ITEM2012 ケアストリームヘルス ブースレポート
設立5周年を迎え,DR,PACS,クラウドで,“Carestream”ブランドを強くアピール
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2012-4-23
"CareStream"ブランドを全面にしたケアストリームヘルスブース
ケアストリームヘルスは,2007年にコダックのヘルス事業部が分離独立して発足してから創立5周年迎えた。今回の展示では,5周年を大きくアピールすると同時に,今年から製品のブランド名を“Carestream”に統一することから,より一層のブランドの浸透を図るため,“Carestream”のロゴを強調した展示となった。ブースは,企業カラーであるオレンジをベースとして,初めて事前予約制を採用し,中心部分を予約者向けのブース体験デモゾーン,外側をフリー来場者ゾーンとして構成し,よりきめ細かい対応が取れるように配慮した。事前予約は予定の8割以上が埋まり,好評だったとのことだ。
展示内容としては,さらなる軽量化と,外装を一新したワイヤレス型フラットパネル「DRX-1 システム」,新たにブランドネームを“Vue”として展開するPACSの「Carestream Vue PACS PowerViewer」や,医用データ外部保管委託サービス「Carestream Vue Cloud Service」など,デジタルソリューションを中心に展示した。(4月14日取材)
●ワイヤレスFPDの「DRX-1システム」を活用した一般撮影装置のさまざまなソリューションを展示
「DRX-1システム」は,ケアストリームヘルスが日本では2010年に発売したワイヤレスタイプのFPDで,昨2011年8月には世界の総販売台数が2500台を達成した。今回の展示では,ディテクタの軽量化と耐久性の向上を図り,システムを一新した第2世代の「DRX-1」が展示された。軽量化では3.75kgから3.4kgに,耐久性の向上ではパネル表面に硬膜処理を施し,キズがつきにくい加工に変更した。裏側は,持った時の落下を防ぐために四辺に滑り止め処理を施すと同時に,全体はパウダーコートにすることで,ストレッチャーなどへの装着のしやすさを確保している。また,撮影操作系では,CRと混在した撮影環境などで,カセッテサイズに合わせて「DRX-1」の画像を送る必要がある場合に,ワンタッチでカセッテサイズに画像をトリミングできる“カセッテサイズトリミング機能”を搭載した。カセッテサイズを選択するだけで画像を自動的にトリミングして送ることができ,スムーズな撮影を可能にする。また,「DRX-1」のパネルとグリッドが斜めになったままで撮影してもグリッド除去が行えるように,グリッド抑制の許容角度をフリーにした。CRでの撮影環境をそのままFPDに移行した場合でも,変わらない使い勝手を実現するための機能だと言える。そのほか,「DRX-1」では,画像素子を100%光の収集に使える設計にして高いDQEを実現し,低線量での撮影を可能にしているが,IECの提唱するExposure Index(EI)値にも対応しており,線量管理に積極的に取り組んでいくという。
「DRX-Transportableシステム」は,コンソールなどのシステムを小型化してDRX-1と組み合わせ,回診車や健診バスなどへの搭載,災害医療や在宅医療への対応を可能にする。特長は,コンソール(処理ユニット)を半切サイズに小型化し,タブレットPCとの組み合わせで運用できることだ。曝射から画像表示まで5秒以内と短縮しているほか,コンソールのバッテリーはディテクタ(DRX-1)と共通のものを使うことで,運用性にも配慮している。
展示では,健診車での設置環境で,「DRX-Transportable」の省スペース化をアピールした。また,同社では,院内のシステムについても「DRX-Transportable」のタイプに統一することで,省スペースの設置環境を提供する計画も立てているという。
そのほか,CRを使った長尺撮影のシステムを展示した。FPDによる長尺撮影では複数ショットが必要となるため,半切横のCRパネル4枚をセットして1回の曝射で撮影でき,読み取り後は自動的に連結して表示する。短時間で効率良く,患者への負担が少ない精度の高い画像を提供する。
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●自動位置合わせ機能を搭載したPACS,データバックアップのクラウドサービスなど“Vue”の新機能を紹介
ケアストリームヘルスでは,PACSのブランド名を昨年のRSNA2011から“Vue”として一新,PACS,RIS,Report,CloudがVueの名前で展開されることになった。
PACSコーナーでは,高性能ビューワ「CARESTREAM Vue PACS PowerViewer」と,iPadなどのモバイル端末を利用したシステムを紹介した。「PowerViewer」では,過去検査など異なる検査間の自動位置合わせ機能を最大の特長とする。自動位置合わせは,読影ビューワ上でアキシャル画像からボリュームデータを再構成し解析することで,解剖学的特徴から大きさと位置合わせを自動で行う。それによって,異なる検査シリーズのシンクロ表示はもちろん,CTとMRのレジストレーションや,MPRなどの三次元でのシンクロ表示(ボリュームマッチング),フュージョン表示などの正確で迅速な処理を自動で可能にした。比較読影の際には必ず位置合わせが必要となるが,「PowerViewer」では,ほぼワンクリックでさまざまなレジストレーションが簡単に行え,読影業務をサポートする。また,iPadでの画像表示機能を昨2011年から提供にしているが,ベータ版としてiPadで放射線画像だけでなく,心電図などさまざまな検査をマトリックス表示するポータル機能を参考出品した。
「CARESTREAM Vue Cloud Services」は,セキュリティや災害対策を万全に配慮した自社のデータセンターとIP-VPNによって,安全で信頼性の高いサービスを提供するクラウドサービスである。ケアストリームヘルスでは,クラウド(医用データの外部保管)サービスを2009年から提供しているが,今回の展示では「Vue Cloud」で提供されるデータバックアップ,遠隔読影,データ共有&ID統合管理,PACSクラウド,遠隔検査予約サービス,CDオンラインなどのサービス内容をパネルとデモによって紹介した。データバックアップサービスでは,外部に保存したデータについても素早く参照したいというニーズに対応するため,ストリーミング技術を使って高速配信を可能にしている。最初にJPEG画像を表示し,バックグラウンドで実データをダウンロードすることで,ストレスを感じさせない使い勝手を実現し,院内のサーバと変わらない使用環境を提供できることがメリットである。
そのほか,コンパクト型CRシステムの「ダイレクトビュー CR Elite システム」,マンモグラフィの乳腺内コントラストを向上した新しいスクリーンやマンモワークステーションなどを紹介した。また,昨年のRSNA2011で発表され注目を集めた,DRX-1を一体化した,ケアストリームヘルスとしては初めての回診車「DRX revolution」(W.I.P.)のバナーも掲示されていた。
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