般撮影装置や血管撮影装置の検出器に取り付け,吸収線量,面積線量,線量率,面積線量率を測定する。
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●精度の高いバイオプシー検査を行うためのX線乳腺組織画像診断装置「MB-1024DR」
X線乳腺組織画像診断装置のMB-1024DRは,乳がん診療でのバイオプシー検査において,採取した組織にがん細胞が含まれているか,採取後すぐに確認できる装置である。
バイオプシーで採取した検体をシャーレに入れて,MB-1024DRの検査台にセットして撮影を行う。がん細胞はすぐに石灰化し,X線画像では白く描出される。MB-1024DRで撮影した画像に石灰化した細胞が見られなければ,再度採取することになる。X線検出器にはFPDを採用し,高画質を実現。さらに,撮影開始から10秒で画像を得られるなど短時間での確認が可能である。撮影装置は2600mm(W)×4000mm(H)×3100mm(D)とコンパクト設計で,装置内部でX線を遮蔽するための,設置場所を選ばない。オプションでDICOM規格にも対応する。
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●手のひらサイズで容易に日常での精度管理を行える「JSGI」
JSGIは,X線撮影装置,X線TVシステムなどの精度管理を行うためのファントムである。100mm×100mmの正方形,高さ10mmもコンパクトなサイズで,装置の寝台に載せて撮影するだけで,簡単に精度管理を実施でき,コントラスト分解能と鮮鋭度の評価を行える。
ファントムでは,「Plimus L」も展示された。17段階のダイナミックステップ,16のコントラスト・ディテール識別体などが配置されている。
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●安全なMRI検査に貢献するMRI用磁性体検出器「フェロガード」
MRI用磁性体検出器のフェロガードは,金属などの磁性体のMRI検査室への持ち込みを防止する機器。ゲートタイプの「アシュア」と1本柱の「スクリーナ」がある。MRI検査室の入り口に設置して,そこを通過する3m前手前からセンサが作動し,表示灯で警告する。MRI室への磁性体の持ち込みは被検者や医療者にとって危険なだけでなく,吸着事故が発生すると,検査の停止,修理など医療機関にも被害が発生する。これらを防ぐためにも,フェロガードなどで事故を防ぐ対策が必要である。
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●お問い合わせ先
トーレック(株)
URL:http://www.toreck.co.jp/