日立ハイテクが久留米大学病院で防災備蓄を兼ねた職場環境改善サービスの実証実験を開始
医療従事者の日常と非常時を支えるサービスをめざす

2025-1-9

日立(日立製作所,日立ハイテク)


顔認証で手ぶらで買い物をする看護師

顔認証で手ぶらで買い物をする看護師

(株)日立ハイテク(以下,日立ハイテク)は医療従事者の働き方改革と災害拠点病院としての機能強化を目的に,防災備蓄を兼ねた職場環境改善サービスの実証実験(以下,本実証)を久留米大学病院で開始した。
本実証は,昼夜を問わず勤務する医療従事者の職場環境の改善と防災備蓄のために,日用品を(株)日立製作所が提供している無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA(コウリバ)」で販売し,さらにローリングストック型で備蓄できることを検証する。

背景

少子高齢化の進行に伴い,社会生活を支える重要なフロントラインワーカーである医療従事者の人手不足が深刻化している。この状況を受けて,医療従事者の働き方改革が強く求められており,便利でストレスのない職場環境の実現が重要な課題となっている。医療従事者は,限られた休憩時間を有効に活用したいと考えているが,高層階にある病棟の医療従事者はエレベータの混雑によって勤務エリア以外に移動するのに時間がかかるのが現状である。
また,気候変動の影響で災害が日常化している現代において,災害医療の現場を支える病院には防災機能の強化が求められている。具体的には,大量の防災備蓄品が同じタイミングで賞味期限切れを迎えることによる廃棄ロスの低減や,災害時に医療従事者や避難者のストレスを軽減するための食環境の改善が重要な課題となっている。
このような背景のもと,医療機器やITソリューションの提供を通して病院経営の課題解決に取り組んできた日立ハイテクが防災備蓄を兼ねた職場環境改善サービスを「病院経営支援ソリューション」として整備したことに,医療従事者の働き方改革と災害拠点病院としてのレジリエンス強化をめざしていた久留米大学病院が協力し,今回の実証実験が実現した。

本サービスの特徴

(1)日常のうれしさが非常時にもつながる商品の提供
・普段使いできる食料品,衣服,生活雑貨を防災備蓄品として病院内に保管し,医療従事者の勤務エリア内で販売する仕組みを構築した。これにより,限られた休憩時間を有効に活用したい医療従事者をサポートする。
・「CO-URIBA」の顔認証技術を活用した手ぶらでの買い物を実現した。勤務中には携帯電話や財布を携帯しない医療従事者がよりスムーズに商品を購入できる環境を提供する。
・レトルト食品を中心に,手軽でおいしい食事やおやつをラインアップした。医療従事者の勤務中だけでなく,帰宅後の家事負担の軽減にもつながる。

(2)医療従事者の非常時を支えるローリングストックの仕組み
・商品を防災備蓄品として購入し,日常生活で消費していくローリングストック型の仕組みを採用。これにより,大量購入した防災備蓄品の一斉期限切れによる廃棄ロスを防止し,効率的な備蓄管理を実現する。
・災害時に普段と同じ食事が提供されることで,医療従事者のストレス軽減に貢献する。
・防災備蓄品に対する投資を商品販売の売上で補填するとともに,職場環境の改善の効果も得られるため,限られた病院経営資源を有効に活用することができる。

本実証にあたり,久留米大学病院副院長の福本義弘氏は,「医師や看護師が財布やスマホを持たなくても商品を購入できる本サービスは,業務が忙しくて時間が惜しい時などに活躍しそうです。さらに,普段使いできる商品を院内の防災備蓄品の一部とみなして補充するローリングストックの仕組みも,災害に強い病院づくりや医療従事者の防災意識の向上につながることを期待しています。」と述べている。

今後の展開

今後,日立ハイテクは,事業化に向けた課題を整理し,昼夜問わず院内で臨床業務に携わる医療従事者の食料や日用品を常にサポートし,かつ防災備蓄を担う機能を強化し,医療機関の働き方改革に貢献する。災害拠点病院を支える行政,製薬企業,地元企業などとも連携範囲を広げ,地域課題解決に取り組んでいく。
さらに,フロントラインワーカーとして医療の最前線で活躍する医療従事者の業務をDXで支え,持続的な地域医療の実現に向けて取り組んでいく。

 

●問い合わせ先
(株)日立ハイテク ヘルスケア事業統括本部 治療システム事業部 ソリューションサービス部
[担当:山中,井村]
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/

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