GEヘルスケア・ジャパン,第11回「Signa甲子園 2015」を開催
MRIの撮影技術アイデアやクイズを通じ,MR診断の標準化とレベルアップを図る
〜中村病院(福井 UM) 佐々木基充氏が金賞を受賞〜
2015-12-24
Signa甲子園 2015受賞者
(写真左より)五十嵐氏,佐々木公氏,
佐々木基充氏,石川氏,加藤氏
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,12月12日(土),MRI(磁気共鳴断層撮影装置)の先進的な撮像技術の共有を通じて,MRI診断の標準化やレベルアップを図る「Signa甲子園 2015」(MR Signa ユーザーズミーティング・全国大会)を下記の通り,開催した。
MRIの画像は操作を担当する診療放射線技師や臨床検査技師のテクニックに依存する面が大きいため,同社ではGE MRユーザーがそれぞれの撮像技術の創意工夫などの情報交換や交流を行う「Signaユーザーズミーティング」を全国各地で開催している。また,さらなる交流を図り,操作担当者に先進的な撮像技術を身につけてもらうために,2005年よりユーザーズミーティング(UM)の全国大会である「Signa甲子園」を実施している。
11回目となる今回の「Signa甲子園 2015」では,約170名の全国のGE MRユーザーの出席のもと,全国各地のユーザーズミーティングから選出された10名の代表が,コンテスト形式で実際の臨床に即応用可能なアイデアを発表した。結果,最優秀の金賞には,福井UM,中村病院の佐々木基充氏による「すべてSignaにおまかせ! 〜呼吸同期腹部造影検査〜」が選ばれた。また,過去のSigna甲子園において発表された演題の中で最も引用数が多かった最優秀演題として,2013年に「VR DWIBSのすすめ」を発表した神奈川UM,けいゆう病院の五十嵐太郎氏に,さらには同社MRアプリケーショングループメンバーが本大会審査員と同じ基準で選出した最優秀演題として「アーチファクトは友達 片手で両手?高分解能,欲張り撮像」を発表した北九州UM新別府病院 加藤広士氏にそれぞれ大会特別賞が授与された。表彰式の後には,Signa甲子園2015の新企画として「SIGNA Master選手権」が実施され,北里大学病院の秦 博文氏と札幌医科大学付属病院の長濱宏史氏の司会のもと,MRにまつわるクイズコンテストが行われた。
●「Signa甲子園 2015」概要
日時:2015年12月12日(土)15:00〜19:30
会場:TKP ガーデンシティ PREMIUM 神保町 プレミアムホール
主催:GEヘルスケア・ジャパン(株)
企画・運営:Signa甲子園 2015 実行委員会
実行委員長:札幌医科大学付属病院 鈴木淳平氏
スケジュール:
・全国コンテスト(全国10代表が発表)
・MR最新技術紹介
・SIGNA Master選手権
・表彰式
・情報交換会
●受賞者
金賞:福井UM 中村病院 佐々木基充氏
発表演題:「すべてSignaにおまかせ! 〜呼吸同期腹部造影検査〜」
発表要旨:高齢の方や全身状態が悪くて検査の息止めを行えない患者さんにおいてダイナミック撮像も呼吸同期法を用いて撮像することができる手法。動脈相・平行相などの多時相撮像がおこなえる ので EOB の動脈相で問題視されている呼吸モレも軽減できる可能性がある。
銀賞:埼玉UM 上尾中央総合病院 石川応樹氏
発表演題:「Off Center Shim より長方形 Shim でしょ!!」
発表要旨:仮想Shim Volumeとして長方形FOVで設定した3D SPGRを活用し,マニュアルチューニングを行う手法。さらに,角度(オブリーク設定)も調整できるため,より磁場の不均一に影響を与える構造物をShimming領域から排除することができる。
銅賞:広島UM 広島平和クリニック 佐々木公氏
発表演題:「Auto FURI Scan」
発表要旨:頚部,足関節などの領域は脂肪抑制効果が得られにくい。脂肪抑制がかかっていない領域と抑制効果が得られている領域の2箇所でマニュアルチューニング(撮像したFURI)を行い,その中心周波数の平均値を使用することで良好な脂肪抑制効果を得る手法。
また,今大会では以下の2つの大会特別賞が設定され,表彰が行われた。
MCP賞(Most Cited Presentation):神奈川UM けいゆう病院 五十嵐太郎氏 / Signa甲子園 2013 ...過去のSigna甲子園において発表された演題(114 題)の中で最も引用数が多かった最優秀演題
発表演題:「VR DWIBSのすすめ」 ... Signa甲子園 2013 発表
発表要旨:呼吸同期併用Coronal DWIの撮像条件を工夫して画像の歪みが小さい画像を提供。さらにVolume Renderingすることで臨床価値の高い画像を得られる。
GE Application Selection賞:北九州UM 新別府病院 加藤広士氏...GE MRアプリケーショングループメンバーが本大会審査員と同じ基準で選出した最優秀演題
発表演題:「アーチファクトは友達 片手で両手?高分解能,欲張り撮像」
発表要旨:折り返しアーチファクトの特性を利用して両手指,手関節の高分解能画像を得ることができた。また撮像時の固定方法も手袋など身近なものを活用していてユニークな手技である。
表彰式では,今回の「Signa甲子園 2015」で実行委員長を務めた北海道UM 札幌医科大学附属病院 鈴木淳平氏から入賞者に楯の贈呈が行われ,それぞれの発表に対してコメントした。
Signa甲子園の大きな特長のひとつとして,全国のMRユーザーの交流を深めることがあげられる。毎年,大会では全国様々なUMでの情報交換を含め,ユーザー同士の親交が深められている。
また,もう一つの特長として,発表されたアイデアが大会後にMRユーザーの各施設ですぐに活用できることである。特に今年の甲子園では“再現性”を重視しており,MR装置のシステムバージョンに依存しないアイデアが多く発表されている。発表された内容はGE MRユーザーのCommunity Siteである『Signa・る』*で公開される。このWebサイトで発表の様子が確認できるため,多くのMRユーザーがさまざまなアイデアを臨床検査で活用できる。昨年の発表スライドに関しても現在,『Signa・る』で公開されている。この「Signa・る」 は開設後11年で,約3,000名のユーザー登録を獲得している。
*:Signa・る:https://gecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l_entrance/index.html
最後にSigna甲子園 2015の第二部で開催された新企画・“SIGNA Master選手権”を紹介。SIGNA Master選手権はSigna甲子園初の全員参加型イベントで,秦博文氏(神奈川UM・北里大学病院) と長濱宏史氏(北海道UM・札幌医科大学附属病院)の二人の軽快な司会の下行われた。SIGNA MR(GE MR)にまつわる厳選された2択形式クイズが10題出題され,最後まで勝ち残った12名が“SIGNA Master”として表彰された。SIGNA Masterには記念品としてSIGNA Masterロゴ入りのIDフォルダが秦氏より渡された。
同社ではこのようなユーザーズミーティングの開催を,MRIのみならず,CTやPET,核医学装置,超音波診断装置など他の製品群にまで拡大しているほか,開催地域を国内だけでなく世界各国に広げている。
同社では最先端の技術開発に努め,時代のニーズに合った製品を市場に投入していくとともに,複雑高度化する診断装置の性能をフルに引き出してもらえるよう,ユーザーの方々のアイデアや工夫も共有しながら,顧客サポートにより一層注力していく。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)コミュニケーション本部
ブランチャード/松井
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp