自治医大発ベンチャー「DeepEyeVision」,眼科向けAI診断支援ソリューションを提供開始
-DEEPCOREおよびINDEE Japanから資金調達を実施-

2020-2-5

AI


自治医科大学(以下,「自治医大」)発のAIベンチャー,DeepEyeVision(株)(以下「DeepEyeVision」)は,眼科医の診断速度・精度の向上を目的として,自治医大と共同開発した画像診断AIを用いた,クラウド型AI診断支援ソリューション「DeepEyeVision」(注1)の提供を開始した。
なお,本ソリューションは,2020年2月7日・8日に,新宿・京王プラザホテルで開催される「日本総合健診医学会 第48回大会」にて展示する。

また,DeepEyeVisionは,(株)ディープコア(以下「DEEPCORE」)が運営するAI特化VCファンド「DEEPCORE TOKYO 1号 投資事業有限責任組合」,シード特化ファンド「(株)INDEE Japan」(以下「INDEE」)から資金調達を実施する。

■「DeepEyeVision」ソリューションイメージ

(図1)画像診断AIによる解析イメージ(画像はプライバシーに配慮し,所定の手続を経たもの)

(図1)画像診断AIによる解析イメージ(画像はプライバシーに配慮し,所定の手続を経たもの)

 

(図2)クラウド型AI診断支援ソリューション提供イメージ

(図2)クラウド型AI診断支援ソリューション提供イメージ

 

 

■ソリューション概要

医療機関が,診察時に撮影した「眼底画像」(注2)を,クラウドシステムにアップロードすると,画像診断AIが一次解析を行う。続いてDeepEyeVisionと提携する大学眼科所属の読影医(注3)が,AIの解析結果をチェックした上で,診断結果を医療機関に回答する。
健康診断センターや総合病院,眼科クリニックは,医療用AIを本格的に採用した,本ソリューションを導入することで,読影医を確保する手間が省け,大幅なコスト削減とともに,業務量の低減を通じて,より付加価値の高い医療業務に注力することが可能になる。
また,急速な高齢化が進み,目に疾患を持つ患者が増加する近年の社会環境において(注4),本ソリューションが普及することにより,多くの人々が,現状より医療費を抑えつつ,高度な眼科医療を受けられるようになることが期待される。
なお,本ソリューションは,2020年1月現在,自治医科大学附属病院 健診センターや,地域健診センター,個人クリニックなど複数の医療機関にて,先行利用されている。

注1:クラウド型AI診断支援ソリューション「DeepEyeVision」
2016年より,自治医大とDeepEyeVisionが共同で独自開発したAIによるクラウド型眼科画像診断サービス。眼科診療時に撮影した画像から,診断候補を確率とともに提示。日本国内の各医療機器メーカーに対応し,健診画像,遠隔診断にも適用可能。
自治医大が保有する豊富な臨床画像を学習データとしていることに加え,「糖尿病網膜症を周辺まで含めて病期分類する深層学習特許技術(日本国内にて自治医科大学が出願中,論文公開済み)」および,「円錐角膜を診断する教師なし深層学習特許技術(米国にて自治医科大学,日本国内にてDeepEyeVisionが出願中,論文公開済み)」を用いることで,高精度の病名予測を実現。
注2:眼底画像
目の奥の網膜を撮影した写真。目の中は透明であることから,人体で唯一血管を傷つけずに撮影でき,高血圧・糖尿病などの全身疾患も分かる。
注3:読影医
高血圧や動脈硬化による眼底血管の変化を初めとして,眼底出血や緑内障など様々な目の病気を眼底画像から指摘する医師。
注4:目に疾患を持つ患者が増加する社会環境
眼科は通院患者の平均年齢が一番高い科であり,高齢化に伴ってますます患者が増えると予想されている。

■ソリューション提供開始,ならびに資金調達に関する関係者からのコメント

●自治医科大学 眼科学講座 教授 川島 秀俊氏からのコメント
自治医科大学ではオープンイノベーションセンターを設置し,世界をリードする医療イノベーションを積極的に推し進めています。髙橋医師が自治医大に赴任したのは2012年で,当時失明疾患の注射治療が年200件でしたが,髙橋医師は注射が少ないことによる視力低下を検証して国際誌に発表し,4年で件数を1500件に増やすなど診断・治療の近代化に励んできました。最近ではAIを用いた診断支援サービスの開発に打ち込むことで,より多くの患者さんにメリットをもたらそうと奮闘しています。栃木から,世界に先駆けた実績を出してくれることを期待しています。

●自治医科大学附属病院 健診センター長 宮下 洋氏からのコメント
自治医科大学健診センターでは眼底写真の専門医読影を眼科学講座に依頼してきましたが,読影品質を保つには様々な苦労がありました。共同研究で過去10年分のデータを深層学習してみたいと提案された時点では,このように実社会に直ちに貢献できるAIが実現できるとは考えていませんでしたが,この度このAI開発研究成果がサービスとして発売できる段階にまで到達したことを大変喜ばしく思うとともに,健診における眼底診断の精度向上に貢献することを期待しています。

●DEEPCORE 代表 仁木 勝雅氏からのコメント
髙橋CEOの眼科専門医としての臨床経験・眼科領域での長年の研究実績と,近藤CTOの医療現場の課題解決に向けたソリューション開発の技術力を高く評価しています。KERNEL HONGOで出会った2人が開発した画像診断AIソリューションを通じて,世界中の人々の健康を目から守ることに貢献することを期待しています。

●INDEE Japan 代表取締役テクニカルディレクター 津田 真吾氏からのコメント
DeepEyeVisionのチームには,ディープラーニング技術は当然のこととして,AIの教師となる眼科医と豊富なデータがあります。日本に限らず,世界中の眼科診断を容易にし,目の病気で苦しむ人を減らすことを期待しています。

 

●問い合わせ先
DeepEyeVision(株)広報担当
TEL 050-3032-2521
メール:pr@deepeyevision.com
https://deepeyevision.com/

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