シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス,微生物検体処理システム「WASP」と液相輸送容器「eスワブ」を発売
2014-1-31
WASP
・イタリア コパン社より販売権を獲得
・2製品の投入により,微生物検査の自動化ワークフローを創出し,また,微生物検体の回収率を向上させることで検査品質の向上を実現
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)は,イタリア コパン社より日本における販売権を取得し,1月31日より,微生物検体処理システム「WASP(ワスプ)」と液相輸送容器「eスワブ(イースワブ)」の販売を開始する。
WASPは,微生物検査室で主にマニュアルで行われている,検体処理の自動化を可能にする。
また,eスワブは,検体を効率的に採取し,液体培地へ無駄なく溶解(リリース)する。2月1日(土)~2日(日)に名古屋国際会議場で行われる,第25回日本臨床微生物学会にて両製品を展示する。
●eスワブについて
尿,糞便,喀痰,咽頭粘液など,さまざまな形状の体液を検体として取り扱う微生物検査では,検体採取から培地への検体塗布までの作業を,材料ごとに異なるワークフローで行うのが一般的である。
eスワブは,これらの材料を簡便に液体培地へ溶解(リリース)することで,個別ワークフローをひとつのフローに集約する画期的な液相輸送容器。本製品は,コパン社が開発したナイロンファイバーを芯に固着させる新技術により作られたフロックスワブを使用している(コパン社特許)。このユニークな構造により,採取した検体をスワブ表面近くに保持(トラップ)できるため,従来の繊維状スワブと比較すると,菌体の収量が飛躍的に増える。このため,eスワブ1本の検体から,分離培養,グラム染色のみならず,PCR,迅速抗原検査など,複数の追加検査が可能となる。また,菌を室温および冷蔵で48時間安定に保つことができる(Neisseria gonorrhoeaeナイセリア・ゴナリアまたは淋菌は24時間)。
●WASPについて
WASPは,多くの微生物検査室でマニュアル処理されている,各種検体から培地への接種までの一連の作業を自動化する。検体投入後,バーコード読み取り,ボルテックス(撹拌),検体容器キャップの自動開閉,検体塗布,検体容器排出,培地へのバーコード貼付,培地の種類別ソートおよび排出までを,すべて全自動で行う。容器の蓋は,HEPAフィルターにつながる吸気口のそばで塗布直前に開けられるため,エアロゾルによるコンタミネーション(汚染)を防止する。また,検体塗布に使用する金属製のループは,1検体ごとに自動焼却滅菌してリユースできるため,消耗品が不要。検体塗布のパターンは,あらかじめ搭載された各種パターンから選択するだけでなく,任意のパターン設定も可能*1である。さらに,グラムスライド塗布やブロスへの接種などのモジュールを追加*1することで,施設のニーズに合ったバージョンアップをフレキシブルに行うことができる。
菌の収率が高く,材料に関わらず容器サイズが同じeスワブとWASPの組み合わせにより,煩雑な検体処理と塗布作業が標準化され,業務の効率化と生産性が向上する。シーメンスは,これらの製品投入により,微生物検査業務の新たなワークフロー構築や品質向上に大きく貢献する。
*1 いずれもオプション機能
●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)
お客様支援センター
TEL 0120-543-455
http://www.healthcare.siemens.co.jp/laboratory-diagnostics