iRad-RS(線量管理)(インフォコム)
「iRad-RS」を使った線量管理環境の構築
2020-10-5
はじめに
2020年4月より医療被ばくの線量記録が義務化され,さらに2015年6月に公表された診断参考レベル(DRLs 2015)が2020年7月に改訂され,「日本の診断参考レベル(2020年版)(Japan DRLs 2020)」として公表された。このような動向を受け,医療機関では医療被ばくに関する線量管理体制の構築が進みつつある。医療被ばくの適正化のためにはその基となる情報,つまり線量情報の収集と検査の質の評価が必要であるのは言うまでもなく,施設の人員・システム環境に合わせた線量管理業務の体制づくりが求められる。
インフォコムは,長年の実績と経験を基に,このようなニーズに応えるべく,放射線情報システム(以下,RIS)「iRad-RS」に線量管理機能を実装した。
被ばく評価情報の収集
線量管理記録はさまざまな方法が検討できるが,装置から出力された線量情報をDICOM Radiation Dose Structured Report(以下,RDSR)形式で管理できる線量管理システムを採用することによって,管理業務の省力化を図ることができるだろう。
iRad-RSはDICOM RDSRの受信に対応しており,装置から受信した線量情報をシステムに取り込み,管理することが可能である。もちろん,iRad-RSにはModality Performed Procedure Step(MPPS)やデフォルト撮影条件の適用および編集などの機能が実装されているため,装置がRDSRの出力に対応していない場合でも,線量情報の収集・管理ができる。さらに,他社製の線量管理システムと連携して線量情報を線量管理システムから取得,iRad-RSのオーダ情報と併せて管理することも可能である。施設の環境に合わせた柔軟なシステム構築が可能である(図1)。
収集したデータの出力と評価
上記の方法で収集した情報は,iRad-RSのデータピックアップ機能を用いることで,患者情報や検査内容と結合して出力することができる(図2)。出力結果はExcelを用いてさまざまなパラメータを併せて集計し,リスト化・グラフ化が簡単に行える。例えば,特定の撮影部位の線量情報を身長や体重データと併せて出力し,患者の体型による影響を検討することが簡単にできるだろう。
最後に
医療被ばくの線量記録が義務化され,医療機関では線量管理体制の構築についてさまざまな方法が検討されているところである。iRad-RSに登録されている検査や患者の情報を線量情報と併せて分析することで,自施設の線量管理や撮影プロトコールの見直しに,RISに蓄積されているデータを活用することができる。
また,(1) RDSRを用いた線量管理機能,(2) 手動/半自動での線量情報入力機能,(3) 線量管理システムとのインターフェイスによるデータ登録機能を実装しており,施設のシステム環境に応じて最適な手法をご提案することができる。施設のシステム環境や規模に応じた,最適な線量管理環境を構築いただけると考える。
【問い合わせ先】
インフォコム株式会社 ヘルスケア事業本部放射線システム営業部
TEL 03-6866-3790
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