技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)
2013年8月号
Women's Imaging 2013 最新技術
Vantage Titan 3Tにおける乳房MRIの新たな取り組み
71cm Open Boreタイプ「Vantage Titan 3T」に搭載された技術および新たな取り組みについてご紹介します。
●Enhanced Fat FreeおよびMulti-phase Transmissionによる両側均一な脂肪抑制
3T MRIでは,B ,B1不均一による脂肪抑制ムラが懸念されています。Titan 3Tでは,安定した脂肪抑制の実現のため,
2発の脂肪抑制パルスを印加する脂肪抑制法“Enhanced Fat Free”および2ch 4port送信の新たなRF送信技術“Multi-phase Transmission”を搭載しています。これらの技術により,確実な脂肪抑制画像を提供することができます(図1)。
●コイルエレメントシフトによる高SNRの確保
乳房形状に応じてコイルを上下左右に動かすことが可能な専用コイル“ブレストSPEEDER”により,乳房にコイルを密着させることが可能なため,1.5Tからの磁場強度増加に加え,さらなるSNRの向上が可能です。得られた高いSNRは,3Tならではの高分解能に生かすことが可能です。
●シリコンの識別・漏れの有無確認可能なPASTA-Si
乳房のインプラントの検査用として,撮像シーケンス“PASTA-Si”があります。PASTA-Siは,シリコンと脂肪を選択して励起するシーケンスであり,インプラントの内容成分がシリコンか生理食塩水かの識別,およびシリコンの漏れの有無を確認することができます(図2)。
●Time-SLIP法による非造影の新たな試み
血液を内因性造影剤として血管を描出する非造影技術“Time-SLIP法”により,ブレスト領域では乳がんの栄養血管の描出,腫瘍へのラベル血の取り込みを確認することが可能です。Dynamic撮像で問題となる,生理周期による正常乳腺の非特異的染まりの一助となる可能性を期待して,現在研究を行っています(図3)。
乳がん検診における東芝MRIの特長
●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/