ボストン・サイエンティフィック,パーキンソン病の治療に用いる植込み型脳深部刺激(DBS)装置「Vercise Gevia™ MRI DBS System」発売
〜日本で唯一のディレクショナルリード対応,かつ,条件付きMRI対応製品で更なる患者さんのQOL向上に貢献〜
2018-3-1
バーサイス ジェビア MRI DBSシステム
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)は3月1日,パーキンソン病の治療に用いる植込み型脳深部刺激(DBS)装置Vercise Gevia™ MRI DBS Systemを新発売した。
パーキンソン病は,進行性の神経変性疾患であり,日本で163,000人※1が罹患していると推計されている。振戦,筋固縮,動作緩慢および姿勢反射障害などの運動障害を特徴とする疾患である。パーキンソン病初期の治療に当たっては薬物療法が選択されるが,症状が進行すると,薬物療法による症状のコントロールが難しくなると言われている。DBSは,そのような進行期パーキンソン病の症状を軽減するための外科的治療で,電気信号を用いて脳の特定部位を刺激する。DBSは,電気パルスを発生させる植込み型パルス発生装置とパルスを脳に伝えるリードで構成される。
本製品は2017年に発売した多指向性刺激(水平方向と垂直方向両方の刺激)を実現するディレクショナルリードと同社独自の刺激技術であるMICCテクノロジー※2により,刺激による副作用の併発を避け症状に応じたDBS治療をサポートすることとともに,充電式IPGでも使用できるように改良した。
Vercise Gevia™ MRI DBS Systemの特徴
・ディレクショナルリード対応※3
・条件付きMRI対応※4
・充電式の刺激装置であるため長寿命
・簡単な充電システム
・患者さんが使用するリモーコントロールを日本語対応としたことで利便性がさらにアップ
順天堂大学医学部 運動障害疾患病態研究・治療講座の梅村淳 先任准教授は,Vercise Gevia™ MRI DBS Systemについて「当施設では,DBSデバイスの選択は,充電式か非充電式か,MRI撮像の可否,刺激調節性,電池寿命,充電の操作性などを患者に十分説明したうえで,患者の希望を考慮しながら決めています。DBSデバイスの選択要因としては,医療者の視点からは,(1) 刺激調節のバリエーション(多指向性刺激),(2) MRI対応,(3) プログラマの操作性が重視されます。一方,患者の視点からは,(1) 電池寿命,(2) 充電の操作性,(3) 新規のデバイスであることが重視されます。このような観点から,最近上市されたVercise Gevia™ は医療者側,患者側いずれの視点からみても非常に優れたデバイスであるといえます。」との評価,コメントした。
ボストン・サイエンティフィック ジャパンが1月20日(土),第57回日本定位・機能神経外科学会後に奈良で開催した講演会でも,DBSの専門医が参加し,本製品の機能に関する熱のこもった情報交換が行われた。
※1 厚生労働省 平成26年患者調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000007530479&releaseCount=1
※2 MICC(Multiple Independent Current Control):
- 複数の独立した電源から電流を供給するシステム。
- 複数の電極の電流値をそれぞれ設定でき,明確な刺激調整が可能。
- 定電流により,設定した電流値を安定して供給する。
※3 ディレクショナルリード
リング状の電極を3分割にした,ディレクショナル電極で構成されている。リング状の電極が全周囲方向に刺激を出すのに対し,ディレクショナル電極は刺激を出す方向を選べるので,副作用を避け効果を出す刺激の調整をサポートする。
※4 MRI撮像条件は担当医に問い合わせ。
●問い合わせ先
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)
http://www.bostonscientific.jp