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横テーブルを採用したコンパクト0.25T 永久磁石型MRI「AIRIS Light」登場
2015-9-25
図1 0.25T永久磁石型MRIシステム「AIRIS Light」
高画質と優れた撮像機能における高いバランスが評価されている日立の永久磁石型オープンMRIシステムAIRISシリーズに,高い設置性を備えた新機種「AIRIS Light」(図1)が登場しました。AIRIS Lightは高いオープン性とコンパクト性を追究しており,横配置テーブルの採用により設置スペースを効率的に利用いただけます。また,優れたハードウエアスペックと高磁場MRIシステムの開発で実現された多くの高機能を搭載した最新のオープンMRI装置です。
AIRIS Lightの特長
1.開放感のあるオープンデザイン
横配置テーブルの採用により,コンパクト性と容易な被検者セッティングを実現しました。ガントリの内部でテーブルが前後,左右に自由に移動できるフローティング機構を搭載しています。肩関節や膝関節など体軸中心から外れた部位でも容易にガントリの中心にセッティングすることができ,高画質に撮像が可能です。また,受信コイルを接続するコネクタがガントリ前面に位置しているため,テーブルの移動時にケーブルを巻き込むなどのトラブルを低減できます。
ガントリのオープンデザインは広いアクセス範囲を持ち,特に狭いところが苦手な方や小児の検査においてやさしい環境での撮像ができます。さらに,ラウンドフォルムデザインを採用し,カラーリングも暖かな色としました。
2.最新の傾斜磁場システム
永久磁石型MRIシステムでは最高クラスの傾斜磁場パワーを搭載し,高機能撮像や将来開発される新機能にも余裕をもって対応できるハイスペックを実現しました。
ハイパワー傾斜磁場システムの効果は,高い空間分解能画像の撮像や薄いスライスの対応だけでなく,高いスリューレートがもたらすスピーディな傾斜磁場性能がエコータイム(TE)の短縮や受信帯域の低減効果で,画像のSNRを向上できる特長もあります。
3.高い設置性と優れたランニングコスト
永久磁石型MRIシステムの特長であるコンパクトデザインを,横配置テーブルがさらに向上させました(図2)。設置スペースを有効に活用できるだけでなくシールドルームも小さくできるため,付帯設備の費用を抑えることが可能です。
また,永久磁石方式により超電導MRI装置のような磁場を維持するための冷却にかかる高額な電力費用が不要で,ランニングコストを低減できます。
4.RADAR:モーションアーチファクト(画像歪み)低減技術
超電導MRI装置で評価の高いモーションアーチファクト低減技術“RADAR”を搭載しました。MRIのデータ取得を回転状に充填するRadial Scan技術により,アーチファクトの収束を分散し,データの加算効果も期待できます。日立のRADARは,ルーチン検査に使用できる汎用性と良好な画像コントラストが得られることが特長で,永久磁石型MRIの画像はモーションアーチファクトが目立ちにくい性質がありますが,さらにRADARの併用によりアーチファクトの少ない良好な画像を得ることができます。
図3に画像例を示します。頭部の画像は,動きのある被検者に適用した例です。肩関節や腹部の呼吸動にも対応し,呼吸同期のない撮像においても良好な画像が得られます。