日立グループブース

日立グループは，医療ITを扱う日立製作所 ，日立メディコ ，日立メディカルコンピュータ ，日立ソリューションズ が合同出展し，最新のITソリューションを紹介した。各社が持つ強みを生かして，クリニックから中核病院，健診施設それぞれの現場のニーズを汲み取り，業務の効率化や情報セキュリティを支援する各種システムをアピールした。

電子カルテシステムでは，100床程度の規模の医療機関向けのWeb型システム「Open-Karte」（日立メディコ）を展示。Webベースのシステムのため，専用ソフトウエアは不要で，柔軟で低コストな拡張が可能となっている。診療カレンダーも特長のひとつで，時間軸で患者の診療状況を視覚的に把握することができる。
また，300〜400床の中核病院向けの電子カルテシステムとして展示した「HIHOPS-HR」（日立製作所）も，時系列での患者管理が可能で，診療情報を包括的かつシームレスに管理することで，チーム医療に貢献する。
なお，日立では現在，電子カルテと医事会計データを預かる医療クラウドサービスを提供しているが，将来的にはデータバックアップ/アーカイブサービスや，地域医療連携のための医療データサービスプラットフォームの提供を予定しているという。

Web型電子カルテシステム「Open-Karte」

中規模施設向けの電子カルテシステム「HIHOPS-HR」

日立の医療クラウドサービス概要図

院内業務支援としては，レセプトチェックや臨床検査を支援するシステムを紹介した。レセプト院内審査支援システム「べてらん君コラボ」と歯科向けのシステム「歯科べてらん君」（日立メディカルコンピュータ）は，紙レセプトと同じようなレイアウトで画面に表示され，修正が必要な箇所は赤字で表示されるなどチェック機能が充実しているため，煩雑なレセプトチェック作業を正確に，効率よく行うことができる。
臨床検査システム「Lavolute7」（日立ソリューションズ）は，進捗状況モニタ機能で患者ごとに検査の進捗状況を一覧で表示し，視覚的に管理できることが特長で，シンプルな操作性でスムーズな検査作業を支援する。

「べてらん君コラボ」（左）と「歯科べてらん君」（右）

「Lavolute7」進捗状況モニタの一覧では，
経過時間が色分けで一目でわかる。

健診/保健指導ソリューションのコーナーでは，健診業務トータルサポートシステム「ヘルゼア ネクスト」と特定保健指導業務支援システム「ヘルゼア ウィリング」，生活習慣病リスクシミュレーション「メタボ・ジャッジ」を紹介した（日立メディコ，日立ソリューションズ）。ヘルゼア ネクストは，健診の予約業務を簡便・正確に行える予約カレンダー機能や，健診をスムーズに進めるための通過管理，工程管理が可能で，健診業務をトータルにサポートする。
ヘルゼア ウィリングには，指導支援（対象者のスケジュール管理や計画設定，指導結果登録など）と事務支援（予約や請求管理）の機能を搭載し，対象者ごとのコースに合わせた健康管理業務を支援する。メタボ・ジャッジは，健診結果から生活習慣病のリスクを算出し，生活習慣改善への動機付けを行える。

健診/保健指導ソリューションコーナー

ほかにも，院内のセキュリティや利便性を向上させるシステムとして，「指静脈認証管理システム」や「デジタルペンソリューション」（日立製作所）を展示した。指静脈認証管理システムは，電子カルテシステムなどへのログインや，入退室管理に利用でき，高い機密性を求められる院内セキュリティの向上を支援する。デジタルペンソリューションは，デジタルペンとドットパターンの入ったデジタルペン対応用紙を用いて，手書きの情報をそのまま電子化するもので，読み取ったデータはペンをクレードル（読み取り装置）に入れるかBluetooth通信でシステムに送信し，一元管理することができる。院内での問診票や同意書だけでなく，訪問診療・看護・介護先でも活用されているという。

「指静脈認証管理システム」は認証ログ管理機能で 不審なアクセスもチェックもできる。

「デジタルペンソリューション」のデジタルペンと ドットパターンに入った対応用紙