技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)
2014年8月号
Women's Imaging 2014 最新技術[Breast Imaging]
注目を集める乳房MRIへの東芝の技術アプローチ
近年,従来の乳房MRI目的である術前評価などに加え,遺伝性乳がんやシリコンインプラントのスクリーニング検査としての役割も担っています。本稿では,乳房MRIに対する東芝の技術アプローチの成果を紹介します。
●インプラントのスクリーニング
シリコンインプラント検査用の撮像シーケンス“PASTA-Si”を搭載。シリコン成分を高信号に描出することができるため,インプラントの内容成分がシリコンであるのか生理食塩水であるのかの識別,さらにはシリコンの漏れの有無を正確に確認することができます(図1)。
●脂肪抑制の技術的課題を克服
より確実で高い脂肪抑制効果を得るため,独自の脂肪抑制法“Enhanced Fat Free”法を搭載しました。本手法は2発の脂肪抑制パルスを組み合わせることで,RF強度のムラを低減し,消え残った脂肪を確実に抑制することができます(図2)。通常では,2発の脂肪抑制パルスを印加すると撮像時間の延長が気になりますが,本手法は縦磁化の回復を待たないため,SPAIR法のような撮像時間の延長がないことが特長です。
●より高精度で有用な乳房検査へ
専用コイル「ブレストSPEEDER」は,コイル位置が固定された従来のコイルと異なり,コイルそのものを上下左右の任意な位置に可動できます。この機能により,乳房の形状や大きさに応じてコイルを密着させることが可能となり,SN比が従来に比べて大幅に向上します。本コイルはMRIガイド下生検にも適応しており,コイルの可動はアプローチが難しかった大胸筋に近い病変に対しても有用です。
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
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