日立化成,横浜サイトで再生医療等製品における製造業許可を取得
2020-6-12
日立化成横浜サイト
日立化成(株)は,再生医療等製品に特化した製法開発・受託製造施設として2018年4月に稼働を開始した同社横浜サイト(神奈川県横浜市)において,2020年6月2日付で「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」*1(以下,薬機法)に基づいた,厚生労働省関東信越厚生局の所管する再生医療等製品の製造業許可を取得した。
再生医療は,けがや病気で損傷した組織・臓器および免疫の機能を回復させるため,体外で培養するなどした細胞を体内に移植する治療法であり,具体的にはがん免疫療法*2 や体性幹細胞*3,iPS細胞*4 等を用いた治療法がある。近年,特にがん免疫療法,体性幹細胞を用いた治療法の臨床応用例が急増しており,再生医療市場の急速な立ち上がりが期待されている。
日立化成は,2017年3月に,米国の再生医療等製品の受託製造分野大手である,PCT, LLC, a Caladrius Company(現 Hitachi Chemical Advanced Therapeutics Solutions, LLC)を完全子会社化した。2018年4月には,同社から取得した再生医療等製品の製法開発および製造に関する技術と運営のノウハウを取り入れた,再生医療等製品の製法開発・受託製造サービスを提供する横浜サイトを,神奈川県横浜市に新設し,稼働を開始した。また,ドイツに製造拠点を有し,主に欧州や米国の製薬企業向けに再生医療等製品の受託製造を行うapceth Biopharma GmbHを, 2019年4月に完全子会社化した。こうした取り組みにより現在日立化成グループでは,米国3カ所(カリフォルニア州マウンテンビューに1カ所,ニュージャージー州アレンデール内に2カ所),日本1カ所(神奈川県横浜市)および欧州1カ所(ドイツミュンヘン)の世界5カ所の製造拠点を中心に,再生医療等製品の受託製造事業をグローバルに展開している。
日立化成は薬機法に基づいた再生医療等製品の製造業許可を得たことにより,今後,薬機法に基づく再生医療等製品の治験薬製造および医薬品製造を通して,再生医療の発展により一層努めていく。また,再生医療等製品の将来的な量産体制に向けた製造技術を確立し,患者様のQOL向上に貢献していく。
*1 日本における医薬品,医薬部外品,化粧品,医療機器および再生医療等製品に関する製造,販売,流通,広告などについて定めた法律。
*2 免疫の力ががん増殖の力を上回るように,免疫細胞を体外で増殖,強化し体内に戻し,免疫の作用によりがんを攻撃する治療法。
*3 体性幹細胞とは,生体のさまざまな組織にある幹細胞。
*4 皮膚などから採取した細胞に遺伝子を導入後,培養することで得られる人工的な幹細胞。増殖して非常に多くの細胞に分化できる,万能性を有する。
●問い合わせ先
日立化成(株)ブランド・コミュニケーション部
https://www.hitachi-chem.co.jp/