JRC2016 CTコロノグラフィトレーニングコース「画像ワークステーションを用いたハンズオンによる診断法の実際」が開催
2016-4-14
CTコロノグラフィトレーニングコース会場
恒例となっている「CTコロノグラフィトレーニングコースー画像ワークステーションを用いたハンズオンによる診断法の実際」が,初日の4月14日(木),パシフィコ横浜アネックスホール(F205+206,F203+204)で10時から18時まで開催されている。主催は,第75回日本医学放射線学会総会CTCトレーニングコース実施委員会。
JRS,JSRT会員を対象としたこのプログラムは,2007年に第1回が行われ,今年で10年目(2011年は東日本大震災により学会が中止となったため9回目)となる。例年は,いくつかの講演やワークステーションメーカーによるプレゼンテーションなどがプログラムされるが,今回はランチョンセミナーを除くすべての時間をワークステーション実機を使ったハンズオントレーニングに充て,多くの症例を経験できる実践的な内容が組まれた。
モデレーターを飯沼 元氏(国立がん研究センター中央病院放射線診断科),トレーナーを満崎克彦氏(済生会熊本病院予防医療センター),笹井信也氏(岡山画像診断センター),松田勝彦氏(済生会熊本病院予防医療センター),木下琢実氏(倉敷成人病センター放射線技術科),三宅基隆氏(国立がん研究センター中央病院放射線診断科),池野直哉氏(国立がん研究センター中央病院放射線診断部)が務めた。
事前登録制で募集人数は150名。ハンズオントレーニングのために40台のワークステーションが用意され,1台を2,3名で使用してトレーニングを行った。ワークステーションは,ザイオソフト社のZiostation2,富士フイルムメディカル社のSYNAPSE VINCENT,東芝メディカルシステムズ社のVitreaが使用された。
初めに開会の挨拶をした飯沼氏は,「低線量による撮影方法やワークステーションを用いた解析など,CTコロノグラフィのインフラは充実してきているが,診断やレポーティングには経験が必要となり,普及の障害となっている。今回は実践的なプログラムを企画したので,ハンズオントレーニングで解析や診断を経験し,施設に持ち帰ってほしい」と述べ,続いてイントロダクションとしてCTコロノグラフィの検査・画像診断の手順を概説した。
参加者は,CTコロノグラフィ初心者から,すでに実践している人まで幅広いことから,午前中は診療放射線技師のためのワークスペースの作り方から読影,医師よる診断までを症例を使って詳細に解説し,午後は1症例10分ほどで各自が解析を行った上で解説していく方法がとられた。
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ランチョンセミナー(共催:エーザイ/エーディア)は,飯沼氏が司会を務め,服部昌志氏(山下病院)が「CT Colonographyの臨床的意義−2万例の経験をもとに−」と題して講演した。消化器専門病院である山下病院は,2003年よりCTコロノグラフィを開始し,2016年3月までに2万2555例の経験を持つ。服部氏は豊富な経験を基に,前処置と腸管拡張のポイントやピットフォールについて,症例を示しながら説明した。腸管拡張においては,欧米人に合わせて作られているカテーテルとバルーンを適切に用いる工夫や受診者体型に合わせた注入設定圧,送気困難時の対応方法などを紹介した。
服部氏は,大腸がん検診(便潜血検査)で要精検となっても,実際に精検を受けるのは約半数にとどまっている現状を説明し,受容性の高いCTコロノグラフィを大腸内視鏡の前段階の診断法として位置づけることで,受診率を上げ,受診者に大腸内視鏡の必要性を納得してもらえると述べた。早期発見により根治可能な大腸がんだからこそ,治療可能な病変を確実に拾い上げて治療することが重要であると強調し,参加者に「何のためにCTコロノグラフィを行うのか」をあらためて考えてほしいと呼びかけた。
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CTコロノグラフィは,わが国では2000年代に入ってから臨床研究が開始され,2012年1月に診療報酬が適用されて以降,急速に普及している。2016年3月には,大腸CT検査用としては本邦初となる経口造影剤・大腸CT用硫酸バリウム製剤「コロンフォート内用懸濁液25%」(伏見製薬社製)の製造販売が承認されたことから,今後さらに実施施設が拡大することが予想される。
<共催>
エーザイ/エーディア,ザイオソフト/アミン,東芝メディカルシステムズ,日本メドラッド,根本杏林堂,伏見製薬,富士フイルムメディカル
●機器展示
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