順天堂大学とソフトバンク,スマートホスピタルの実現に向けて連携を開始
2019-3-14
学校法人順天堂 順天堂大学(以下「順天堂大学」)とソフトバンク(株)(以下「ソフトバンク」)は,順天堂大学医学部附属順天堂医院(以下「順天堂医院」)におけるスマートホスピタルの実現に向けて連携し,実証実験の取り組みを開始する。第1段階となる実証実験では,国内で初めてBluetooth® Meshネットワークを(※1)医療機関に構築し,看護師の働き方改革を支援するソリューションの開発および検証を行う。
順天堂医院の医療分野に関する専門的な知見と,ソフトバンクのテクノロジーへの知見やノウハウを生かし,医療現場のニーズや課題をテクノロジーで解決するスマートホスピタルの実現に向けて,共創していく。
1.実証実験の概要および背景
スマートホスピタルの実現に向けた第1段階として,順天堂医院の看護師を対象に,ICTを活用して看護業務の効率化を図るソリューションの提供を行う。
看護師は,患者さんの対応はもちろん,医師,メディカルスタッフ,医療事務との連携など重要な役割を担い,日々膨大な業務を抱えている。こうした業務を効率的に進めるために,看護師同士のスムーズな業務連携が鍵となる。実証実験では,互いのスケジュール,タスク内容,現在位置などが可視化でき,スムーズな連携や最適な人員配置を支援するソリューションを提供する。
具体的には,看護師がモバイル端末(スマートフォンやタブレット)を携帯し,互いのスケジュールやタスクの進捗を一覧で確認できるようにする。また,IoTソリューションを提供する(株)WHEREが開発したBluetooth Meshネットワークを病院内に構築し,高精度な位置情報を取得することで,どの看護師がどの病床(ベッド)で業務に当たっているか,リアルタイムで緻密に把握できる仕組みを構築する。さらに,看護師の位置情報とナースコールの呼び出しを連携させ,迅速に対応できるワークフローを確立する。
Bluetooth Meshネットワークは,2017年に規格化されたBluetooth技術の一つ。メッシュ(格子)型のネットワークを構築することで,1〜2メートル単位での高精度な屋内での位置の計測ができる。この技術を活用することで,病床(ベッド)単位で測位が可能になり,看護師がどの患者さんの看護に当たっているのかがわかる。Bluetooth Meshネットワークは,海外の医療機関での導入事例はあるが,日本の医療機関での導入は初となる。
看護師の動線と業務状況をリアルタイムで可視化することで,看護師間のスムーズな連携を可能にし,看護業務の効率化と質向上につなげる。
<イメージ図>
2.今後の展開
第2段階以降の取り組みとして,AI(人工知能)やIoTプラットフォームなどを活用し,入院患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上や外来患者さんの通院・受診支援を実現する共同研究を検討していく。病院の業務効率化から,入院や通院,在宅,自宅での支援も視野に入れた共同研究を展開し,スマートホスピタルの実現を目指していく。
※1 2019年3月14日現在,(株)WHERE調べ
※ この実証実験は,厚生労働省が定める「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」に従って実施する。
●問い合わせ先
順天堂大学
https://www.juntendo.ac.jp/
ソフトバンク(株)
https://www.softbank.jp/