グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン,看護必要度のデータ分析サービス,8~9月に無償提供
手間なく重症患者を見える化,10月から月1.5万円で

2020-7-10


病院の経営コンサルティングを行う(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC※1)は,重症患者の割合を見える化するデータ分析サービス「看護必要度モニタリング」を新たに開発した。全国の病院に向けて,8~9月の期間限定で無償提供する。

重症患者割合は,病院の重要な施設基準の一つだが,国に報告が義務付けられている資料作成は手間がかかる。新サービスを活用すれば,自病院の重症患者割合を手間なく見える化し,関連の業務を大幅削減できます。10月以降は月額1.5万円から提供する。

病院は,診療の際に「重症度,医療・看護必要度」と呼ばれる患者の重症度を判断するためのデータを収集している。このデータを基に病院ごとの重症患者割合を明記した資料を作成し,重症患者を多く診療する「急性期病院」の施設基準の一つとして,厚生労働省へ提出している。

重症患者割合は,2020年度の制度変更(※2)で施設基準の厳格化が行われたことに加えて,提出資料を作成するためのデータソースが変更された。そのため,病院はその対応に追われている。直近では2020年9月末までに,全国の病院は新制度での重症患者割合の提出を義務付けられている。

一方で新型コロナの影響を受け,多くの病院では制度変更に伴う対応が遅れがちなのが現状。新サービスを活用することで,病院は手間なく制度変更に対応し,必要な情報をそろえるとともに,自病院の重症患者の現状を見える化することができる。

「看護必要度モニタリング」は,同社が提供する病院向け経営分析システム「病院ダッシュボードχ(カイ)」(※3)の新サービスとして提供する。病院はサービスを利用するのに必要な院内データ(※4)をセキュアな状態で同社へ送付すると,翌日反映で重症患者割合をインターネット経由で確認できるようになる。厚労省へ提出するデータはすべて網羅されているほか,診療科別,病棟別,月別,日別の切り口でデータを確認することができる(図表)。

図表:診療科別,病棟別,月別,日別の切り口でデータを確認することができる(画面は開発中のもの)

 

図表:診療科別,病棟別,月別,日別の切り口でデータを確認することができる(画面は開発中のもの)

図表:診療科別,病棟別,月別,日別の切り口でデータを確認することができる(画面は開発中のもの)

 

本サービスは,同社が提供する「病院ダッシュボードχ」を利用する病院,無償で提供している「新型コロナ影響分析レポート」(※5)の参加病院に限り,8月から9月までの期間限定で無償提供する。10月以降は月額1.5万円がかかる。「病院ダッシュボードχ」のそのほかのサービス契約は必要なく,「看護必要度モニタリング」単体契約でもサービスを利用できる。

同社は今後も病院経営を支援するデータ分析サービスを開発し,新型コロナ禍の病院経営をサポートする。

■サービス概要

サービス名:「看護必要度モニタリング」
リリース日:2020年8月
提供対象:DPCデータを作成している全国の病院
価 格:無償(「病院ダッシュボードχ」の利用病院および「新型コロナ影響分析レポート」参加病院に限り8~9月の期間限定)
※10月以降は200床未満で月額1.5万円(税別),200床以上で月額2万円(同)

(※1)株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
医療専門職,ヘルスケア企業出身者,IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中,「質の高い医療を最適なコストで」という理念を実践する具体的な手法として,米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み,広めたパイオニア。https://www.ghc-j.com/
(※2)2020年度の制度変更
病院の収入は,診療実績に応じて受け取る「診療報酬」が大半を占め,2年ごとに改定される。2020年度の制度改定で,入院収入の4割を占める「入院基本料」の重要な施設基準である重症患者割合が見直された。重症患者割合の基準値がこれまで以上に高く設定されたことに加えて,厚生労働省へ提出する資料作成に必要なデータソースの変更に伴い,データ集計業務が複雑化している。これまでは,「EFファイル」(請求データ※4)あるいは「Hファイル」(重症度,医療・看護必要度データ※4)いずれかの集計で済んだが,2020年度から両ファイルを統合して集計することになった。
(※3)病院ダッシュボードχ
15年間のデータ分析に基づく病院経営コンサルティングで培ってきたノウハウをベースとする多機能型経営分析ツール。高度急性期病院の4割への導入実績がある。「DPC分析」を軸とする基本サービスのほか,「外来分析」などのオプションサービスで構成される。https://www.ghc-j.com/dashboard/
(※4)必要なデータ
「看護必要度モニタリング」を利用するには,「EFファイル」(請求データ)と「Hファイル」(重症度,医療・看護必要度データ)の2つのデータ送付が必要。いずれも重症患者に対応する急性期病院であれば院内で作成するデータで,サービスの対象病院は「DPC対象病院」(DPC準備病院含む)と呼ばれる急性期病院および「データ提出加算」を算定する出来高算定病院の計4764病院(2020年3月時点)。日本に存在する8389病院(同)のうち約6割が対象になる。
(※5)新型コロナ影響分析レポート
危機的な状況が続く中,同社は病院経営への新型コロナの影響を可視化するため,「分析レポート」と「分析ソフト」(「病院ダッシュボードχ」の一部機能)を緊急特別企画として無償提供することを決めた。経営分析に有用な医療ビッグデータの一つである「DPCデータ」を活用したレポート・ソフトであるため,サービスの提供対象はDPCデータを提供している病院(データ提出加算病院)に限る。https://www.ghc-j.com/event/dashboard/202005/

 

●問い合わせ先
(株)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
https://www.ghc-j.com/


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