ITEM2012 キヤノンマーケティングジャパン / エルクコーポレーション ブースレポート
ワイヤレスDRの「CXDI」シリーズや3Dワークステーション「Aquarius iNtuition Server」などグループの豊富なラインナップを披露
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2012-4-24
キヤノンマーケティングジャパン/エルクコーポレーションブース
キヤノンマーケティングジャパンは2011年にエルクコーポレーションをグループ化した。これに伴い今回のITEM2012では,キヤノンマーケティングジャパン/エルクコーポレーションとしてブースを構成した。DRの「CXDI」シリーズはワイヤレス化が進んでおり,今回は「CXDI-70C Wireless」と「CXDI-80C Wireless」を中心に,ワイヤレスDRのメリットを生かした回診車での使用や,在宅・災害向けシステムなどが紹介された。また,テラリコン社の「Aquarius iNtuition Server」では,CTコロノグラフィ向けのアプリケーションのデモンストレーションなどが行われた。このほか,エルクコーポレーションが販売を手がけるモニタ「DOME」シリーズも展示され,ヘルスケア分野での事業展開を強化するキヤノンマーケティングジャパンの勢いを感じさせる出展内容となった。(4月13日取材)
●ワイヤレス化により,活用の場が広がる「CDXI」シリーズ
DR関連では,「CXDI-70C Wireless」と「CXDI-80C Wireless」の2機種のワイヤレス製品を中心に展示を構成した。「CXDI-70C Wireless」は,重量が3.4kgとなっており,可搬性に優れ,ベッドサイドなど撮影エリアを広げることができる。撮影後3秒で画像を表示。撮影有効範囲は35cm×43cmで,外形寸法はフィルムカセッテと同サイズとなっており,アナログ撮影装置をデジタル化できる。また,X線平面センサーのピクセルピッチを,従来機種「CXDI-55G/55C」の160μmよりも微細な125μmとすることで高画質化を図っている。
2011年10月に発表された「CXDI-80C Wireless」は,業界初の11×14インチのカセッテイサイズのDR。外形寸法は307mm(幅)×384mm(奥行き)×15mm(厚さ)で,バッテリを含めた重量は2.3kgとなっている。新生児用の保育器にセットして撮影するなど小児領域や,整形外科領域,頭頸部領域の検査に適している。
ブース内では,「CXDI」シリーズのコンソールとなる「CXDI Control Software NE」も紹介されたほか,災害医療を想定した「CXDI-70C Wireless」の撮影画像をメディカルエキスパート社製品であるオンデマンドシステムへ送信して民生用写真プリンタである「SELPHY」から出力するシステムのデモンストレーションも行っていた。
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●フォトンカウンティング技術を採用し低線量化を図った「MicroDose Mammography」
キヤノンマーケティングジャパンが2010年から販売を開始した「MicroDose Mammography」は,独自のフォトンカウンティング技術を採用。X線のアナログ・デジタル変換処理がなく,直接デジタル信号を画像化する。このため,X線の量子検出効率(DQE)が高く,低線量での撮影を可能としている。ノイズが少ない画像が得られる上に,マルチスリットスキャニングにより散乱線を97%カット,50μmの画素サイズにより,高画質を得ることができる。
フォトンカウンティングは,検査効率の改善にも貢献している。撮影時間は従来の1/3程度に短縮でき,画像は3秒ほどで表示される。これにより1時間あたり15~18件の検査が可能になるなど,スループットが向上するとともに,被検者の負担も軽減する。
●MultiWave Technology搭載の超音波診断装置「Aixplorer」
キヤノンマーケティングジャパンが2010年から販売を開始したフランスSuperSonic Imagine社の超音波診断装置「Aixplorer」を展示した。これまでハードウエアで行っていたビーム生成,信号処理をソフトウエア上で実施することにより高速化を図った「SonicSoftware」技術を採用している。
組織弾性をキロパスカル単位でカラーマップ表示し,Bモード画像と重ね合わせて表示するShearWave Elastographyを搭載。プローブで圧迫するエラストグラフィと異なり,施行者の手技に依存することなく,再現性の高い画像が得られる。ShearWave Elastographyのカラーマップ表示をリアルタイムで行うためのUltraFast Imaging技術は,ShearWaveの伝搬をキャプチャし,ソフトウエアで並列処理することで,1秒間に2万枚の画像を得ることを可能にしている。
操作性にも優れており,タッチパネル,トラックボールなどによって,直感的な操作ができるほか,プローブも軽量のものを採用している。
●CTコロノグラフィ用のアプリケーションを強化した「Aquarius iNtuition Server」
テラリコン社「Aquarius iNtuition Server」は,CTコロノグラフィ(CTC)の保険適用を受けて,ソフトウエアの強化を行っている。「Fly-Through」は,大腸の抽出,中心線の作成を自動処理し,スパイン,プローン,ラテラルの3相のflat viewを同時に観察することができる。また,開発中のCTC用CAD機能も紹介された。Aquarius iNtuition Serverを取得後,サーバ上で病変を判別して青色のポイントでマーキングする。アキシャル像,MPR像,VR像でマーキング表示することで,病変の把握を容易にしている。このCAD機能については,肺がん用のソフトウエアも開発を進めている。
このほか,CTの画像再構成法として注目される逐次近似法のソフトウエアの開発も行っている。これは低線量CTのデータをAquarius iNtuition Serverでノイズ除去フィルタ処理を行うもの。サーバ上で集中的に処理できるので,装置ごとに処理を行うことなく,効率的に高画質化を図れる。
さらに,デュアルエナジー撮影向けのソフトウエアも紹介された。骨抜き画像や擬似的な造影CT画像をAquarius iNtuition Serverで行える。従来,高額なオプションを購入し,装置のコンソール上で処理していたものを,集中的にサーバで処理できるようにする。
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●自動キャリブレーションにより精度管理を効率化する液晶モニタ「DOME」シリーズ
エルクコーポレーションが販売を手がける液晶モニタの「DOME」シリーズは,出荷時のキャリブレーションデータを記憶して,常にDICOM Part14のGrayscale Standard Display Function(GSDF)に合った状態になるよう,自動キャリブレーション機能を搭載している。この機能により,長期間にわたり,精度の高い画像表示を安定して行うことが可能となっている。院内のフィルムレス化が進む中で,モニタ精度管理が課題となっているが,「DOME」製品はこの機能により,精度管理を効率化することを可能としている。
展示では,10メガピクセルグレーモニタ「DOME S10」のほか,4メガピクセルカラーモニタの「DOME 4Ec」などの「DOME E」シリーズが出品された。「DOME S10」はマンモグラフィ用モニタで,「DOME」製品のフラッグシップモデル。ベゼルレスにより画像の観察がしやすく,読影医の負担を軽減する。
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●CAD結果表示機能など搭載したマンモグラフィ専用画像診断ワークステーション「mammary」
「DOME S10」と組み合わされて展示されたのが,クライムメディカルシステムズ社のマンモグラフィ専用画像診断ワークステーション「mammary」である。ビューワとサーバの機能を兼ねたワークステーションで,CAD結果表示機能なども搭載される。レポートシステムである「Mammary Manager」は,チェック式の入力を追加採用するなど,効率的な読影を支援するインターフェイスを採用。キー画像の貼付やシェーマ図により,詳細なレポートを作成することができる。
●セットアップが簡単なコンパクト設計のDICOMイメージサーバ「Infinity C」
コドニックス・リミテッド社のDICOMイメージサーバ「Infinity C」も今回出品された。コンパクトな筐体を採用しながら,DICOMデータのストレージ,クエリ,リトリーブを容易に行える。すでにDICOMサーバを導入ずみの施設のバックアップ用途のほか,簡単なセットアップと専用室の不要なコンパクト設計により,部門内運用のサーバとしても最適の製品である。
お問い合わせ先:
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 医療機器事業推進課
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