技術解説(コニカミノルタ)

2020年1月号

DR System Update 2020

単純X線検査において動画撮影を実現するデジタルX線動画撮影システム

当社は,2011年の「AeroDR」の発売からこれまでにわたり,市場の声に寄り添いながら機能・性能を充実させたAeroDRシリーズを展開してきた。その最新世代FPDである「AeroDR fine」と,X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」(図1)にて構成される,新たな診断価値に寄与する可能性を持つデジタルX線動画撮影システムを紹介する。

図1 X線動画解析ワークステーション KINOSIS

図1 X線動画解析ワークステーション KINOSIS

 

■デジタルX線動画撮影システム

本システムは,単純X線撮影と同様に,一般X線撮影装置での撮影を可能とし,パルス状のX線照射によりコマ撮りした画像を連続表示することで動画撮影を実現する。立位撮影が可能なため,日常生活上の体勢に近い状態を観察できるという利点があり,かつ動画は静止画に比べ,非常に多くの情報を得ることができる。
次に,KINOSISが持つ画像処理技術の概要を紹介する。

1.“動き”の見える化
肺野内の鎖骨と肋骨成分を減弱表示する「BS-MODE(胸部骨減弱処理)」や,各構造物のエッジ部分を際立たせる「FE-MODE(周波数強調処理)」により,肺野内の視認性向上や,動きの観察しやすさを追究している。

2.“動き”の定量化
横隔膜運動の様子をグラフ表示する「DM-MODE(特定成分追跡処理)」は,今までとは違った視点からの症状推定や機能評価を可能とする。

3.肺組織の“動き”に伴う信号値変化の抽出
肺組織の挙動に伴う信号値変化で現れる生体のわずかな動きをディスプレイ上に表示することが可能である。

コニカミノルタは,「単純Ⅹ線検査は静止画撮影」の従来常識の枠を超え,X線一般撮影から得られる情報量の増加に伴う診断精度向上に貢献したいと考えている。また,独自の画像処理技術により,患者にとって,より効率的な診療を提供し,医療費抑制につながる新たな価値を提供するとともに,医療の質の向上に貢献していく。

 

【問い合わせ先】
ヘルスケアカンパニー営業推進部X線営業部
TEL 03-6324-1080
URL https://www.konicaminolta.jp/healthcare

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