日立グループは，日立製作所 ，日立ソリューションズ ，日立メディカルコンピュータ ，日立メディコ の4社が合同出展し，「ぼくらのまちは，今日も元気です。日立の医療情報システム」をテーマにブースを展開した。電子カルテシステムや医用画像ソリューション，院内IT，地域連携など多彩な展示が行われ，大規模病院から診療所までを，グループ全体でカバーする姿勢をアピールした。

電子カルテシステムでは，大～中規模病院向けの「HIHOPS-HR」（日立製作所），中～小規模病院向けの「Open-Karte」（日立メディコ），また，新製品として診療所向けの「Hi-SEED AS」（日立メディカルコンピュータ）を展示。「HIHOPS-HR」は，入院から退院までの計画を俯瞰的に管理，オーダー発行などができる“ハイパーフローシート機能”を搭載。「Open-Karte」は，　Webベースシステムにすることで専用端末を増設することなく各部門をつなげ，チーム医療を支援する。また，「Hi-SEED AS」は，処方チェックや候補病名などをリアルタイムでチェックし，カルテ入力の負担を軽減する。

Webベースの成長型電子カルテ・オーダリングシステム「Open-Karte」

診療所向け新製品の電子カルテシステム「Hi-SEED AS」

次世代画像システム「ImageConcier」（日立メディコ）は，患者ごとにX線，CT，MRI，超音波，内視鏡などの検査画像を管理し，時系列表示により検査履歴の俯瞰的把握に有用な“診療データコックピット”など，日常診療を支援する機能を搭載している。

「ImageConcier」はユーザーごとにレイアウトをカスタマイズ可能

また，院内におけるさまざまな業務をサポートするシステムも展示された。
レセプト院内審査支援システム「べてらん君Collaboration」（日立メディカルコンピュータ）は，医事システムから抽出するレセプト電算ファイルを用いてチェックするシステムで，院外処方せんとの突合点検，過去履歴の縦覧点検，入院・入院外をまたいだ縦覧点検などに対応する。全国的に標準なデータベースを搭載しているが，地域や病院ごとに必要な特殊なチェック項目をカスタマイズすることができる。チェックスピードの速さが特長で，外来レセプトは1万枚を約10分でチェック可能。件数の多い大規模病院においても負荷なくチェックすることができる。

毎月のレセプト点検作業を支援する「べてらん君Collaboration」

「デジタルペンソリューション」（日立製作所）は，手書きした情報をそのまま電子化することができ，医療現場の作業効率化に貢献する。ドットのある紙に，ペン先にカメラが付いたデジタルペンで記入することで座標を読み取り，その情報を直接電子化することができる。問診票や麻酔記録，流通系など，さまざまなシーンに対応する。

「デジタルペンソリューション」で手書き情報をそのまま電子化

セキュリティと利便性の向上を実現する「指静脈認証管理システム」（日立製作所）も展示された。近赤外線で指の静脈を読み取ることにより，指紋認証などのように体表面のコンディションに影響されないため，認証率が高く安定している。電子カルテへのログイン認証強化として，厚生労働省ガイドラインに準拠しているシステムである。

静脈認証により高い認証率を持つ「指静脈認証管理システム」

ほかにも，健診業務をトータルにサポートする健診システム「Hellseher Next」や，特定保健指導業務支援システム「Hellseher Willing」，生活習慣病リスクシミュレーション「メタボ・ジャッジ」（日立メディコ，日立ソリューションズ）などが展示された。