技術解説(富士フイルム)

2019年8月号

Women's Imaging 2019 最新技術

「AMULET Innovality」の“乳腺量計測機能”

乳房の構成は,病変などが乳腺に隠れるリスクがあるかどうかの判断において重要であり,(1) 極めて高濃度,(2) 不均一高濃度,(3) 乳腺散在,(4) 脂肪性の4分類とし,(1) (2) の2つを合わせて「高濃度乳房」と分類されている。この判定は医師の視覚評価で行われているが,画像情報から定量的に計測した乳腺量を,読影時にビューワで付帯情報として参照できれば,医師へ客観的な判断の参考情報として提供できると考える。

現在の視覚評価における判断方法はBI-RADS第5版に対応しており,その医師の判断方法に近い乳腺量の算出方法が,「乳腺内乳腺量」である。BI-RADS第4版に対応した医師の判断方法に近い「乳房内乳腺量」との違いを図1に示す。

図1 「乳房内乳腺量」と「乳腺内乳腺量」

図1 「乳房内乳腺量」と「乳腺内乳腺量」

 

「AMULET Innovality」に搭載している“乳腺量計測機能”は,マンモグラフィ撮影装置内のX線のキャリブレーションデータを使用して計測するため,乳腺量を正確に計測できる。また,乳腺量の演算には当社が長年培ってきた画像処理に使用している画像解析技術を用いている。

乳腺量の結果は,特別な形式のレポートで閲覧する必要はなく,通常どおり画像を送信するだけで,IDや氏名,撮影条件と同様にDICOMタグへ収納するため,PACSなどのビューワでオーバーレイに表示して乳腺量計測結果を簡便に確認することができ,施設の運用を変更する必要はない(図2)。

図2 乳腺量計測機能の運用図

図2 乳腺量計測機能の運用図

 

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