キヤノンメディカルシステムズ,国内初,BLV遺伝子検出用LAMPプライマーキット販売開始
2018-11-13
キヤノンメディカルシステムズ(株)は,牛白血病ウイルス(BLV(注1))遺伝子を簡便に検出することが可能な,国内初のBLV遺伝子検出用LAMPプライマーキット(以下,本キット)を,12月中旬に発売予定。本キットと,同社のバッテリー駆動可能な小型等温増幅蛍光測定装置Genelyzer Fシリーズを用いることで,従来法の1/2以下の約25分という短時間での迅速な遺伝子検出を行うことが可能である。
本キットは,栃木県県央家畜保健衛生所とともに,BLV遺伝子検出技術に関わる共同研究(2017年8月から2018年3月まで)において実証実験を実施,その成果を受け販売開始することとなった。
BLVにより引き起こされる地方病性牛白血病は近年発生が増加しており,生産現場での被害が増加している。(注2)。対策のためには,感染牛の早期発見により適切な対策をとることが重要である。しかしながら,現在のBLV遺伝子検出法では操作が煩雑で検出時間が長いという問題があった。
従来の1/2以下の時間で迅速に遺伝子を検出できる本キットと,前処理の推奨法である自動抽出機(注3)を用いることで,前処理から検出までトータルで1時間以内での迅速なBLV検出が可能となるため,より簡単により現場近くでの遺伝子検出を実現する。
同社は,Genelyzer Fシリーズに検出キットのラインアップを増やすことで遺伝子検査ニーズに幅広く対応し,分子検査ソリューション事業の更なる拡大と積極的な展開を進め,家畜分野の生産性向上に貢献していく。
(注1):BLV:Bovine Leukemia Virus
(注2):http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/ebl.html
(牛白血病に関する情報:農林水産省)。
(注3):従来高度な手技を必要としていた全血からの遺伝子検出において,全血からの遺伝子検出の前処理を,推奨法である自動抽出機magLEAD 6gC/12gC (プレシジョン・システム・サイエンス社製) を用いることでDNA抽出を30分で行う。(オプション)
※本キットは,医薬品医療機器等法の対象外製品のため,診断,治療を目的とした販売,授与はできない。研究・実証試験・評価用としての使用を想定している。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/