技術解説(シーメンスヘルスケア)

2019年8月号

Women's Imaging 2019 最新技術

乳房MRIおよび生検における最新のソリューション

breast MRIは撮像ソフトウエアや受信コイルの発展により,空間分解能,時間分解能共に高くなっている。本稿では,Siemens Healthineers MRI装置における,さらなる高空間・高時間分解能化への取り組みに加え,保険収載されたMRIによる「乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術」の手技にかかわるワークフロー改善機能について紹介する。

●高分解能DWI

従来の拡散強調画像(DWI)による画像は,空間分解能が低く形態的な歪みを生じていた。リードアウト方向にセグメント化したマルチショットEPIの“syngo RESOLVE”は,これらの問題を解決したため広く用いられるようになった。反面,撮像時間の延長が課題であったが,パーシャルフーリエ法の適用により3〜3.5分程度に短縮された。さらに,最近発表された高速撮像技術である“Turbo Suite” に含まれる“SMS”を適用すると,1.5〜2分で高分解能DWIが得られる(図1)。

図1 SMSによる高分解能DWI

図1 SMSによる高分解能DWI

 

●高速DCE

通常,造影ダイナミック(DCE)では約60秒ごとの撮像を行っていくが,造影剤投与直後から60秒後の早期相までの間を数秒ごとの高い時間分解能で撮像して信号強度変化を見ると,病変部の性状や良悪性の鑑別をより的確に行えるという報告もある。高速DCEは,“TWIST-VIBE”を適用することで撮像が可能である。

●生検ワークフロー

最新の生検対応7chコイルには,手元を照らすためのLEDコイルを内蔵し,術者の作業をしやすくしている。また,ガントリパネルの“BioMatrix Interfaces”に,生検位置を計測する支援ソフトウエアで求めた挿入位置や吸引の向きを表示することが可能となり,術者にとって簡便で確実な生検ワークフローの実施を支援する(図2)。

図2 LEDライト内蔵生検対応コイルと,ガントリでの生検位置表示

図2 LEDライト内蔵生検対応コイルと,
ガントリでの生検位置表示

 

【問い合わせ先】
コミュニケーション部
TEL 0120-041-387
https://www.siemens-healthineers.com/jp/

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