技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2013年8月号

Women's Imaging 2013 最新技術

車載型デジタルマンモグラフィ装置「Pe・ru・ru DIGITAL for Vehicle」
キヤノン独自のFPD温度管理バックアップ機能のご紹介

●Pe・ru・ru DIGITAL for Vehicle 全国で稼働開始

図1 ご導入車両(例)(健診センター・キタデ様)

図1 ご導入車両(例)(健診センター・キタデ様)

東芝メディカルシステムズは,直接変換型FPD方式マンモグラフィ装置の車載型として,2012年6月に薬事認証を取得し,2013年6月現在,新車(図1)はもちろん,既存のマンモ検診車のマンモ装置の載せ替え,2台搭載車などのご用命をいただき,全ご施設で,順調に稼働しています。
本稿では,東芝独自のFPD温度管理バックアップ機構についてご紹介します。

●車載に最適な空冷方式のFPD

東芝は,空冷方式のFPDを採用しています。水冷式FPDと異なり,水循環のためのチラーがないため,そのメンテンスと無駄な設置スペースを必要としません。
また,水温に依存せず,エアコン,ヒーターによって撮影室の温度が適温になれば使用可能となるため,1年を通じて,比較的短時間で検査を開始することができます。

●温度管理バックアップ用FPD恒温器(特願2013-082447)

図2 FPD恒温器

図2 FPD恒温器

直接変換方式FPDの安定稼働のためには,FPDの温度を適温に保つ必要があります。したがって,駐車保管中は外部電源を接続し,エアコンによって車内を適温に保たなければなりません。しかし,泊りがけの出張検診,車検や修理では,外部電源を接続できるとは限らず,また,停電によりエアコンが停止してしまうこともあります。
そこで東芝では,エアコン等による温度管理のバックアップ機能として,撮影台装着型のFPD恒温器(図2)を新たに開発しました。
FPD恒温器は,ヒーターと蓄熱材を内蔵し,気温が低くなる季節には100V電源に接続することで撮影台を保温するとともに,万一の停電時でも,蓄熱材の保温効果により撮影台の温度を数時間適温に保持するフェールセーフ機能を備えています。また,気温が高くなる季節には,恒温器を電源に接続することなく,撮影台に装着することで,蓄熱材の保冷効果により撮影台の温度を適温に保持することができるエコシステムで,FPDの温度管理をバックアップします。
東芝メディカルシステムズは,今後も,車載型 Pe・ru・ru DIGITAL の検診車特有の機能をさらに充実し,日本のすみずみまで乳がん検診を普及するための一翼を担っていく所存です。

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

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