技術解説(フィリップス・ジャパン)
2013年12月号
最新ビューワ&タブレットソリューション
部門システムから地域医療連携までを支えるフィリップスが提案する「IDS7 PACS」の紹介(ビューワ)
林 将之(ヘルスケア事業部)
画像をモニタで診断するのが当たり前の時代となった。これまでは放射線科が主導し選定・管理などを行ってきた医用画像管理システムだが,今後は院内全体で使用するインフラとして,電子カルテなどと同様に重要な役割を占めると考える。本稿では,院内すべてのスタッフおよび地域医療連携の運用までカバーできる「IDS7 PACS」を紹介する。
■直感的操作性
昨今,急速にスマートフォンが普及しているが,その要因の一つが直感的な操作性である。IDS7 PACSも同様に,「IDS7システムは設置されたらすぐ使えるわかりやすさがいい!」というユーザの声を多くいただいている。ナビゲータ部にはマトリックスウィンドウを実装し,過去画像のサムネイルをフィルムジャケット感覚で見ることができる。ハンギングプロトコルを設定することにより,初期表示の時点で過去画像を並べての比較読影や,CTとMR画像など,他モダリティの並列表示などが可能である。実際に使っていただいた先生方の声として,「サムネイル,ハンギングが抜群に使いやすい。全体的に他のメーカーでできることは網羅しており,なおかつそれを簡単に使えるシステム。第一印象が良い。色合いや見た目がすっきりしており,たくさんの人が使ってきてここまで来たのだなという安心感がある。画面も見やすくて,家電のように見ただけでわかるシステムになっている」などがある。このように,ユーザインタフェイスに関しては,機能を各画面にただ並べるだけではなく,使いやすさを前面に出した作りとなっている(図1)。
■クリニカルアプリケーションインタフェイス
IDS7シリーズは,自社の高機能アプリケーションのみならず,他社アプリケーションとの連携を得意としている。“IDS7 dx”は,他社のアプリケーションをプラグインすることにより,IDS7シリーズ端末内でのアプリケーション呼び出し,解析,解析結果の再ストレージを1端末内で完結することが可能となっている。また,特許であるディスプレイプロトコルに他社アプリケーションを組み込む機能により,対象検査画像を選択するだけ(最短0クリック)でプラグインソフトを呼び出すことが可能となっている。さらに,同システム内のオプションとして,整形用インプラントシミュレーションアプリケーション“OrthoTool”や,マンモグラフィ読影専用アプリケーション“IDS7mx”,アドバンストビジュアライゼーション(MIP,MPR,3D)なども取りそろえている。
■地域医療連携
IDS7 PACSは,端末1台から地域医療連携をカバーする大規模システムまで,ユーザの要望に合わせて多様に構築できる仕組みになっている。地域医療連携や院外読影の場合,さまざまな読影環境が考えられるが,固定PCはもちろん,ノートPCやiPadなどのスマートデバイスにも対応したビューアを用意している。サーバ側に関しては,要望に合わせて基幹病院で一元管理,各施設で分散管理,クラウドサーバサービスを使用しての院外管理など,さまざまなシチュエーションに対応可能である。また,セキュリティに関しても,院内ポリシーに合わせてネットワークレベルからIDS7 PACSシステム内でのガードも考慮しており,対象患者の匿名化や対象読影者の限定設定などにも対応している。
今後,病院内端末も,固定PCから1人1台の環境になると予想される。すでにAndroid端末やiPadなどを導入している病院も見受けられる。IDS7 PACSは,そのようなスマートデバイスにも対応する簡易ビューア“Philips IDS7 LiteView”をラインナップしている。また,参照のためだけのシステムではなく,学会発表などで使うための資料作成補助ツール,院内教育や症例データベースを作成できるティーチングファイル機能,そして,経営サイドが院内運用のデータ収集をする際に能力を発揮するPACSログ解析ツールなども,順次導入予定としている。
これらの特性により,読影に対する飽くなき追究,可能性が広がる。フィリップスは,従来のPACSの域を超えて院内すべての部門・業務で使用できるIDS7 PACSを,次世代PACSとして自信を持って提案する。
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