技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)
2020年8月号
Women's Imaging 2020 最新技術
「Aplio iシリーズ」のBreast Imaging最新技術
キヤノンメディカルシステムズ株式会社の提供する超音波診断装置「Aplio iシリーズ」は,常に最新の技術で臨床応用の分野を広げてきた「Aplio」に加わった最上級シリーズである。
●さらなる高精細Bモード画像を実現:超高周波リニアプローブ
Aplio iシリーズで使用できるリニアプローブ「PLI-1205BX」は,4.0~18.2MHzと広帯域であり,乳腺検査に十分な視野深度と浅部から深部まで均一な高画質を実現している。また,リニアプローブ「PLI-2004BX」(周波数帯域8.8~24MHz)は,乳腺領域の通常および精密検査に対応するため,約4cmの視野幅と実用に耐える視野深度を確保している。その上で,24MHzという超高周波により,今までにない高画質画像を提供する(図1)。
●低速血流を高フレームレートにとらえる:SMI
Superb Micro-vascular Imaging(SMI)は,当社独自のアルゴリズムを用いて,低流速血流を低いクラッタアーチファクトかつ高分解能,高フレームレートで可視化を実現した手法である。従来のカラードプラ法では,モーションアーチファクトを除去すると同時に低流速域の血流情報も失っていた。SMIでは,組織の動く速度に近い低流速の血流を組織の動きの特徴を解析して分離することで,モーションアーチファクトを大幅に減少して高分解能,高フレームレートかつ低ノイズを実現し,これまで検出困難であった低流速の血流を高精細に描出できる。SMIの表示法として,モノクロ表示のmonochrome SMI(mSMI)とカラー表示のcolor-coded SMI(cSMI)がある。さらに,Aplio iシリーズでは,“iBeam Forming”の“Multi-Beam Receiver”機能により,今まで以上の広範囲を高フレームレートで,クラッタアーチファクトを低減しつつ微細血流を映像化できるようになった(iSMI)(図2)。
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