スター・プロダクトブース

スター・プロダクトは今回，MRI室用 オーディオシステム「iMag」をはじめとする放射線科検査におけるリスクマネジメントの強化および検査の快適性の向上に貢献する製品に加え，新製品としてテクネガス発生装置「Technegas plus」を展示した。また，従来の生体情報モニター2機種に加え，自社開発のMRI室用生体情報モニター「アイラド」（発売時期未定）が出品された。（4月15日取材）

●機能的MRI（fMRI）でも活用可能なMRI室用オーディオシステム「iMag」

強磁場環境（3T MRI）にも対応したMRI室用オーディオシステムiMag は，撮像音の遮蔽効果や，音楽を聴きながら検査を受けられることによる被検者の不安軽減およびリラックス効果が得られることが大きな特長である。各社MRI装置のオートボイスに対応しているほか，ヘッドホンは高い遮音性のある「オールラウンドヘッドホン」と，ヘッドコイル装着時にも使用可能な「薄型セパレート式ヘッドホン」を標準装備。双方向タイプはマイクを通じて検査担当者と被検者が通話可能で検査中の被検者が発するごく小さな音声なども優先スピーカにより操作室に届くよう設計されており，リスクマネジメントにも貢献する。また，双方向通話を利用してfMRI検査専用製品の代用として使用する施設もあり，低コストで検査に必要なやり取りも十分可能との評価を得られているという。

MRI室用オーディオシステム「iMag」

●国内唯一のテクネガス生成装置の最新モデル「Technegas plus」をITEM初出品

核医学検査においては近年，肺換気機能診断にキセノンガスが普及していたが，販売がまもなく終了することが決まっている。
こうした状況の中，同社は今回，肺換気機能検査用テクネガス発生装置の最新モデルであるTechnegas plusをITEM に初出品した。本装置は同社が以前販売していた装置の後継機種で，テクネガス発生装置としては唯一の製品となる。操作性は従来製品とほとんど変わらず，装置内にテクネシウム溶液を入れると熱処理により簡単にテクネガスが生成され，患者は付属の吸引器から3呼吸程度吸い込むだけで検査可能となる。
ガスの生成は約20分ですみ，患者をほとんど待たせることなく検査が施行できる。
2015年から本格的に販売を開始している。

テクネガス生成装置「Technegas plus」

●従来のMRI対応生体情報モニター2機種に加え，自社開発の多項目生体情報モニターを参考出品

MRI撮像中のリスクマネジメントに必須の製品として，3T MRIにも対応する生体情報モニター3機種が展示された。
小児患者や循環器疾患患者のMR撮像時などに必須のパルスオキシメータ「7500FO」は，SpO₂（動脈血酸素飽和度）と脈拍数を常時監視でき，明るく大型のLEDディスプレイにより操作室からも見やすい設計となっている。70時間以上記録可能なメモリー機能により測定値を自動保存できるほか，オプションの「MRI外部監視システム」と組み合わせることで，操作室からガントリ内を目視しづらい環境でも操作室に設置されたPC画面上で測定値をリアルタイムに確認，測定データーの保存が可能である。また，7500FO本体およびMRI外部監視システムにはアラーム機能が搭載されており，検査時のリスクマネジメントに貢献する。
MRI室用非観血自動血圧計/パルスオキシメータ「マグライフ・ライトS/N」は，SpO₂と血圧測定のオールインワン装置で，MRI検査時の被検者の非観血的血圧値（NIBP）と脈拍数をモニターすることができる。測定値表示ディスプレイは操作室から見やすい大画面となっているほか，MRI外部監視システムと組み合わせて使用することで，検査時のさらなる安全性の向上に貢献する。
このほか，自社開発の多項目生体情報モニター「アイラド」（発売時期未定）では，SpO₂，NIBPに加えてEtCO₂（呼気終末二酸化炭素濃度）の測定が可能であり，コードレスプローブを採用したことでより使いやすさが向上している。また，オールインワン装置ではなく，施設のニーズに合わせてSpO2，NIBP，EtCO2の単機能もしくは自由な組み合わせが可能なため，より低コストでの導入が可能となる。

パルスオキシメータ「7500FO」	MRI室用非観血自動血圧計/パルスオキシメータ 「マグライフ・ライトS/N」
多項目生体情報モニター「アイラド」 （参考出品・発売時期未定）

●プロジェクションマッピングの技術を応用した赤外線バスキュラーイメージング「ベインビュア」

ベインビュアシリーズには，ハンディタイプの「ベインビュアフレックス」とスタンド式の「ベインビュアビジョン2」の2種類があるが，今回はベインビュアフレックスが展示された。パルスオキシメータと類似した無害の近赤外光を使用し，非接触・非侵襲で深さ10mmまでの静脈の走行，瘤，弁の位置，薬剤の流れなどを画像投影してリアルタイムに観察可能である。これにより，血管へのアクセス困難例や，穿刺時の穿刺針のサイズおよび穿刺位置の決定，穿刺後の薬剤の血管外漏出の確認などが容易に可能となり，事故回避，患者のストレス軽減にも貢献する。

赤外線バスキュラーイメージング 「ベインビュアフレックス」