エス・エム・エス,介護業界動向や介護経営実態などの研究機関「高齢社会ラボ」を設立 第一弾として「新型コロナによる在宅系介護事業者への影響」を調査

2020-11-10

介護


(株)エス・エム・エスは,介護経営実態や法改正動向,介護従事者のキャリアや働き方,高齢者の実態など,高齢社会にまつわる調査・情報発信を行う研究機関「高齢社会ラボ(URL:https://aging-and-well-being-labo.com/ )」を設立する。第一弾の取り組みとして,新型コロナウイルスによる在宅系介護事業者への影響把握を目的に,「介護事業所経営に与える新型コロナウイルスの影響」と「新型コロナウイルスの影響によるICT活用の変化」について2種類の調査を実施した。

高齢社会ラボ

 

【背景】

日本の65歳以上の高齢者は3,617万人と過去最多を更新し,総人口に占める割合も過去最高の28.7%で,世界で最も高くなるなど,高齢化が進行している。同社は,「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し,社会に貢献し続ける」をミッションに40以上のサービスを開発・運営している。今回,介護事業者の経営実態や法改正動向,介護従事者のキャリアや働き方,高齢者の実態など,介護業界,高齢社会にまつわる調査・情報発信を通じて,高齢社会に貢献することを目的に「高齢社会ラボ」を設立しました。 第一弾として,新型コロナによる在宅系介護事業者への影響のほか,介護の仕事の魅力向上についてや,介護従事者の処遇状況についての調査,報告を公開している。

【「新型コロナによる在宅系介護事業者への影響」調査総括】

在宅系介護事業者の「介護事業所経営に与える新型コロナウイルスの影響」と「新型コロナウイルスの影響によるICT活用の変化」について,2種類の調査を実施した。
調査の結果,2020年8月時点で,7割が新型コロナによる影響は大きいと回答し,5割以上が利用者の利用控えを経験していることが明らかになった。利用控えによる利用者への影響は,「身体機能,ADLの低下(69.0%)」「認知機能の低下(54.3%)」「社会参加ができないことによる引きこもり傾向(49.2%)」が上位となっている。また新型コロナに関連した補助金等の制度活用については,約7割が「すでに活用している」,「関心があり,今後活用する予定」と回答しているものの,約2割が「関心があるが,活用する方法がわからない」と回答した。
さらに,新型コロナの影響により,約3割の事業所で社内や利用者とのコミュニケーションやカンファレンス等にICTを活用する機会が増えており,今後,ICTによる効率化として活用したいと考えているツールは,電子署名による計画書の説明同意や契約締結が上位となった。

【主な調査トピックス】

(調査1)介護事業所経営に与える新型コロナウイルスの影響

1.新型コロナの影響により,最も大変だったことは,「マスクや消毒品などの物品の不足」が55.1%,次いで「利用者の利用控え等による売上高の減少」が16.9%
2.利用者の利用控えは半数以上の事業所で発生
3.利用控えによる影響は,「身体機能,ADLの低下(69.0%)」,次いで「認知機能の低下(54.3%)」「社会参加ができないことによる引きこもり傾向(49.2%)」となっており利用者の状態低下を不安視している声が多い
4.新型コロナに関連した補助金等の制度は「すでに活用している」と回答した事業所が29.1%,「関心があり,今後活用する予定(43.3%)」と多くの事業者が期待を寄せている
5.約7割(69.9%)の事業所が,新型コロナが経営に与える影響が大きいとしており,影響が大きいと回答した事業所においてどのような影響があるかについては,「売上減少など経営に関する影響が大きい」が71.5%と最も多い

※詳細記事:https://aging-and-well-being-labo.com/surveys_20201110_kaigojigyousyokeiei/

(調査2)新型コロナウイルスの影響によるICT活用の変化

1.新型コロナの影響により,約3割の事業所が以前よりICTを活用するようになった
2.なぜICT活用が増加したかについては,「在宅での勤務が増加したため,社内コミュニケーションの手段として活用するため(37.4%)」「他のサービス事業者とのカンファレンス等で活用するため(19.2%)」など,コミュニケーションを円滑に行うためという理由が上位となっている
3.ICT活用が増加した事業所で最も利用が増えたツールは,「SNS(56.6%)」等のコミュニケーションツール
4.ICT導入のハードル上位は,「FAXや電話で要件が済んでしまうことが多い(20.0%)」,「新たに導入するICT活用に際して,学習する時間が取れない(18.9%)」
5.今後さらにICTを活用したいとする事業所の約7割(69.8%)が,今後活用していきたいICTツールとして「契約や計画書の説明同意などに際して活用する電子署名システム」を挙げている

※詳細記事:https://aging-and-well-being-labo.com/surveys_20201110_ictkatsuyou/

主な調査トピックス

 

【調査概要】
・調査対象:介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」利用会員
(対象サービス種別:訪問介護,訪問看護,通所介護)
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2020年8月15日~8月25日
・回答件数:
(調査1)介護事業所経営に与える新型コロナウイルスの影響
 有効回答数:356件
(調査2)新型コロナウイルスの影響によるICT活用の変化
 有効回答数:323件

※:総務省「統計からみた我が国の高齢者(統計トピックスNo.126)」(令和2年9月20日)

 

●問い合わせ先
(株)エス・エム・エス
https://www.bm-sms.co.jp/

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